熾烈な攻防が繰り広げられるオノゴノ島の近海に、その艦影は近付きつつあった。

海中に身を潜めながら息を殺 すように接近してくる。

TFの潜水母艦:ポセイドン だ。

ブリッジにて、艦長シートに 腰掛けるキョウは、モニターに映る戦いを見詰めながら顔を顰める。

予想以上に地球軍側の物量は 大きい……キョウは静かにブリッジを見渡すと、皆が強く頷き返す。

結局のところ、退艦者はブ リッジ要員や整備班、パイロットからは出ず、非戦闘員が数名抜けただけであった。

クルー達の決意と覚悟に敬意 を表し、キョウは徐に立ち上がる。

「これより、オーブ軍の援護 に入る…総員、第1種戦闘配備!」

キョウの指示に、オペレー ター達は命令を復唱しながら矢継に指示を各部署に出す。

「総員、第1戦闘配備!」

「全兵装! ロック解除!」

「パイロットはMSに待機し てください!」

「加速度20%UP! 浮上 します!!」

                         

水中から艦の上半部を曝け出 すポセイドン……甲板に設置された2つの発進カタパルトが開いていく。

カタパルト内には、2体の MSが発進体勢に移行する。

フライトユニットとビームラ イフル、シールドを装備したシグーのカスタム機の横には、灰色のMSが待機する。

「ニコル……覚悟はいい な!」

最後の確認をするようにミゲ ルが隣のMSのコックピットに座るニコルに問い掛ける。

「ここまで来て、それはない ですよ」

冗談めかした口調で答えなが ら、ニコルはフッと笑みを浮かべる。

「ならいい……ミゲル=アイ マン! いくぜ!!」

発進OKを告げるパネルが表 示され、ミゲルのシグーが射出される。

ケーブルを外し、シグーが飛 び立っていく。

ニコルは静かにゲートの向こ う側を見詰める……これから先に待つのは、自身が望む未来を得るための戦い……操縦桿を握る手が微かに震えそうになる。

だが、ニコルはそれを振り払 うように強く握り締める。

自分も……そして、自身の機 体も生まれ変わったのだ……ニコルが搭乗するブリッツは、損失した右腕を新たに改修し、また武装も大幅に変更された。

 

GAT−X207C:ブリッ ツビルガー

 

それが今のニコルの機体だ。

電磁パネルが表示されると、 ニコルは視線を真っ直ぐ前に見据えた。

「ニコル=アマルフィ、ブ リッツビルガー! いきます!!」

カタパルトがブリッツを押し 出し、即席のフライトユニットを装備したブリッツが空中に舞う。

刹那、機体が黒く色付き…… 戦士は甦った………

 

 

機動戦士ガンダムSEED 

TWIN DESTINY OF  DARKNESS

PHASE-37  (ゆう やみ)の誓

 

 

突如としてフリーダムとイン フィニティを庇うように現われたジャスティスとエヴォリューション……コックピット内で、アスランとリンは微かに戸惑いを見せながら操縦桿を握っていた。

キラもまた、自らを助けた未 知の機体を呆然と見ていた。

その時、機首を特定したコン ピューターが機体名を表示する。

 

―――――ZGMF− X09A:JUSTICE

 

コンピューターは、フリーダ ムの兄弟機の形式番号を表示していた。

レイナもまた、眼前で佇む漆 黒の機体に思わず眼を見開いていた……自身の乗るインフィニティと酷似した機体形状……

 

―――――ZGMF− EX000AU:EVOLUTION

 

機首を特定したコンピュー ターが、機体の形式番号と名称を表示する。

(インフィニティの同系 機……だけど……)

レイナが感じた疑問は眼前の 黒い機体だけではない……その機体から感じる感覚だ。

この感覚は、間違いない…… 眼前のエヴォリューションという機体のコックピットにいるのは、リンだと直感していた。

だが、それがさらに困惑を呼 んだ。

何故、自分を助けるのか…… その時、エヴォリューションが微かにこちらを見やった。

機体越しに感じる相手の気 配……気配に、殺気は感じなかった……

 

突然の未知の機体の乱入に、 外野は戸惑った。

「このぉぉ! なんだテメー ら!!」

クロトが癇癪するように叫 び、レイダーを変形させる。

「へぇ…まだいたんだ……変 なMS」

ほくそ笑み、シャニはフォビ ドゥンを加速させる。

「ほう……同型…いや、同系 機か………面白いなぁ、まったく」

動じることもせず、ただ面白 みが増したと愉悦の笑みを浮かべ、ウォルフは両腕のファーブニルを展開して襲い掛かる。

「……………」

アディンは無言のまま…それ でも、微かに眼を細めてヴァニシングを駆った。

 

