その頃……既に放棄された司 令本部のモニターには、JOSH−Aを中心とした防衛網が映し出され、そこに敵襲を示す赤いラインが迫ってくる。

それがラインに差し掛かった 瞬間……けたたましい警告音がJOSH−A内に響き渡った。

その突然の警告音にアークエ ンジェルのクルーや他の兵士達は息を呑んだ。

地平線の彼方から飛行してく る夥しい数の輸送機……そのハッチが開かれ、その中からMSが次々と発進していく。

突然の敵襲に対し、JOSH −Aの防衛隊はすぐさま迎撃に出た。

砲台やミサイルが上空から降 り注いでくるMS隊に向かって放たれるも、焼け石に水である……次々と砲台を潰され、ジンやシグーが降り立ち、砲火を掻い潜って上陸したバクゥ隊が疾走し てくる。

海中からは、潜水艦から次々 にグーンが海中に身を躍らせる……そして、JOSH−Aの空には埋め尽くさんばかりのMSが溢れていた。

本部内を駆け巡る警告音に当 惑するマリュー達…その時、パルが声を上げた。

「統合作戦室より入電」

モニターには、薄暗い部屋に いる将官の顔が映され、マリューは身を乗り出して問い掛けた。

「サザーランド大佐、これ は……!?」

動揺するマリューに対し、サ ザーランドは冷静に命令を下す。

《守備隊はただちに発進、迎 撃を開始せよ》

その命令の意味を一瞬理解で きず、言葉を失う。

《してやられたよ…奴らは直 前で目標をこのJOSH−Aへと変えたのだ》

敵襲だというのに、平然とす るサザーランドだが、マリュー達にはそこまで気が回らなかった。

本部内にいる内は、少なくと も戦闘はないと思っていたのに……だが、現にザフトは侵攻している……陽動によって戦力を割かれたこのJOSH−Aに。

それを理解していくにつれ て、クルー達の間に冷たい感触が這う。

《ここを敵に渡すわけにはい かん。なんとしてでも死守せよ…厳しい状況ではあるが、各自健闘を……以上だ》

告げると同時に通信が切れる が……クルー達は茫然自失となり、その場で硬直していた。

迎撃と言われても、もはや アークエンジェルには肝心要のストライクやルシファーはなく、しかもスカイグラスパーの乗り手の二人もいないのだ。いくらこの艦が特装艦とはいえ、MSを 相手に持ち堪えるにも限度がある。

だが、それでもマリューは唇 を噛み、その指示に従う。

「……これで戦えというのも 酷な話だけど、本部をやらせるわけにはいかないわね……」

そうだ……ここは地球連合軍 の本部がある最重要拠点だ……自らを奮い立たせるようにマリューは己に言い聞かせる。

「艦長……」

無謀だと感じたのか、ノイマ ンが振り返るが…それに対し、マリューは声を張り上げた。

「総員第1戦闘配備! アー クエンジェルは防衛任務のため、発進します!」

「そんな……キラやレイナだ けでなく、少佐も大尉もいないのにどうやって……」

結局、除隊申請のおりなかっ たカズィは泣きそうな声を上げる。

「アークエンジェル発進!」

苦い思いを噛み締めつつ、マ リューはゲートの先にいる敵へと眼を見据えた。

 

 

 

輸送機からの部隊に続くよう に、宇宙から投下された強襲耐熱カプセルより無数のMS隊がアラスカの大地に降り立つ。

ジンやシグーが…そして、潜 水母艦から次々と飛び立ったディンが突撃銃を乱射し、砲台や戦車を吹き飛ばしていく。

その後方から敏捷性を活かし たバクゥ隊が迫り、ミサイルで砲台を次々と吹き飛ばす。

そして……海中からはグーン やゾノが潜行し、海中の岩盤に向かって魚雷を放つ。

さらには、海上へと浮上し、 展開する連合軍の戦艦に魚雷を浴びせていく。

「でぇぇぇぇいい!!」

その中で、イザークはデュエ ルを駆り、海上の艦隊制圧に参加していた…ビームライフルが火を噴き、またしても一つの艦のブリッジが潰され、艦が炎上する。

「おらぁぁぁどけど けぇぇぇぇ!!」

イザークに負けじとヴァネッ サも吼えながら対空砲火の中へ金色のシグー・ディープアームズを駆って突撃していく。

金色のボディが煌き、両肩に 装着されたJDP8−MSY0270試製指向性熱エネルギー砲が発射され、砲台を潰していく。そして、腰部のNOL−Y941レーザー重斬刀を抜き、ブ リッジを斬り落とす。

