第1部   〜動き出す運命〜

 

 

 

 

第2話 悲しみを乗り越えて

 

 

その日は天気が悪く昼間だという のに夜のような暗さだった。

 

まるで何かが黒雲を呼んでいるよ うなそんな感じがして仕方なかった。

 

そんな日は・・・けしていいこと は起こらない。

 

 

 

 

 

 

 

東京にある古びた寺

 

 

僧も誰もいないのだろうか、寺の 敷地内は荒れ果て周りの木々は不気味さを寄りいっそう際立たせていた。

 

そんな寺の入り口に3つの影が あった。

 

2人は女性、もう1人は人間でな く2人の女性の間を飛ぶ蝙蝠の羽をつけた生き物だった。

女性2人はまだ高校生くらいだろ うか。

 

1人は小さく身長は150ほどで 巫女の服装をした服装。長い髪を後ろでまとめまるで日本人形のような美しさ、左手に持つ日本刀が印象的である。

 

もう1人は背が高く180はある かという長身、服装は黒の皮ズボン、上はインナースーツに肩までしかないジャケットのようなものを着ている。長い髪を後ろに回して、少し大人びた顔。手と 足にはそれぞれプロテクターを見に付けていた。

 

2人は寺の前に立つと表情を険し くし、目の前に扉を見る。

 

「・・・話を聞いて警戒はしてい たけど、思っていた以上ね」

 

「確かに聞いていたより妖気が強 いですね」

 

2人は寺の敷地内に入る。足を踏 み入れると妖気の強さは入り口から感じる妖気の倍近くになった。

 

2人は顔をしかめた。普通の人が この場にいたらどうなるだろうか。

 

「これじゃ、私たちがこの場に回 されるのも納得するわね。神城、気分悪いなら帰っていいわよ」

 

「そちらこそ、無理してこの場に いることはないですよ。杜崎先輩」

 

長身の女性、杜崎沙弓の言葉に、 小柄な女性、神城凛が答えた。

 

杜崎家と神城家、どちらも妖魔退 治を行っている歴史ある名家の家である。

 

だが商売敵のせいかお互いに仲が 悪く付き合いなどほとんど無に等しい。

 

そんな中で沙弓と凛、そして双方 の当主は別だった。

 

それぞれ間に入って中を取り持っ てくれる共通の存在がこの2組にはあった。

 

式森家、その歴史は長く1000 年を軽く超えるといわれている。陰陽師である安倍晴明で有名な安倍家、加茂家、精霊術で名の高い神凪家、石蕗家、そのほかにも歴史ある名の高い家とも昔か らつながりのある名門である。だが表には出てくることなく、主に裏でその名を馳せていた。

 

双方の当主の間に立つもの、現当 主と最長老、式森源蔵とその父、式森源氏という存在。

 

沙弓と凛の間に立つもの、次期当 主、式森和樹。

 

この3人の存在が4人の間にはと ても大きな存在となっている。

 

お互いの蟠りを取り去り手と手を 取り合える存在としていた。

 

「家のことで仕事を手伝えって言 われたから仕方なかったけど何考えているのかしら」

 

家のことでいきなり父から電話が ありいきなり仕事をしろといってきた。沙弓は最初断っていたが仕事をしたら当分何も文句は言わないと説得され仕事を引き受けたのだ。

 

「こちらも、親戚一同がうるさい からと言ってきました」

 

凛も同様に親戚一同がうるさく、 同じような理由で仕事を引き受けることとなった。

 

元々、家の人が行っていたのだが 退治することができず、自分達に尻拭いが回ってきたといっていい仕事であった。

 

「たく、そんなに家の名誉が大事 なら自分達がもっと強くなれって言うのよ。ろくに修行もしないで自分達は弱いとか決め付けて仕事から逃げてるんだから」

 

「同感ですね」

 

2人は寺の扉の前に立つ。そして 無駄口はそこで止まった。

 

「この中ね」

 

「それは間違いない感じだ が・・・」

 

「神城も・・・何か違和感があ る・・・」

 

「はい」

 

2人は慎重に扉の入り口の横へと 立つ。沙弓は手甲を胸の前で合わせる。凛も鞘から刀を抜き戦闘体勢へと入る。

 