コックピットに響いたアラー トに、キラとレイナはハッと我に返った。

モニターには、迫ってくる4 機が映ると同時に、攻撃が放たれ、4機は分散する。

攻撃をよけたフリーダムの コックピットに、通信が開いたのは同時だった。

「こちら、ザフト軍特務隊所 属……アスラン=ザラだ」

その声が響いた瞬間、キラは ビクッと身を硬直させ、息を呑む……

「聞こえるか、フリーダ ム……キラ=ヤマトだな?」

躊躇いがちに尋ねるアスラン の声に、キラは疑念を浮かべた。

「アスラン……?」

何故、自分を助けるのか…… 戸惑いながらポツリと呟くが、逡巡としている時間はなかった。レイダーがMA形態のまま両肩の機関砲を放ちながら突撃してきた。

それをよけながら、ジャス ティスは両腰のビームサーベルを抜き取り、二本の柄を中央で合体させ、ハルバート形態にして振り上げる。シールドで攻撃を防ぎながら加速し、レイダーに斬 り掛かった。

それをレイダーは右手の防御 盾で受け止め、弾き返す……同じく、もう片方の方でも戦闘が始まっていた。

エヴォリューションは向かっ てきたヴァニシングに向けてビームマシンガン:ヴィザリオンで攻撃し、体勢が崩れた瞬間を狙い、一気に接近して蹴り飛ばす。だが、その陰から飛び出したゲ イルがファーブニルを放つが、エヴォリューションはそれを機体の機動性を生かして回避し、左腕のアンカー:スコーピオンを放ち、ゲイルを弾き飛ばす。

キラは歯噛みし、戸惑いなが らフリーダムを駆る……ビームサーベルを抜き、ジャスティスを狙ってきたフォビドゥンに割り込み、弾き飛ばす。

「どういうつもりだ!? ザ フトがこの戦闘に、介入するのか!?」

困惑しながらも叫ぶと、レイ ダーの攻撃を避けていたアスランが、思い掛けない答を返す。

「軍からはこの戦闘に対し て、なんの命令も受けていない……!!」

キラは思わず眉を顰める。

エヴォリューションに態勢を 立て直したヴァニシングがビームガトリングガンを構えるが、放たれる銃弾を後方へと回り込んだインフィニティが受け止める。

背中越しに、レイナは開いて いる通信回線に問い掛ける。

「……何の真似?」

少なくとも、自分を助けた… いや、庇った意図がまったく解からない………形式番号が同じということは、この機体もインフィニティと近い機能を持つということは自然に特定できる。ウォ ルフを含めた連合の機体にも梃子摺っている現状で、この機体が敵に回れば、厄介なことこのうえない……警戒心を漂わせた低い声で問い掛けると、リンはフッ と肩を竦めるように笑みを浮かべた。

「勘違いしないで……別に、 貴方を助けたわけじゃない………」

素っ気なく答えると、2機は 反射的に離れる。

ゲイルの放ったネオ・スキュ ラが先程まで2機が滞空していた空を過ぎる……ヴァニシングはステルスライザーに搭載されたロングレンジキャノンで狙撃する。

それをインフィニティがシー ルドを掲げて受け止めると、その隙を衝いて、エヴォリューションは腰部のレールガンで砲撃する。

実体弾に近いレールガンで は、TP装甲に阻まれるが、それでも衝撃は相殺できず、弾き飛ばされる。

「…ただ、貴方が他人に殺さ れるのを見たくなかっただけよ」

素っ気なく小さげに呟くと、 ゲイルに向かってデザイアを放つ。

その一射をよけると、ゲイル とフォビドゥンが同時にビームを放ち、4機は散開する。

体勢が崩れた瞬間を狙い、 ミョルニルを発射するレイダーとビームアクスを振り上げながら迫るヴァニシング……

「この介入は……俺個人の意 志だ!」

ジャスティスがミョルニルを 掻い潜り、レイダーにビームサーベルを振り上げ、エヴォリューションはビームアクスをデザイアで受け止め、インフェルノでヴァニシングを弾き飛ばす。

2機はまるで、見えない敵に 対して昂然と、まるで敵を見極めようとするかのように戦う。

アスランとリンが己の意志で 決めてこの戦いに介入したことに、キラとレイナは息を呑む。

ともに相容れない相手と思っ ていた相手が自身の相手と戦う……キラは泣きたい衝動にかられ、レイナはフッと口元を微かに緩めた。

だが、相手側は思わず乱入者 を、新たな獲物に認識した。

「なんだか知らねえが、てめ えも瞬殺!!」

レイダーがシールドガンで ジャスティスに斉射し、アスランは舌打ちしながらジャスティスを加速させる。

ヴァニシングが向かってくる エヴォリューションに向かってガンバレルを放つ……それを縫い出るようにかわすと、リンは奇妙な違和感に捉われた。

(この感じ……まさか……… こいつもかっ!)

