第17話  レオン

 

 

「駿司、早く始めろ!」

 

雷道はレオンに言動に相当腹が 立っているようだ。

 

「始め!」

 

雷道は駿司の声を聞くか聞かない かのタイミングでレオンに斬りかかる。レオンはそれを余裕を持って避ける。

 

「本気できなよ。そんなんじゃハ エが止まるよ」

 

「ぶっ殺す!!」

 

雷道の刀がレオンに斬りかかる。 レオンがそれを難なくかわす。

 

雷道の息が上がってくるのにもか かわらず、レオンは全く息が上がっていない。

 

その顔には笑顔が浮かび、楽しむ ように刀を避ける。

 

「もう疲れたの? 小手調べに技 を出すね」

 

レオンが両手を胸の前でそろえる とそこに炎の玉ができた。

 

「火球!」

 

レオンが炎の弾を雷道に向かって 放った。雷道はそれを刀で弾いたが、かなりの力が刀に加えられてのが分かる。

 

「なめるなー!」

 

雷道がレオンに向かって刀を振る う。風の刃がレオンを襲う。レオンがそれをギリギリでかわす。

 

「遅い・・・火球!!」

 

「黙れー!」

 

再びレオンが炎の弾を放つ。だが 雷道の放った風の刃にかき消される。レオンはそれを、うまく避けたが、バランスを崩してしまう。

 

「もらった!」

 

雷道の風の刃がレオンを直撃し た。だがこのときレオンの顔は笑っていた。

 

ドゴォォォーーーーーーー ン!!!

 

 

 

 

 

 

レオンと雷道の戦いを見ながら和 樹は千早の傷を全て治し終えていた。折られた骨も全て元に戻ったようで、千早が体を動かして確かめている。大丈夫と確認できたのか、千早は和樹の隣に座っ た。

 

「随分、派手にやってるなぁ〜」

 

「でも、遊びすぎじゃない」

 

「何のん気なこと言ってるんです か!」

 

「レオンを心配したらどうですか 少しは!?」

 

暢気な会話をしている和樹と千早 に夕菜と凛が怒鳴り声を上げる。というより千早のこと

を抱きしめている和樹の姿に怒り をあらわにしている。

 

その姿は般若、夜叉・・・それと もこの世のものの怨念の塊か・・・とにかく怖かった。

 

「あんな攻撃じゃレオンにかすり 傷1つ付けられないよ。今のだってわざと技受けたんだし・・・」

 

和樹がそういった瞬間・・・

 

ドゴォン!!!

 

瓦礫を吹き飛ばして誰かがその中 から出てきた。

 

「・・・久しぶりだな、この姿に なるのは・・・」

 

そこには190はあろうかという 長身に青い髪をなびかせた青年が立っていた。

 

服装は黒の皮のズボンに、デカエ リの黒のワイシャツをVゾーンをあけて着て、その上に黒のトレンチコートを羽織っている。

 

女性が見たらその姿にとりこにな るであろう。

 

「誰だ、貴様!!」

 

「自分が戦っている相手もわから ないのか?」

 

「ふざけるな! 俺が戦っていた のはボールみたいな変な生き物だ、貴様じゃない!」

 

雷道は相当腹が立っているらしく 肩を震わせながら、怒鳴りつけた。

 

「雷道さん、そこにいるのは本当 にレオンですよ」

 

「何だと!?」

 

「いや、さっきまでのレオンは仮 の姿、今あなたの前にいるのが本当のレオンです」

 

「どういうことですか!?」

 

「式森!?」

 

「式森君どういうことか教えてく れないか?」

 

夕菜と凛と駿司が和樹に聞いてき た。話がよくわからない。本当の姿、仮の姿とはどういうことなのか。

 

「魔力を抑えるためにレオンは さっきまでの姿になっていたんですよ。今のレオンなら自分の力を100パーセント出して戦うことが出来ます。駿司さんあなたが狼になったときと同じ状態と いうわけですよ」

 

「式森じゃあ今までのレオンは力 を抑えてあれだけの動きをしていたのか!?」

 

「そうだけどそれが何か?」

 

