第22話 動き出す力
「こういう訳なのよ」
「はぁ〜、だから夜中の叫び声を 確かめるのを手伝えと・・・」
玖里子の話によると、学校の理事 をしている玖里子の姉の麻衣香がうなり声や叫び声の調査を玖里子にするように言ったらしい。
「でも、それって専門の業者とか がやることであって、生徒がすることではないんじゃないんですか?」
「私だってそういったけど、姉さ んが後の処理がらくだからて・・・」
そんなこと言っていていずれ取り 返しがつかないことがあったらどうするつもりだ。
「・・・こんな学校嫌だ」
学校に恵まれなかったらどこに電 話すればいいのだろう。人材派遣会社じゃ・・・だめだろうし・・・・・・
和樹は本気で転校しようかと考え
た。せめてF組にクラスを移動させてほしい。(おい!)
「はぁ〜・・・で、1人じゃ大変 だから僕らに手伝えと」
「そういうこと、あんたがいれば どんな化物が出てきても大丈夫だろうし、千早とレオンもかなり強いんでしょ」
神城家に行ったときのことは玖里 子にも話した(無理やり聞き出された)。そのとき千早とレオンの強さは夕菜と凛から玖里子は細かく聞いたのである。半信半疑ではあるが夕菜と凛の顔が真面 目な顔をしていたので玖里子も納得したようである。
「だから放課後手伝ってくれな い」
笑顔で和樹に頼んでくる玖里子。 だがその笑顔は全く効果が無い。和樹を笑顔で動かせるのは千早しかいないだろう。
「どうする? 和樹君」
「どのみち調べてみるつもりだっ たんだから、いいんじゃないかな?」
和樹は千早と小声で確認しあう。 その声は玖里子には聞こえないくらい小さな声だ。
「わかりました。手伝いますよ」
「それじゃ放課後お願いね!」
そう言うと、玖理子は校舎の中に 入っていった。
「放課後ねぇ・・・」
玖里子がいなくなって和樹は空を 見ながらつぶやいた。
「どうするの? 和樹君。その前 にまだ昼休みの時間あるから校舎の中見て回る?」
「・・・いや、『捜眼』でここか ら校舎の中を見てみるよ」
和樹は校舎に行こうかという千早 を止めて立ち上がる。そして眼を閉じる。
「『捜眼』」
開かれた和樹の眼はエメラルドグ リーンの色をしていた。『捜眼』は和樹の『選眼』という魔法の眼の1つで最大で数百キロ以上離れた場所の映像も見ることができる目である。その目を使い校 舎と学校周辺を見回す。
「・・・今のところ、とくに変 わった様子はないんだけど・・・」
(小さな生き物がやけに多い な・・・猫サイズか・・・)
「・・・何か気になることがある のね?」
和樹の様子から何かあると千早は 読み取った。他の人が見たら気づかないだろうが、物後心ついたころから一緒にいる千早は和樹のちょっとした顔の変化を見逃さなかった。
「うん、猫だと思うんだけど、そ の数が多いんだよ。5匹位ならわかるけど・・・2いや30匹はいる・・・それにどんどん増えてるようにも見えるんだ」
「・・・もしかして・・・ベヒー モス・・・」
「多分ね・・・どうやら予知夢 は・・・認めたくないけど、当たってたようだ。レオン!」
「何?」
「僕と千早が授業の間周りを見 張っててくれないかな、もしものときは念話で僕と千早に知らせて、それと学校の誰かが危なくなったときは戦ってもいいから」
「わかった」
返事をするとレオンはどこかに飛 んでいった。
「放課後までおとなしくしている かな?」
「望みは薄いなぁ〜〜。そのとき は何とかするしかないな・・・僕ら以外にベヒーモスと戦える人なんていないし」
葵学園は優秀な生徒が多くいる。
だが、ベヒーモスが相手となると自衛隊の魔法旅団が出動するほどの大事になる。魔法学校の生徒がどうこうできる問題じゃない。
「紅尉先生にいつでも対処できる ように言っといたほうがいいわね」
「そうだね。頼む」
「任せて!」
千早は紅尉のところに報告に行っ た。
千早とレオンがいなくなり和樹の 顔は険しくなった。
「・・・下手したら、キメラまで 出てきそうだな・・・」
(・・・もしものときには使うし かないかな・・・・あの炎を・・・でも、今の僕に使いこなせるのか・・・)
胸騒ぎを抑えられない和樹。その とき和樹の背後には黒い炎が見え隠れしていた。あの日手にした黒い炎が・・・
そして和樹の予感は的中すること になった。
あとがき
レオンで〜〜〜〜す。
出ました和樹の能力の1つ選眼。選眼は和樹の使う魔法 の目の1つ です。他にもいくつか種類があります。
でもこの目のネタって結構使って る人いるからパクリにならないかなぁ〜(汗)
次回はカズいよいよ戦い始めま す。
作者がんばれ〜
あとがきが板についてきたレオン
でした!