相手の機体のパイロットの存 在を感じ取ったリンは、微かに舌打ちする……これでこの場に、ほぼ全員が揃ったということになる……戦場が自分達を引き逢わせたのか…自嘲気味な笑みを浮 かべる。

「……フン、まったく滑稽 ね!」

自身に向かって吐き捨てる と、リンはエヴォリューションのドラグーンシステムを起動させる……刹那、エヴォリューションのバックパックに装備されたユニットが飛び立つ。

分離したユニットは、独立稼 動で起動し、空中に舞う。

量子通信を使用した無線操作 型攻撃ユニット:ドラグーンブレイカーだ。

縦横無尽に動き回るドラグー ンブレイカーはビームを放ちながら、ヴァニシングに襲い掛かる。

「………っ!」

その攻撃にアディンは眼を見 開き、歯噛みする。

予想もできない動きで攻撃し てくるドラグーンブレイカーの軌道を読めず、ステルスライザーのディフェンサーユニットを機体の周囲に展開し、シールド形態で防ぐ。

その動きを見て、リンはます ます確信を強めた。

「やはり……01か!」

意識を集中させ、ドラグーン ブレイカーを操作し、ヴァニシングを防戦一方に追い込む。

フリーダムはビームライフル をフォビドゥン目掛けて放つも、リフターの側面に展開しているゲシュマイディッヒ・パンツァーがビームを逸らす。

キラは歯噛みし、フォビドゥ ンはシールドを前面に掲げて迫る……フリーダムがビームライフルを放ちながら後退する。

レイナはインフィニティをゲ イル相手へと向ける。

一対一なら分がある……イン フェルノを振り上げ、斬り掛かる…ゲイルは後退し、ベルフェゴールとサイドレールガンを一斉射する。

インフィニティはウェンディ スでそれを受け止め、翼を開いてダークネスで狙撃する。

ビームの射線に曝され、ビー ムの波がゲイルの装甲を掠る。

ゲイルのコックピット内で ウォルフは不意に鳴った警告音に舌打ちした。

モニター画面には、ゲイルの ウイングリフレクターの部分が赤く点滅している。

「ちっ……とんだ試作品だ な」

軽く毒づく……本来なら、エ ネルギー充電も同時に行える設計だが、それでも今は稼動エネルギーの比率が大きい試作型バッテリーだ。

エネルギー消費の大きいビー ム兵器を抑え、ファーブニルやベルフェゴールのヒートワイヤーで応戦する。

 

 

その頃、地上ではムウのスト ライクがカラミティ相手に苦戦していた。

「ぐぅぅぅっ!!」

歯噛みしながら、ムウは回避 に徹する……こちらもIWSP装備のため、武装にそう差はないが、カラミティは全火器を所構わず斉射してくるので、なかなか反撃ができずにいた。

その時、別方向から飛来した ビームの一撃がカラミティに迫った。

それに気付いたオルガが咄嗟 に操縦桿を動かし、カラミティを跳躍させる。

爆発が起き、ムウが援軍かと 思い振り向くと、現われた機体に眼を見張った。

「バ、バスター……っ!」

遂先日まで自身が戦っていた 機体を見間違えるはずもない……確か、オーブ到着時にモルゲンレーテがアークエンジェルから回収していったはずだ。

ならば、パイロットはオーブ 軍の兵か……と考えていたムウの耳に、通信機から声が聞こえてきた。

《おい! ストライクのパイ ロット、大丈夫か!?》

少年のような声……だが、そ れに聞き覚えがあったムウはさらに戸惑った。

そして、通信が開くと…そこ には予想通りの人物…捕虜であったディアッカが赤いパイロットスーツ姿で映っていた。

「お、お前……ザフトの奴が なんで!」

思わず声が上擦る。

《ザフトは関係ねえよ、援護 してやるぜ!》

軽い口調でとんでもない内容 を答えながら、ムウは言葉を失くす。

《しっかし、ストライクのパ イロットっておっさんだったんだな……》

何気に呟いた一言に、ムウは 反応した。

「誰がおっさんだ!」

失礼な、とムウは本気で思っ た。

《だって俺から見りゃおっさ んじゃん……ま、そんな事より手を貸すぜ!》

悪びれもなくシレッと答える と、通信を切り、バスターがカラミティに砲撃を開始する。

ムウは頭を抱えそうになった が、瞬時に切り替える……昨日まで敵だった相手が隣で戦うという事態に奇妙な感覚を抱きながらも、今はその言葉を信じ、ストライクもまたカラミティに向 かって応戦し始める。