その後をライルのシグーAS を筆頭にヴァネッサ隊のシグー隊が続く。

ライルはビーム砲とレールガ ンの連射で戦艦の装甲を貫き、蒸発させる……シグー隊は重突撃機銃で周囲を飛び交う戦闘機を撃ち落していく。

そして…砲火を掻い潜るよう に白いディンがエアロシェルを開き、前方を見据える。

「さて……この舞台の主役… どれ程のものか見せてもらおう」

コックピットの中で、愉悦の 笑みを漏らし、クルーゼはディンをユーコン河に沿って低空飛行で上流へ向かわせていく。前方の滝の裏に隠れたゲート…阻もうとする対空砲台を撃ち落とし、 そのまま滝の中へと突っ込んだ。

ゲート内を飛行しながら、ク ルーゼはコンソールを操作し、JOSH−A内部の見取り図を表示する。

MSの中、詳細なマップを示 すモニターを見ながら、クルーゼは一人ごちる。

「フン……アズラエルの情報 は確かなようだな」

クルーゼに接触したアズラエ ルの召いが手渡したデータは確かに情報通りであった。

隠されていたゲートから内部 に侵入してディンを降りれば、進入口はすぐそこにある。

中は無人に近く、時折遠くの 方で振動が響く程度だ。

グランドホローに侵入したク ルーゼはそのまま内部に向かって駆けていく……阻む者もほとんどなく、何の苦もなく彼は管制室に侵入する。

インカムや書類が乱雑に撒き 散らされており、巨大なモニターには敵の進軍経路と、指示を求める兵達からの打電が、答える者のいない空間に響いていた。

 

 

 

その時、地下ドックより離れ たムウは、突然の警報に危惧を露にした。

すぐさまアークエンジェルへ と急ぐも、何故か本部内はガランとし、人影をほとんど見かけない。

胸騒ぎが起こり、急ぐ彼は、 突如として感じた忘れえぬ感覚に足を止めた。

「この感じ……ラウ=ル=ク ルーゼか!?」

この戦慄にも似た不快な感覚 は忘れるはずもない……だが、何故奴がここに…そこで、この警報とクルーゼの侵入を結びつけた…放っておくわけにはいかない。

ムウは懐から銃を取り出し、 その感覚の導く方向へと向かった。

 

 

無人の管制室に侵入したク ルーゼは散乱する書類や通信インカムを払い落とし、モニターに近付き、コンソールを操作する……すると、巨大なレンズのようなものが映し出された。

しかも一つではなく、無数に 存在し、発動の時を待っている…それを見て、クルーゼは口の端を吊り上げる。

アズラエルの召いが伝えたと おり、クルーゼは確認のためにここを訪れたのだ。

その時、管制室の手前で足を 止めたムウが、隠れるように部屋の中を覗き込む……薄暗い室内には、ザフト軍の指揮官服に身を包んだ男が屈み込み、モニターを見詰めている。

思わず警戒を忘れて身を乗り 出す……だが、コンソールに映った影に反応し、すかさず振り返り、発砲してきた。

咄嗟に壁に身を隠し、銃弾を やり過ごすと、反撃する…だが、相手もそれをかわし、離れていく。

一瞬垣間見た顔は、銀のマス クに覆われている……生身で相対するのはこれが初めてだが、その特異的な姿は見間違うはずもない。

クルーゼはまるでムウの狙撃 を察知しているように正確にかわすと、室内に飛び込んでくるムウに発砲しながら離れていく。

姿は見えないが、気配から大 体の位置は掴める……コンソールに身を隠しているムウに向かってクルーゼは笑みを浮かべる。

「久しぶりだな、ムウ=ラ= フラガ……」

クルーゼがはっきりと自分を 認識していることに、ムウは若干眉を寄せる……そして、この感覚が自分だけの一方通行ではないものを悟る。

「…せっかく逢えたのに残念 だが、今は貴様に付き合っている時間がなくてな」

言葉に反応してこちらを射撃 しようとするのを、クルーゼは冷静に一発撃って押しとどめる。ある程度互いの行動が読めるという前提でならば、即座に射撃できる態勢のクルーゼの方が幾分 も有利なのだ。