「・・・鋼拳砕裂」

 

「剣鎧護法」

 

沙弓の手甲と凛の刀が輝きだす。 魔法を使ったのだ。

 

2人は扉を蹴り破り本堂の中へと 入る。背中合わせになり中を探る。

 

「誰かに見られている」

 

「場所は・・・わからないわね」

 

明らかに見られているがそれがど こだかわからない。その視線は好意ではなく間違いなく殺気であった。

 

『!!?』

 

2人が同時に動く。先に凛が気配 のあったところを斬り裂き、沙弓が合わせたように拳を放つ。

 

だがその攻撃は空を切った。

 

「・・・手応えなし」

 

「同じく」

 

間違いなくそこに何かが存在した はずであった。

 

だがその存在は2人が攻撃しよう とした瞬間に四散した。

 

その瞬間何かが沙弓に向かって飛 んできた。

 

「ハァッ!」

 

拳を繰り出し飛んできたものを粉 々に砕く。凛も自分のほうに飛んできたものを斬り落としていった。

 

そして自分達に向かってきたもの を確認する。

 

「・・・壺?」

 

「こちらは箱です」

 

「別に妖気も感じないし・・・こ の奥か」

 

「そのようですね」

 

凛は刀を正眼に構えて妖気を探っ ている。

 

刀は奥の部屋へと向けられたとき 一番反応が強くなった。

 

「行くわよ」

 

2人は奥へと進む、途中色々なも のが自分達に向かって飛んできた。近くに置かれているものは全てが凶器となって向かってきた。

 

お互いに死角を作らないように飛 んでくるものを次々と破壊していく。それぞれの武器の欠点を補うような形で2人は動く。一朝一夕では得ることのできないような連携の取れた動きだった。

 

奥の部屋に着くと2人は扉の前に 並ぶ。

 

「私が先に入る」

 

「じゃあ、扉を破るからタイミン グ合わせてね」

 

沙弓はそう言うと扉を蹴り破っ た。同時に部屋の中へと凛が飛び込み刀を構える。

 

その場にはお約束の如く鎧武者が 置かれていた。そして鎧武者がゆっくりと動きだした。

 

「鎧から・・・いや、違うわね」

 

凛の後ろを護るように中に入って きた、沙弓が言う。

 

鎧武者は動いてはいるが、そこか ら感じる妖気は微々たる物でしかなかった。

 

「でも向かって来るなら倒さなく ちゃね」

 

「そうですね」

 

2人は鎧武者へと向かう。凛は上 段から刀を振り下ろし鎧武者の右腕を斬りおとす。同時に沙弓は鋭いローを足へと叩き込んで鎧を砕いた。

 

武者はバランスを失いその場に倒 れこんだ。

 

「あっけないわね」

 

「これもさっきまでと同じような ものなんでしょう」

 

壺や箱と同じでただ自分達へとぶ つかって来るだけの物。

 

「この部屋が怪しいんだけ ど・・・神城後ろ!」

 

キィッーン!

 

凛は沙弓の声と同時に刀で何かを 防いだ。だが力を流すことができず手が痺れる。

 

「鎧武者・・・腕と足が元に戻っ ている」

 

鎧武者は2人に攻撃されていたは ずの所が元に戻っていた。腕は斬られたとは思えないようにしっかりと刀を握り凛と鍔迫り合いをしている。

 

足は砕かれたとは思えないほど しっかりと地面を踏みしめていた。

 

凛は後ろへ飛ぶと刀を掻い潜って 下段から鎧武者の左腕を斬りおとす。さらに背中に回ると右腕を斬りおとした。

 

追い討ちをかけるように沙弓の鋭 い上段回し蹴りが武者の頭を粉砕した。

 

そのまま武者は倒れこんだが、2 人は次の瞬間驚愕の表情を浮かべる。

 

「元に戻っていく」

 

斬られた両腕は再びくっ付き合 い、粉砕された粉々になった頭もあっと言う間に元へと戻った。

 

「誰かが操っているの?」

 

「しかしこの部屋には誰もいませ ん。それにもし操っているなら鎧武者から何かを感じるはずです」

 

「でも感じるのは・・・」

 