2機の攻撃に曝され、オルガ は舌打ちしながらカラミティを跳躍させ、スキュラを放って2機を怯ませる。

バックステップで着地し、ふ と空を見上げると、空中で交錯し合うMS達が見え、首を傾げた。

「なんだ…増えてる……?」

まともに動いていないような 思考で呟くと、シュラークの角度を空中へと上げ、混戦する中へと撃ち込んだ。

シュラークの砲撃は、援護す るどころか、僚機にまで着弾するような危ないものだった。

混戦の中に突如撃ち込むな ど、普通ではあり得ないことだけに、キラ、レイナ、アスラン、リンは一瞬戸惑いながらシュラークを回避するも、それに構わず4機は向かってき、ビームが過 ぎる中を激突する。

 

 

 

オーブ軍本部には、各戦闘区 域からの被害報告が届く。

連合側に与える損害も確かに 大きいが、それでなくても圧倒的な物量差は覆せず、ジリジリと不利な状況に陥っていく。

「第2防衛線、突破されまし た!」

「第6特科中隊、交信途 絶!!」

被害を告げるオペレーター達 の悲痛な声が響く……戦略パネルには、徐々に押し寄せる地球軍側のマークが表示され、カガリは焦燥感に歯噛みする。

海上の方でも、既に何十隻と オーブ艦が沈められ、アークエンジェルがなんとか持ち堪えさせているが、それでも絶望的な状況に変わりはなかった。

その時だった……空中で繰り 広げられる幾体ものMS達が交錯する情報が入ったのは。

「新たに機影2!」

突然割って入った介入者に軍 本部内に混乱が走る。

「別の連合軍機か!?」

「いや違う! フリーダムと インフィニティを援護している!」

「何者だ? データベースに は……」

「該当する機体はない! 見 りゃ解かるだろ!」

オペレーター達の困惑した報 告が飛び交う中、カガリは眼を見開いてモニターに映る真紅と漆黒の機体を見やる。

「りょ、領海沖3時方向に潜 水艦と思しき熱源!」

一人のオペレーターが叫んだ 報告に、新たな連合の援軍かと誰もが戦慄した。

「ライブラリ照合……こ、こ れは!」

データを確認していた一人が 眼を見張り、言葉を呑み込む。

「どうした!?」

じれったくなったカガリが叫 び返すと、男はハッと我に返った。

「え、SS級一番艦:ポセイ ドン!!」

その答に、誰もが驚愕し た……ポセイドンは、AA級と並んでオーブで開発された潜水母艦だ。

「ポセイドンより熱源確 認……MSです!」

「同艦より入電! 『我、こ れより援護する』とのことです!」

突然に出現した思わぬ援軍 に、絶望に支配されかけていた本部内に一条の希望が差した瞬間であった。

 

 

 

「へへ、なに遊んでんだよオ メーら!!」

興味を引かれたのか、オルガ が愉しげに笑い、バーニアを使ってカラミティを跳躍させる。

シュラークを連射し、空中で 入り乱れるMSを敵味方も関係なく撃ち込む。

それに気付いた各機は分散す る。

「邪魔すんなオルガ!」

クロトが獲物を取られまいと 叫ぶが、オルガは鼻を鳴らす。

やがて推進剤が切れたのか、 ジャンプしていたカラミティが途端に失速し、落下していくが、海上に展開していたオーブ艦のブリッジに着地し、その重量を支えきれずにブリッジが潰され、 炎を上げるも、カラミティは足場を得たと言わんばかりに上空を狙い撃つ。

「うっせぇよ!」

吐き捨てるように呟くと、空 中を飛び回る4機を掠めるようにビームが連射されるが、それは狙いをまったくつけていないため、当然ながら他の僚機にも襲い掛かる。

インフィニティがよけたビー ムがゲイルを掠め、エヴォリューションのドラグーンブレイカーを防いでいたヴァニシングが、そのビームに気付いてシールドで防ぐ。

「ちっ……これだから薬物強 化の連中は厄介なんだ」

舌打ちし、毒づくとウォルフ はカラミティの砲撃を回避する……別にカラミティを潰してもいいが、それではアズラエルから不満をぶつけられるので、遠慮したい。

そんな中、フォビドゥンがカ ラミティのビームをリフターのゲシュマイディッヒ・パンツァーで偏屈させ、軌道を逸らす……だが、それは敵機ではなくレイダーを掠め、クロトが慌てて回避 する。

「うわっ、シャニ! この野 郎!!」

睨むクロトを無視し、シャニ は口元を歪ませながらリフターを被り、中央の誘導プラズマ砲:フレスベルグを発射する。

エヴォリューションに向かっ て放たれた一撃をリンが回避すると、突然ビームが宙で射線を曲げて再度襲い掛かる。

リンは僅かに眼を見張り、デ ザイアでそれを受け止める……相手のビームを防ぐだけでなく、どうやら自身のビームも曲げるというかなり特殊な兵装を施された機体だとリンは認識する。

フォビドゥンはそのまま手に 持つ鎌を振り被り、ジャスティスに向かっていく。それに対し、ジャスティスはリフター上部のM9M9ケルフス旋廻砲塔機関砲でフォビドゥンを砲撃する。だ がリフターから延びたシールドが機体を完全に包み込み、効果がない。そこへすかさずフリーダムが飛び込み、両腰のレールガンを放つ。