凛は和樹の言葉に声をなくしてい た。レオンの動きは凛の動きの上をいっていた。

 

だがそれが力を抑えた状態だった というのだ。

 

凛はレオンを見た。確かにその姿 には何かを感じずにはいられなかった。

 

開放されたオーラがレオンから出 ているように凛には見えた。

 

 

 

 

 

 

レオンが右手をかざすとその手の 中に西洋の剣に似た剣が現れた。

 

「青龍刀」

 

龍の細工がされた。その剣はレオ ンに反響するかのように凄まじい殺気が剣から出ていた。

 

「姿を変えようが俺に勝てると思 うなよ!」

 

雷道がレオンに斬りかかる。

 

ザン!

 

雷道がレオンを斬り裂いたように 見えたが、それはレオンの残像だった。

 

「・・・遅いな」

 

ガキィィィン!!!

 

「なに!?」

 

見ると雷道の刀が真ん中の辺りか ら折られていた。

 

だがそこにレオンの姿はない。見 ると雷道の5メートルほど離れたところに何事も無かったかのようにレオンが立っていた。

 

「もう止めとけ・・・今のあなた では私に勝てない。というよりも私がつまらない」

 

「なめるなといっただ ろーーーー!!!」

 

雷道が折れた刀でレオンに風の刃 を放つ。だがそこにはすでにレオンの姿はすでにない。

 

「馬鹿の1つ覚えだな。1つあな たに教えてやる。千早があなたと戦う前に和樹に言われた言葉・・・それは・・・・・・・・・・『魔法は使うな』だ」

 

「何!?」

 

「えっ!?(×4)」

 

レオンが言った言葉に雷道だけで なく、凛や夕菜、駿司、佐平が驚いた声を上げた。

 

「気づいてなかったのか。あなた 達は剣鎧護法を使っていましたが、千早は最初の相手からあなたと戦うまで1度も魔法を使っていなかったんですよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「だから、千早の攻撃にも耐えら れたんでしょうね。魔法を使った攻撃だったら、最初にあなたの頭は吹き飛んでいたはずですからね」

 

誰もがレオンの言っていることに 耳を疑った。本当なら簡単に千早は雷道に勝てたことになる。最後の雷霆をもし魔法を使っていたらどれほどの威力になっていたのか・・・下手すれば駿司でも止めることは難しいだろう。

 

「続けますか? やめてもいいで すよ」

 

「ふざけるな、誰がそんな作り話 信じるかーーーー!!!」

 

怒りに任せて雷道がレオンに斬り かかってきた。事実を認めたくないようである。勝ったと思っていたらそれは相手が手加減していたからだった。雷道にとってはかなり精神的ダメージが大きい であろう。

 

「・・・・・・見苦しい」

 

ガキィィィン!!!

 

「ハァッ!」

 

レオンは雷道の刀を根元から折る と雷道の鳩尾に重い掌底を叩き込んだ。千早の掌底よりも早く鋭 い掌底2メートルを超える雷道の体が軽々と吹き飛び壁に大穴を あけて瓦礫に埋もれた。

 

意識の朦朧としているのか焦点が 定まらない様子の雷道が瓦礫から出てきた。

 

だが容赦なくレオンは雷道を蹴り 上げ仰向けに倒れた雷道の鳩尾を踏み付け、首筋に剣の刃を当てた。

 

「まだ続けるか?」

 

殺気のこもった声で雷道に問いか ける。雷道ほどの人間じゃなかったら気絶していただろう。すでに気絶寸前の雷道は朦朧とした意識の中自分の負けを認めた。

 

「・・・おれの・・・負け・・ だ・・・」

 

レオンと雷道の試合は雷道の完全 敗北で終わった。

 

 

 

 

あとがき

どうもレオンです。

ついに登場、人間体の僕が登場で す。イメージとしてはX JAPANhideを思い浮かべてください。

髪の色と背の高さ以外はそのまま のイメージです。

ああ〜、ついに僕の時代がきたん だー!

なぜ、hideなのかはいづれ出す話で 紹介していきます。

次は駿司といよいよ戦います。

次も読んでね!




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