「この部屋から・・・」

 

2人は鎧武者を操っている正体が わかった。

 

「なるほどこの部屋自体が鎧武者 を操っているのね」

 

「だから鎧武者をいくら斬っても 意味が無い」

 

2人は同時に動き出した。

 

さっきを感じ取ったのか鎧武者や 家具類が飛んでくるが2人を止めることはできない。

 

『ハアッ!』

 

凛の刀が柱を切り倒す。沙弓の拳 が壁を砕いた。魔力の込められた刀と拳は屋敷が崩れ落ちるまで止められることはなかった。

 

30分後、屋敷のあった場所には 斬り裂かれ、粉々に砕かれた柱や壁だったものの残骸だけが残っていた。

 

「屋敷自体が妖気の塊だったわけ ね」

 

「だから妖気の出所を一点に集中 することができなかった」

 

2人は残骸の山と化した寺のあと を見る。

 

「これで終わりね」

 

「そうみた・・・」

 

凛の言葉が止まる。妖気が一点に 集まりだし残骸の中から何かが現れてきた。

 

「・・・鎧武者」

 

その妖気の出所は鎧武者だった。

 

寺が破壊されたため集まる場所の なくなった妖気が鎧武者へと集まったのだ。

 

『グアアアアアッッ!!』

 

鎧武者は咆哮しながら2人へと斬 りかかる。さっきと打って変わって鎧武者の強さは比べものにならなかった。

 

凛は刀で鎧武者の斬撃を止めるが 力負けして後ろへと飛び威力を消す。それを追おうとした鎧武者に沙弓が蹴りを放った。

 

鎧と手甲のぶつかる金属音が響き 渡る。先ほどと違い鎧が砕けることはなく逆に圧縮された妖気で強度を増した鎧の硬さに沙弓の手のほうが痺れた。

 

「ヤァッ!」

 

刀を振るったような回し蹴りが鎧 武者へと迫る。風を切り裂き音が鳴る。

 

 

ガゴンッ!

 

 

鎧が音を立て凹む。

 

「タアッ!」

 

さらに凛が鎧武者の肩を斬り裂い た。

 

だがその場所は白い煙を上げなが ら再び修復される。溢れんばかりの妖気が鎧武者の傷を癒していく。

 

「嫌いね、ああいうのは」

 

「私も同感だ」

 

再び2人は鎧武者に向けて構えを とる。その2人の表情には諦め文字は浮かんでいなかった。

 

「相手の強さは・・・ベヒーモス までは行かないけど、回復する」

 

「斬れるだけ斬りますからあとは お願いします」

 

「溜めの時間5秒弱くらい作れれ ばいいから」

 

「わかりました」

 

凛は沙弓の前に立つと目を閉じ、 ゆっくりと刀を正眼に構える。

 

刀身が輝きだし今までで一番強い 光を放つ。その集中力は凄まじい間のである。凛の額からは汗が流れ出し、髪が顔へと付くがそれを掃おうともしない。

 

『グオオオオオオオッッッ!!』

 

鎧武者が凛へと斬りかかる。目を 開くと凛は鎧武者の斬撃を受け止め・・・いや、刀をそれ以上の斬撃で真っ二つにした。

 

「リャアアアアアアア!!」

 

さらに刀を止めることなく、鎧武 者を光り輝く斬撃が斬り裂いていった。最後に上段から鎧武者を真っ二つにすると凛は刀を鞘へと納める。

 

斬られた部分を修復しようとする 鎧武者に拳の雨が降りそそいだ。

 

「龍撃拳」

 

凛が武者の相手をしていた5秒 間、沙弓の両拳には光り輝く龍のような形が出来上がっていた。その拳で鎧武者にラッシュをかける。凛が斬り刻んだ鎧武者を沙弓の拳がさらに粉々に砕いて いった。

 

次の瞬間鎧武者から何かが飛び出 した。髑髏のような姿をした妖魔が2人の攻撃に耐え切れなくなり飛び出したのである。

 

寺に在った妖気は鎧武者の中で1 つの形となり妖魔と化したようである。

 

髑髏は大口を開けて2人に迫っ た。もしあの口にくわえられたら人間なんてひとたまりもない。

 