連続攻撃に流石に怯み、フォ ビドゥンは後退させられる。

バランスを崩した瞬間を狙っ て下方へと回り込んでいたジャスティスが突撃し、フォビドゥン向かって蹴りを叩き込む。

態勢を崩したフォビドゥンの 陰からゲイルが飛び出し、火炎放射器でジャスティスを狙うが、回り込んだエヴォリューションが炎をデザイアで受け止め、炎を振り払うと後方から現われたイ ンフィニティがダークネスを放ち、ビームの射線に晒されたゲイルはラミネート装甲が施された腕部で受け止める…その隙を衝き、エヴォリューションは腰部の レールガンとヴィサリオンを連射し、ゲイルを弾き飛ばす。

ゲイルの後方からMA形態の レイダーが両肩から機関砲を放ち、ヴァニシングがロングライフルとビームガトリングガンを斉射しながら向かってくる。

エヴォリューションは後退 し、フリーダムとジャスティスがバラエーナ・プラズマ収束ビーム砲とフォルティス・ビーム砲でレイダーとヴァニシングを狙撃する。

2機は機動性を駆使し、攻撃 を掻い潜って懐に飛び込む……MS形態に変形したレイダーがミョルニルを発射し、ヴァニシングはビームアクスを投げ飛ばす。

フリーダムとジャスティスが 後退してそれをかわすと、レイダーとヴァニシングのコックピットにアラートが響き、クロトとアディンが空を見上げると、上空の死角からインフィニティとエ ヴォリューションが逆光を背に急降下し、反応が遅れた二人は2機が振り被ったインフェルノに斬りつけられ、弾き飛ばされた。

「こいつら!!」

オーブ艦上のカラミティが シュラークを連射するも、4機はパッと散開して回避する。

「アスラン!」

「……上!」

キラの呼び掛けにアスランが 逸早く意図を察し、鋭い声を上げながら上空を見上げる。

刹那、直上から鎌を振り上げ て降下してきたフォビドゥンの攻撃は空を切る。追い討ちの如くビームを放つフリーダム。だが、その攻撃もフォビドゥンのリフターによって曲げられる。シャ ニは鼻を鳴らすが、そこへフリーダムの後ろから分離したジャスティスのファトウムOOが太陽を背に飛来し、フォビドゥンは直撃を受け、態勢を崩す。その瞬 間を狙って回り込んだフリーダムが零距離からレールガンを撃ち込み、フォビドゥンが弾き飛ばされる。

その時、直上から出現したゲ イルがネオ・スキュラを放つ。

高出力のビームをインフィニ ティとエヴォリューションがデザイアを掲げて受け止める。

ビームを拡散させると、二つ のデザイアが火を噴き、ゲイルは被弾する。

刹那、レイナとリンがダーク ネスとヴィサリオンをお互いに向かって構える……躊躇うことなく引かれるトリガー……次の瞬間、ダークネスのビームがエヴォリューションの後方に回り込ん でいたヴァニシングを…ヴィサリオンのビーム弾がインフィニティノ後方のレイダーに直撃し、爆発する。

互いを信頼し切っていなけれ ば、間違いなく相手を殺す行為だ。

キラ、アスラン…そしてレイ ナとリンはまるで共に歩んできた戦友の如く息の合った連携を見せる。それは…敵同士として戦ってきた経験から相手の戦いの癖や呼吸を呑み込んでいるから だ。

フリーダムとインフィニティ は火力に特化し、また相手への威圧感を与えるような形状をもつに対し、ジャスティスとエヴォリューションはより高機動を重視し、機動兵器同士での戦いを考 慮して設計されている。

ジャスティスはリフターを駆 使した動きを、エヴォリューションは全身に備わったバーニアとマグネットコーティングを生かした高速戦闘を……フリーダムは火力と機動性を、インフィニ ティは多彩な火器とウェンディスを駆使し……そして、4機はともに飛行能力を有し、インフィニティとエヴォリューションは2体で行動することを前提に設計 されている。

そして……キラとアスラン… レイナとリン……互いに敵として戦い合った者達が肩を並べて戦う今……この4機に秘められた抽象的な思いは一つとなった。

 

 

―――――自由と正義……

―――――無限と進化………

 

 

それぞれが託された機体に与 えられた意味……その意味を自ら問い、そして自らの意志で戦う………

それこそが、本来の在るべき 姿とでも言うように………

 

 

 

連合の新型特機5機が4機に 気を取られた間に、オーブ軍は体勢を立て直し、上陸してきたダガー部隊の掃討に当たる。

ストライクとバスターが苦戦 するM1隊の援護に向かう。

ストライクがレールガンと ビームライフルを斉射し、ストライクダガー数機が爆発する。

直系の後継機を倒すその姿 は、まるで自身の間違った分身を倒すようだ……怯むダガー隊に向かい、バスターがガンランチャーと収束ライフルを合体させ、対装甲散弾砲として広範囲に放 つ。