「ここにいる……ということ は、貴様も地球軍では既に用済みか? 堕ちたものだな、エンデュミオンの鷹も」

揶揄するような口調で言い捨 てると、クルーゼは素早く通路に駆け出し、ムウは構えた銃口を下ろす。

後を追おうか逡巡したが、そ れよりも気になったのはこの無人の管制室だ……ここに来るまでも不審に思ったが、人影をほとんど見かけなかった。疑念を抱きながら、先程までクルーゼが見 ていたモニターを見やると、そこには一つ目の構造物がいくつも並び立ち、映し出されている。怪訝そうに覗いていたムウの眼が驚愕に見開かれる。

「こ、これは……!」

我が眼を疑うようにもう一 度、確認するが、そのデータに間違いはない……戦慄したムウはコンソールを叩き付ける。

この兵器は忘れるはずもな い……自分は一度、この兵器の発動を見たのだ……多くの仲間の死とともに……憤りを込み上げつつ、ムウは身を翻して走った。

アークエンジェルのもと へ……手遅れになる前に………

 

 

 

薄暗い照明の通路を、フレイ は彷徨うように歩いていた。

混雑していたドック内にて、 見知らぬ者達に囲まれ、いつまで経ってもムウも戻ってこず、誰も自分に注意を向けていないと知るや否や、こっそりと列を抜け出し、アークエンジェルに戻ろ うとしていたのだ。

彼女は今、命令に違反しよう としているという意識は欠片もなかった。

アークエンジェルに戻り…… サイやマリューに泣いて訴えれば、自分の思惑通りになると思っていた……フレイにとって、軍に入ることはキラを逃さないためだけであり、手段でしかなかっ た……だが、それによって足元をすくわれてしまった。

突然の転属命令は、父の死を 語り、兵士の士気を上げ、戦意高揚させろというものであった……だが、フレイには冗談ではなかった。

命令を伝えた兵にそう訴えて も、誰も取り合おうとはしない……それが当然のことでも、フレイにとっては理不尽でしかない。

しかし…戻り始めてからすぐ に、フレイはグランドホロー内の通路で迷子となっていた…元々、初めてきた場所な上に、連れてこられた道も半ば呆然としていてほとんど覚えていない。

誰かに見られないようにと気 を配っていたが、彼女の危惧らしく、周囲には人影がほとんどない…それが逆に彼女の不安を掻き立てた。

フレイは半ば泣きそうに表情 を歪ませた……以前は違った。誰もかれも自分をちやほやしてくれたが、今では誰も彼女を気にも掛けない…まるで、捨てられた子のように。

キラが死んで……復讐を果た し、サイのもとに戻ろうとした……だが、サイはそんなフレイを拒絶した……まるで汚いものを見るような眼でフレイを見、フレイの心は痛んだ……そこでやっ と気付いた……自分は本当にとんでもない罰を犯したのだと……

……サイに謝りたい。話し て、解かってほしい……たとえ、赦されなくても傍にいるだけでも………

寂しさに耐え切れず、その温 もりを求めてしまう自分は、どこまでも浅ましい存在だとフレイ自身に知らしめる……目的のためにキラを戦場へ縛り、サイを裏切り…挙句の果てにはキラを殺 したも同然で……そんな汚れた自分を、サイが受け入れるはずもない。

もはや…アークエンジェルに はフレイを受け入れる者はいないのかもしれない……親友だと思っていたミリアリアはフレイと決別し、カズィは自分と関わろうともしない。

捕虜を襲ったことで咎められ ていても、誰も自分を弁護せず…誰もフレイに声を掛けようとはしない………ブリッジクルー以外は、ほとんど彼女の存在を知らなかったのだ。

誰も慰めてくれず……寂しさ と辛さを誰かに打ち明けることもできない。

その時、キラの存在が浮かび かけたが…頭を振ってその考えを打ち消す……まただ…都合のいい時だけキラに頼ろうとしている浅ましい自分に…それに自分は、キラでなくてもいいのだ。

自分を護ってくれるなら、寂 しさを埋めてくれるなら、キラでもサイでも…誰でもよかったのだ………

脳裏に、レイナの姿が過ぎ る……自分が殺そうとした少女………自身が傷だらけになっても、決して他人を頼ろうとはしない……自身を犠牲にして戦いに留まるなど、フレイには到底でき ない。