体力的に限界の2人には相手が悪 い。

 

それでも立ち上がって構えをとる 2人の前に影が舞い降りた。

 

 

 

「青龍波」

 

 

 

その影は向かってくる髑髏に向け て青龍を放つ。

 

『ギャアアアアアアアア アッッッッ!!』

 

青龍は咆哮しながら髑髏と正面か らぶつかると髑髏を突き破り妖気全てを消し去った。

 

妖気が消えたことを確認すると影 は沙弓と凛のもとへと歩み寄る。2人は地面に膝をついて肩で息をしていた。

 

「・・・立てるか、2人共?」

 

2人はゆっくりと立ち上がった。

 

だがどこか顔が膨れているような そんな感じである。もし2人のファンが見たらその表情にノックアウトしそうな感じの表情である。

 

「今日は手を出さないって約束 だったはずだけど、レオン」

 

影、レオンは苦笑しながらも答え る。

 

「確かに手は出さないといった。 だが危なくなったら助けるとも言ったはずだが」

 

「それはそうだが・・・」

 

「あれだけの力を使ってあの妖魔 と戦うのは危険だ。確かにまだ戦えただろうが、倒すだけの力は無いだろう。それに、仕事の依頼は悪霊退治だった、妖魔退治なら私が出ても文句は無いだろ う」

 

2人はレオンの言葉に納得する。 確かに今の自分達の力であの妖魔を倒すのは無理だ。体力的に限界に近い状態である。

 

「次に戦うときに倒せるようにな ればいい。まだ2人は伸びる要素があるんだからな」

 

2人はしぶしぶ頷く。

 

仕事が2人でやると決まり和樹が レオンを護衛につけてくれたのだ。

 

今日以外のときも自分達が仕事に 行くときにはレオンが護衛について着てくれている。

 

仕事としては危なくなったら助け るという内容である。

 

2人も自分の力で妖魔退治をする ので7割近くレオンはその場で見ているだけである。

 

そして退治が終わった後に悪かっ た点などをレオンからアドバイスを受け修行するという形を取っている。

 

そのおかげか、2人の力はここ最 近で各段にレベルが上がった。特に凛は剣術の腕も上がって来ている。

 

和樹たちに出会ってからの成長は 驚愕に値するだろう。

 

「凛は特に剣術の腕が上がって来 ている。今の調子で行けばまだまだ伸びるな」

 

「そ、そうか・・・」

 

レオンに剣の腕を褒められ顔を 真っ赤に染める。凛にとって一番嬉しいのはレオンに褒められることであった。その言葉を聞くとなぜだかさらにがんばろうと気になる。

 

「・・・晴れてきたな、そろそろ 帰るか?」

 

今まであった邪気は消え、心地よ い風が吹いて来ていた。雲の間から光が差しこんでくる。

レオンの青く長い髪が風に靡いて 揺れる。

 

その姿を見た沙弓と凛は顔を真っ 赤にした。

 

レオンの絵に描いたような美し さ、その姿は何時間見ていても厭きないと思えた。見た人誰もがその姿に言葉を失うだろう。

 

特にレオンに恋心を抱いている2 人にとってレオンの今の姿は反則であった。

 

写真を取って一日中眺めていたい と心から思っていたりする。

 

だが2人の心に気づいていないレ オン。

 

2人の恋は前途多難である・・・

 

(いい風だな・・・精霊たちが 踊っているようだ・・・)

 

風を体全体で受けレオンは風と一 体になったような感覚を覚える。

 

レオンの体を光が包み込むと光は 小さくなりいつものレオンへと姿を戻した。

 

「ふぅ・・・疲れた・・・」

 

シリアスモードは疲れる。だが人 間体になったときのレオンは、動物状態のオチャラケの反動か、クールな状態になってしまうのである。

 

そんな所も沙弓と凛はまたいいと 思っていたりするがそれを知るのは本人達以外いない。

 

3人はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労様、でどうだった?」

 

3人は寮に戻ると和樹の部屋へと 集まる。仕事の後の反省会みたいなことをするためである。

 

レオンが2人に良い点、悪い点を いい、今後どのような修行をするか決めたりする。

 