ビームの雨が降り注ぎ、スト ライクダガーが一斉に爆発する。

そして、ディアッカはモニ ターに映ったアークエンジェルに群がる戦闘機部隊に気付くと、バスターを跳躍させ、ミサイルを全弾発射する。

縦横無尽に放たれるミサイル が戦闘機に着弾し、空中に爆発の火花が咲く。

「グレイトッ!」

したり顔で意気込むディアッ カは、コックピットに響くアラートに息を呑む。

眼下に、こちらをロックオン するストライクダガーが映る……ジャンプ中は一番無防備な状態だ……歯噛みするディアッカの前で、ストライクダガーは後方に回り込んだストライクが対艦刀 でコックピットを貫く。

機能を失い、膝をつくストラ イクダガー。

「おい、あまり油断する な!」

「わりぃ、助かったぜおっさ ん!」

叱咤するムウに対し、ディ アッカは親指を立てるが、またもやおっさん呼ばわりされてムウが表情を顰める。

「だから俺はおっさん じゃ……っ!」

訂正しようと怒鳴ろうとした 瞬間…ビームが飛来し、ストライクはシールドで受け止める。

海岸からは、まさに蟲の大群 の如くストライクダガーが群がるように上陸してくる。

「ええい、これ以上は!」

軽く舌打ちし、ビームをシー ルドで防ぎながらストライクが飛翔する。

「数だけいたって!」

ディアッカも軽く毒づき、 ビームの中にバスターを突撃させる。

だが、バスターの行動は無謀 すぎた……いくら初期Gの中でも重装甲を誇るとはいえ、ビームの応酬を受けては一溜まりもない。

ガンランチャーと収束ライフ ルを駆使してストライクダガーを撃ち抜いていくが、ストライクダガーはビームサーベルを抜いて接近戦を挑んでくる。

「うおっ!」

振り下ろされるビームの刃を 寸ででかわす……接近戦の対処手段を持たないバスターでは、懐に飛び込まれてはいくらなんでも分が悪い。

ストライクダガー数機がビー ムサーベルを振り上げ、一斉にバスターに襲い掛かろうとした瞬間、上空から降り注いだビームがストライクダガー一機を撃ち抜いた。

ディアッカが驚いて顔を上げ ると、そこには上空から迫る2体のMSが見えた。

シグーを思わせる機体ともう 一機は、ディアッカには忘れられない機体だ。

「ブリッツ……!」

思わず言葉を失くす……若干 形状は違うが、あの機体は戦死したはずの年下の同僚の機体だ……混乱するディアッカの前で、フライトユニットを装備したオレンジ色のシグーがビームライフ ルを連射し、ブリッツビルガーは新たな左腕に装備されたトリケロスUの3連装ビームキャノンでストライクダガーを狙い撃ち、両腰に帯刀された対艦刀を抜い て直上からストライクダガーを両断する。

その姿を眼を見開いて見てい たディアッカは思わず通信回線に叫んだ。

「おい! ブリッツ……誰が 乗ってるんだ!」

上擦る声で問い掛けると、さ らに驚く声が返ってきた。

「ディアッカ!? ディアッ カなんですか!?」

ブリッツビルガーのコック ピットで、ニコルもバスターに搭乗していた相手に眼を見開く。

「ニコル? お前ニコルか!  生きてたのかよ、お前!?」

「ディアッカ…貴方こそなん で、オーブにいるんですか!?」

互いに混乱していて、まった く意思の疎通ができていない……まあ、かたや死んだと思っていた同僚と何故ここにいるのかが理解できていない元同僚……それがいきなり鉢会えばこうなるだ ろう………

