第12話 帰郷

 

 

和樹たちは、実家に向かうために 電車のホームに集まっていた。が、そこにはなぜか葵学園の保健教諭、またの名をマッドティーチャー、解剖の神こと紅尉晴明がいた。

 

「何で先生がいるんですか?」

 

「式森君の祖父である式森源蔵と は昔からの仲でね。少し顔を出しておこうと思ったというわけだよ。ついでに私が引率ということで君達は課外授業ということになっている。少しは感謝してく れたまえ」

 

夕菜の質問に答える紅尉、なぜか とてもうれしそうである? さらに、千早に抱えられているレオンもなんだかうれしそうだ。というよりも紅尉お前本当に歳いくつ何だ?

 

夕菜が疑問に思っていると千早が 理由を言った。

 

「本当は和樹君のお母さんの料理 が目的でしょうきっと、私も和樹君のお母さんから料理教わったけど、あの味はなかなか出せない味なのよね〜」

 

ビクッ! 紅尉の肩が反応した。 どうやら図星のようである。

 

「そろそろ乗りましょうか?」

 

凛が時間を見ながら言った。

 

「あ、ちょっと待ってもう1人来 るから」

 

「「?」」

 

凛と夕菜は誰だかわからないらし いが、他の4人は知っているようだ。

 

「誰ですか?」

 

「夕菜は知っていると思う・・ あ、来た、来た!」

 

「・・・どうやら、私が最後だっ たみたいね」

 

そう言って、来たのは千早の親友 であり、和樹と夕菜のクラスメートである杜崎沙弓だった。

 

「杜崎さんどうして!?」

 

「杜崎家の者ですか?」

 

2人は驚いたようである。他の4 人は何を今更といった感じだ。

 

「杜崎さんにも話したら修行に参 加させてくれって言うからさ・・・」

 

「足手まといにはならないから大 丈夫よ!」

 

「まあ、話は新幹線の中で話す よ」

 

ちょうど良く電車がホームに入っ てきた。

 

 

 

 

 

 

和樹の説明だと沙弓は千早と親友 でそれを通して和樹とも仲良くなったらしい。

 

もともと杜崎家は魔物退治を行っ ていたので和樹も沙弓のことは大体知っていたので、和樹ともすぐに仲良くなることができた。

 

後で分ったことだが、沙弓の父で ある杜崎竜一は和樹の祖父である源蔵に武術を習ったこともあったらしい。

 

「久しぶりに帰るなそういえ ば・・・」

 

「ゲン爺に電話したんでしょ!  なんて言ってた?」

 

「う〜ん、『頼みたいことがある から明日帰るね』って言ったら電話の向こうで飛び跳ねてるみたいだったから元気なのは間違いないなぁ〜」

 

(でも、なんであんなに喜んでい たんだろ?)

 

「早く会いたいなぁ〜、ゲン爺 に!」

 

「私もお父さんから伝言頼まれて るから、元気そうで何よりね!」

 

「絶対婚約お認めさせてみせま す」

 

闘志を燃やす夕菜。目がメラメラ と燃えている。

 

和樹は夕菜の言葉を無視すること にした。

 

「ご馳走〜〜〜〜〜〜、ご馳走 〜〜〜〜〜〜〜〜!」

 

レオンは和樹の母の料理のことで 頭がいっぱいらしい。食い意地張ってるなぁー。

 

「源氏爺ちゃんも元気らしいし、 母さんも料理たくさん作って待ってるって言ってたよ」

 

(・・・でも赤飯とか、鯛だとか 言ってたな・・・)

 

和樹の疑問も乗せながら電車は走 り続ける。

 

 

 

 

 

 

「和樹たちはどこ行ったの よーーーーーー!!!!!」

 

1人置いてかれた玖里子が空に向 かって叫んでいた。あわれである・・・・

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜、やっと着いた」

 

「迎えは誰か来るのかね? 式森 君」

 

「え〜、従兄弟の和夫兄が来るっ て言ってたんですけど・・・・・・」

 

「まだ来てないみたいだけ ど・・・」

 

和樹と千早が周りを探す。レオン も飛び回り和樹たちが見えないところを探している。

 

3人しか和夫の顔を知らないので 他の4人は手伝えない。

 

「時間、間違えたのかなぁ〜?」

 

和樹が困った顔をしていると、携 帯が鳴り出した。ちなみに着メロはX JAPANの「DAHLIA」だった。〔すいません。作者の趣味です〕

 

「もしもし」

 

『あ、和樹久しぶりだな!』

 

「和夫兄! 今どこ? もう駅着 いたんだけど・・・」

 

『すまん、後5分位で着くから ちょっと待っていてくれ!』

 

「わかった。駅の出口にいるか ら、分らなかったらレオンが飛んでるだろうからそれを目印にして探してみて」

 

ピッ!

 

「後5分位で来るそうですから、 ここら辺で待ってましょう」

 

5分後、和夫が到着した。

 

「よう、和樹、すまなかったな、 今トランクあけるから荷物載せてくれ」

 

和夫は親戚の中で和樹に歳が一番 近い。よく遊んでもらったから、和樹にとっては本当の兄みたいなものである。

 

和夫は長い髪を紐でまとめていて かなりの美形である、和樹よりも10センチほど背が高い。スポーツが好きで夏はサーフィン、冬はスキーとボードに出かけている。

 

あの凛と沙弓が顔を少し赤くする ほどだ。

 

「元気そうだね、和夫兄!」

 

「お前もなぁ、和樹! 千早ちゃ んとレオンも元気そうで何よりだ!」

 

「お久しぶりです!」

 

「元気だよーーーー!!!」

 

千早とレオンも久しぶりに会えて 嬉しそうである。

 

「和樹、他の人紹介してくれない か。」

 

「わかった、家に向かいながら紹 介するよ」

 

車に乗り込み、4人を紹介しなが ら家に向かった。

 

だが家に着いてから和樹はとんで もない目に遭うことになることをまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

30分ほど車を走らせ、和樹たち はようやく実家に着いた。

 

「・・・・・・ここが和樹さんの 実家・・・」

 

「・・・・・・広い・・です ね・・・」

 

名家である夕菜や凛も驚くほどで あった。まず、門を潜ってそこからまた5分ほど車で走ってようやく家が見えてきた。その後もかなり歩いた。

 

それほど和樹のうちは広かったの だ。

 

「そうかなぁー・・」

 

「私もいつも来てたからあまり感 じないわ」

 

「「・・・・・・」」

 

2人の言葉に唖然とする。だが次 の言葉は2人をもっと驚かせた。

 

「あ、それとあそこに見える山も 大体僕の家のものだよ」

 

もはや返す言葉もない2人であっ た。

 

 

 

 

 

 

ようやく、家の門まで来た。最初 の門を入ってから20分はたっていた。

 

和樹は門に備え付けられている チャイムを鳴らした。

 

「和樹です、ただいま帰りまし た。門を開けてください」

 

『お帰りなさい、和樹、今開けま すよ』

 

和樹の母の返答の数秒後門が開い た。

 

 

 

あとがき

オリキャラ式守和夫登場です。和 夫は和樹の従兄弟で親戚の中で和樹に歳が一番近くて、よく遊んでもらったから、僕や和樹にとっては本当の兄みたいなものです。

ちなみに式森ではないのは和夫が 式守という親戚の人だからです。

次回式森源蔵(オリキャラ)つい に登場です。はたしてどのような人物なのか?

次も読んでね!



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