「凛のほうは剣の腕が上がってき てるからいい感じだよ。沙弓のほうも『鋼拳砕裂』をものにしてきたんじゃないかな」

 

凛は和樹たちに剣術を教えても らっている。

 

本家にいたころとは違い、伸び伸 びと剣を振るえるおかげなのかそれほど多くの時間修行していないのに剣の動きに曇りはない。

 

むしろ、本家にいたときより成長 速度が速いと言えた。神城という呪縛からとき放たれたような感じである。

 

沙弓も新しい技を取り入れてい る。

 

 

 

『鋼拳砕裂(コウケンサイレ ツ)』

鋼のような拳で相手を砕く。魔力 をプロテクター(拳)に圧縮して放つことで今までの倍以上の威力で拳を振るうことができた。

 

 

 

和樹が沙弓に進めたところ本人が 気に入ったため、現在、技の会得するために奔走中なのである。

 

だがこの技はまだまだ未完成で今 回みたいに誰かと組んでいたりするとき以外ではまだ実戦では使わない。集中力がかなり必要な技であり、まだなれていない技であるため命を落としかねない危 険な状況で使うにはまだ早い技であった。

 

「のんびりしていると、2人に追 いつかれるかもしれないな」

 

千早がそんなことを呟いたが、2 人は絶対にありえないと心の中で突っ込みを入れた。

 

「まあ、良い感じで伸びている ね。体に負担がかからないように確実に伸ばしていこう。無理に修行しても体を壊しちゃ仕方ないしね」

 

和樹は2人にそう言う。そして自 分にも・・・

 

2人はその後自分の部屋へと戻っ ていった。レオンとカイは散歩へと出て行く。

 

和樹は窓のサッシのところに座り 吹いてくる風を肌で感じている。その横では千早も優しく吹いてくる風を肌で感じていた。

 

「気持ちいい風だな・・・嫌なこ となんて全部忘れちゃいそうだな」

 

「和樹君・・・」

 

千早が優しい声で和樹に声を掛け る。

 

「大丈夫だよ、千早」

 

心配そうな声で話しかける千早に 和樹は笑って答える。だが千早はその言葉の後ろにはどこか苦しそうな、無理をしているような感じがしてならなかった。

 

「無理しないでいいんだよ」

 

「・・・大丈夫だよ。いつまでも 悲しんでなんていられない」

 

和樹は立ち上がり窓から身を乗り 出す。

 

「僕はもう散々悲しんだ。涙も流 した」

 

千早は黙って和樹の言葉を聞く。

 

「いつまでも落ち込んでいても絶 対に彼女は戻ることはない・・・・・・だから僕は乗り越えなくちゃいけないんだ」

 

「和樹君・・・」

 

「もう彼女みたいな人を出さな い。出したくない。考えは甘いかもしれないけどそれでも僕はもうだれも失いたくない」

 

和樹は手を握り胸に当てる。

 

「そして僕自身も・・・僕は1人 じゃない」

 

「・・・そうね」

 

千早は後ろから和樹を抱きしめ る。

 

「私も、レオンも、カイも、みん ないるからね」

 

何度も辛いことを経験している。 その度に和樹は強くなった。そして今もまた・・・

 

人は辛い経験を乗り越えて強くな る。和樹は自分の中に眠るもう1つの魂と共に再び戦う。

 

 

 

・・・・・・自分を信じてくれる 人たち、自分を支えてくれる人たち・・・・・・

 

 

 

・・・・・・自分にしかできない こと、自分ができること・・・・・・

 

 

 

・・・・・・最強の炎は和樹に力 を与える・・・・・・

 

 

 

     ・・・・・ 己の道を進ませるために・・・・・・

 

 

 

 

 

 

あとがき

『まぶらほ』と『風の聖痕』のパ ロディーだって言うじゃな〜い・・・でも作者、これ『まぶらほ』だけしか書かれていませんから、残念!

聖痕を書きなさい、斬り!

どうも式神侍、レオンです。とり あえず、すみません。次は和麻が出てきます。パロディーになります。和樹に何があったかは、これからの話で明らかになっていきます。後々大きな意味を持つ こととなるのだそうです。

とりあえず続きを楽しみにして 待っていてください。

レオンでした!



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