「おいおい…ディアッカなの か……」

二人のやり取りを聞いていた シグーからも通信が開き、ディアッカはさらに喉を詰まらせる。

「いいっ! ミゲル! お前 も生きてたのかよ!」

「もは余計だ! 混乱するな と言うのは無理だと思うが、取り敢えず今はこの状況をなんとかする方が先だろ! 話は後だ!!」

流石にこういう事態に慣れて いるミゲルは冷静に嗜めると、シグーを駆ってストライクダガーに向かい、シールドに帯刀する重斬刀でストライクダガーを叩き斬る。

「…ディアッカ! とにかく 訳は後で説明します…今は!」

ニコルが決然とした表情で告 げると……その以前のニコルとのギャップを感じ、ディアッカは一瞬呑まれそうになったが、すぐに自身の決意を思い出し、表情を引き締めた。

「おっし! 遅れるなよ な!」

「解かっていますよ!」

もう二度と叩けないと思って いた軽口を叩きながら、ディアッカが軽く笑みを浮かべ、ニコルもまた半ば苦笑するように答えた。

バスターとブリッツビル ガー……離れ離れとなっていた機体が再びその肩を並べて戦場を駆け抜ける。

長距離戦のバスターがミサイ ルを放ち、相手の足並みを乱す……その瞬間を狙い、ブリッツビルガーはミラージュコロイドを作動させてその姿を周囲に同化させる。

完全なステルスに入ったブ リッツビルガーを、通常のセンサーでは索敵できず、ストライクダガーのパイロット達は戦々恐々しながら動きが鈍る。

敵の姿が見えないというの は、相手に心理的圧迫を与える……刹那、ストライクダガー一機が虚空から銃弾の応酬を受け、爆発する。

ほぼ間近から姿を見せるブ リッツビルガー……右腕に新たに装備されたクレイプニールに代わる新たな武器…ビートクラッシャー:スティンガーを発射する。

伸びるそれは、大きくクロー を拡げ、ストライクダガーの頭部を掴み、ブリッツビルガーがそれを引き寄せると、頭部がボディから捥ぎ取られる。

スティンガーを引き戻すと、 ブリッツビルガーはそのままトリケロスUを放つ。

ミゲルのシグーもまた簡易強 化を施されたとは思えないほどに奮戦を見せている。

飛行できないストライクダ ガーに対し、空中からビームライフルを連射し、見事に一撃でしとめていく……元々、ビーム兵器は一撃必殺の貫通兵器……狙いさえよければ一発で相手をしと めるのも容易なのだ。

瞬く間に周囲のストライクダ ガーが一掃されていった。

 

 

海上で繰り広げられる艦隊 戦……オーブ艦がまたもや炎を上げ、轟沈する。

数を徐々に減らし、物量にも のを言わせた連合艦隊がジリジリと追い詰めていく。

アークエンジェルがオーブ艦 隊の前面に立ち、ゴッドフリートの応酬でなんとか防いでいる。

「取り舵20! 左の艦隊を 潰す!」

ブリッジで必死に声を張り上 げる……先日のアラスカ戦を彷彿させるが、今度はもはや護るものが違う。

「ゴッドフリート、撃 てぇぇぇ!」

ビームの奔流が連合艦の船体 を貫き、爆発する……自分達の恥部を掻き潰すようにアークエンジェルに連合艦が砲撃を集中させてくる。

「回避!」

ミサイルの嵐を船体を傾けて よけるも、目標を逸れたミサイルが海中で爆発し水柱をあげ、船体をビリビリ震動させる。

その他のミサイルをイーゲル シュテルンの弾幕で撃ち落す……だが、先程から数えてもいないが多くの連合艦を撃沈させたが、数がまるで減ったように感じない。

明らかに不利な戦いにマ リューが歯噛みする。

「マーク3、αに敵艦!」

CICからトノムラの報告が 飛ぶ……回り込むように数隻の連合艦がアークエンジェルに向かって砲台をロックオンする。

クルー達が衝撃に備えて身構 えた瞬間、突如連合艦が炎に包まれた。

「え……?」

呆気に取られるクルー達…… その時、サイが上擦った声を上げた。

「2時方向…潜水艦と思しき 熱源………ライブラリ未登録!」

怪訝そうな表情を浮かべるマ リュー達だったが、モニターには、水中から姿を見せる特徴的な潜水艦の上部が姿を見せる。

「未確認艦より通信!」

ミリアリアが報告すると、ブ リッジの正面モニターに一人の青年が映った。

《こちら、SS級一番艦:ポ セイドン……自分はTFの指揮官、キョウ=クズハ! これより貴艦を援護する!》

通信を入れたときと同じよう に唐突に通信を切り、マリューは一瞬困惑する。

(TF……あのTFなの!?  それに……クズハ……?)

TFという名称は、マリュー にも聞き覚えがある……だがそんな事よりも引っ掛かったのは先程の青年のファミリーネーム……

レイナと同じ……逡巡に耽っ ていたマリューは、艦に響いた衝撃でハッと我に返る。

そうだ……余計なことを考え ている場合ではない……今は眼前の戦闘に集中しなければならない。

「ゴッドフリート、バリアン ト照準!」

指示を出しつつ、マリューは 連合艦に向かっていくアークエンジェルに似た潜水艦を横眼で見やるのであった。

 

海上に浮上したポセイド ン……そのブリッジで、キョウは毅然と眼前の連合艦を見据える。

「主砲照準! 目標、ブルー β、連合艦…主砲発射後、MS発進、魚雷発射管全門装填!」

的確に指示を出し、オペレー ター達は迅速に処理していく。

艦前部の側面ハッチが開き、 巨大な2連装の砲身が姿を見せる……ポセイドンの主兵装:セイレーンだ。ゴッドフリートには僅かに劣るものの、その威力は絶大だ。

「撃てぇぇぇ!!」

キョウの号令が響いた瞬間、 セイレーンが火を噴き、2隻の連合艦の船体を貫いた。

「目標、沈黙!」

「MS各機、スクランブル願 います!」

ポセイドンの船体下部に設置 された海中への発進口が開き……その中にはMSの機影が映る。

《マルコ=モラシム……出る ぞっ!》

モラシムのゾノが先陣を切 り、勢いよく発射される……それに続くようにグーンが発進していく。

「MS隊、展開!」

「アクト2から4まではアク トリーダーの指示に、アクト5から9までは艦の援護をお願いします!」

ポセイドンの周囲にはジン・ ワスプが取り囲み…防御を固める。

「魚雷発射管、1番から7番 発射! 8番から12番は他を牽制!」

ポセイドンの艦首に4門と船 体左右に4門ずつ備えられた魚雷発射管が開き、魚雷を撃ち出す。

海中を矢のように尾を引きな がら突き進む魚雷が連合艦の底部に着弾し、底部の浸水によって沈没する。

突如として現われたポセイド ンに連合側は動揺する。

その隙を衝き、接近するMS 隊……モラシムのゾノが海中より飛び出し、連合艦の甲板に飛び乗り、艦橋を潰す。

海中から姿を見せたグーンが 魚雷で連合艦の艦橋や主砲を撃ち砕く。

戦闘機隊がMSを排除しよう と迫るが…モラシムは鼻を鳴らしてゾノのフォノンメーザーで撃ち落す。

刹那、海中から鋭い攻撃が轟 き、モラシムは咄嗟に操縦桿を捻り、ゾノを跳躍させ、海中に潜水する。

潜水したゾノの前に、ユラリ と姿を見せるフォビドゥンブルー……

「よくもやってくれたね…… どこのどいつか知らないけど、その機体であたしの邪魔をするなんて、いい度胸だよ!」

眼前のゾノはIFFで確認で きないが、それでもザフトのMSである以上、ジェーンの憎悪を掻き立てるには十分であった。

かつて、属していた海軍をモ ラシム率いるMS隊に全滅させられ、唯一人生き残ったジェーンはザフトを憎み、またモラシムのという敵を憎んだ。

その眼前のゾノのパイロット が当のモラシムであることを、ジェーンには知る由もないが……

モラシムもまた、眼前に立ち 塞がったMSにやや眼を細めた。

「ほう……地球軍の水中MS か………」

甲羅を背負った特殊な形状 に、手に持った槍を思わせる武器……中央の機体だけが、周囲に展開する機体とやや細部が異なる点から、それがリーダー機であることを見抜く。

「私が中央の機体をやる…… お前達は2機で行動しろ!」

叫ぶや否や、パッと散開す る……モラシムのゾノがジェーンのフォビドゥンブルーと激突し、グーンが2機編成でディープフォビドゥンにぶつかる。

フォビドゥンブルーがリフ ターに装備された超音速魚雷を発射する。

ゾノはそれをヒラリと回避 し、フォノンメーザー砲を放つ。フォビドゥンブルーは耐水圧用のゲシュマイディッヒ・パンツァーを展開して受け止める。

防ぎ、リフターの前面を開く と、そこにはゾノが真正面に迫っていた。

そのままクローを突き立て、 フォビドゥンブルーを弾き飛ばす……能力的には劣るが、格闘戦に関してはゾノの方に分がある。

「このっ!」

怒りに駆り立てられ、ジェー ンは魚雷とリフター上部に装備されたフォノンメーザーを斉射する。

だが、あまりにセオリー過ぎ るその攻撃は、モラシムには通じない。

「あまいなっ!」

ゾノの機動性を駆使し、その 攻撃を掻い潜りながら下方から急接近する。

超音速魚雷は海中で最速を誇 るが、逆に真っ直ぐにしか進めないという弱点もある……発射するタイミングさえ見極められれば、回避するのは容易い……だがそれも、長く水中でのMS戦闘 経験を持つモラシム故だが……

クローを振り上げ、またもや フォビドゥンブルーを弾き飛ばす。

コックピット内でジェーンは 衝撃に呻く……水中機動試験型のフォビドゥンブルーは制式機のディープフォビドゥンに比べて装甲が脆弱な部分がある。

加えて、水中での格闘戦を誇 るには桁違いの出力を有する……その重い一撃を何度も受けては流石に機体がもちこたえられない。

だが、ジェーンには諦めると いう選択肢はない。

「舐めるなぁぁぁっ!!」

怒りにかられ、フォビドゥン ブルーは無謀にも接近戦を仕掛けようとリフターのスパイクを構える。

「その度胸、褒めてやる ぞ!」

相手の気概が気に入ったの か、モラシムも笑みを浮かべて真正面からぶつかった。




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