自分が痛いのも、怖いのも嫌 いだから……だから、他の誰かを身代わりにする………フレイにはそれしかできない……そんな人間、誰からも信用されなくなるのは当たり前だ。

でもそれでも……謝りた い………だからもう一度、もう一度だけでもアークエンジェルに………

涙が溢れそうになった時、通 路の向こうから人の声が上がった。

「ザフト兵だ、侵入されてる ぞ!!」

その声に、フレイは愕然と眼 を見開き、身動きを止めた。

コーディネイターが何故ここ に……だが、その思考が纏まる前に、銃声が響いた。

通路の奥から駆けてきた白い 服装の兵士が、銃を撃ちながら後退してくる…その時、右の角から姿を現した兵士が、フレイの眼の前で射殺された。

血が飛び散り、どうっと倒れ 伏す。

「ひぃっ、きゃぁああ あっ!!」

眼前で死んだ兵士……人の死 を初めて生身で垣間見たフレイはパニックを起こし、悲鳴を上げた。もつれるようにその場に座り込む…その時、足音が近付いてきた……フレイは咄嗟に落ちた 銃を拾い上げ、構える。

兵士を見た瞬間……フレイは 息を呑む……顔を覆う、その異様な銀のマスクに………

「おやおや、これはこれ は………」

揶揄するような声だが……そ れを聞いた瞬間、フレイは驚愕に眼を見開いた。

「……パパ?」

その声はあまりにも、彼女の 父親……ジョージ=アルスターに酷似していた……だが、声の主はそんな感傷などお構いなしに、酷薄な口調で揶揄った。

「パパが恋しいのかね?」

呆然となるフレイの意識は、 腹部に走った激痛によって途絶えた。

フレイの意識を奪った兵士: クルーゼは、その身体を抱き抱える。

その顔を見た瞬間…クルーゼ は以前データを確認したアルスター事務次官の娘であることを悟る……そして、微かに口の端を吊り上げた。

 

――――――鍵は見つかっ た、と。

 

クルーゼはフレイを担ぎ上げ ると、改めて出口へと向かった。

 

 

 

 

クライン邸はどこか、慌しさ に包まれていた。

そんな中で、レイナはマルキ オとともに壁の端に寄り、会話を交わしていた。

「……行かれるのですね?」

「ええ」

躊躇うことなく頷き返す…… 自分の答えは最初から決まっている。

「貴方の進む道は、決して楽 なものではないでしょう……多くの試練や苦難が待ち受けています」

「それでも…よ………私に は、この生き方しかできないから」

自嘲めいた笑みを浮かべ、肩 を竦める。

マルキオも、もはや何も語ろ うとはしない。

「マルキオ導師……貴方に頼 みたいことがある………ある人物と、連絡をつけてもらいたい……――――と」

名前を呟いた瞬間、騒音に遮 られ、周囲には聞こえなかったが、マルキオの耳にははっきりと聞こえていた。

「貴方ならできるはずよ…… 連合軍だけでなく、連中ともパイプを持つ貴方なら」

暫し、マルキオは考え込んで いたが……やがて、頷き返す。

「解かりました…話をつけて おきましょう………」

「お願い…その際に、私の 持っている秘匿コードを教えておくわ」

レイナは素早くコードをマル キオに伝える……恐らく、これから先に必要になるであろう事態に備えて………

 

 

密談を交わすレイナとマルキ オの様子を、二階の通路から隠れるように窺う人影……一人はラクスだが、もう二人はザフトの軍服を纏った年輩の男と赤い艶やかな髪を持つ女性だった。

「あの子が…ヴィア の………」

「うむ」

女性の感慨深い呟きに、男は 頷き返す。

「あの人の危惧も、これで取 り除かれるでしょう……あの子だけに、背負わせたくはない……私の、ワガママですね」

「アリシア様……」

自嘲気味に笑う女性を気遣う ようにラクスが声を掛ける。

「ラクス様…彼女に………あ の人が遺した、『無限』の翼を………頼みます」

頭を下げるアリシアと呼ばれ た女性に、ラクスは強く頷き返す。

そして……ラクスは視線を先 程からレイナを凝視している男に向ける。

「ダイテツ様……お話されな くてよろしいのですか?」

「気遣いは無用だ……それ に、今はまだ逢う必要はなかろう………」

どこか、威厳を携えた男は、 深みのある口調で答える。

「だが……あの娘は強くなっ た………本当に」

レイナを見る眼に、優しげな ものが混じる……それに応じて、ラクスも穏やかな笑みを浮かべる。

「では、私達は……」

「うむ。急がねばな……」

「はい…ダイテツ様もアリシ ア様も………どうかご無事で」

二人が離れていくと、ラクス は次に向かうべき場所へと向かっていった。

 

 

雨が止み、穏やかな日差しが 降り注ぐ……蒼空が映し出される光景を、キラはずっと見詰めていた。

「キラ?」

その後姿に、サンルームに 入ったラクスが声を掛ける。

その声に呼ばれ、振り向いた キラの顔は、何かを吹っ切ったように清々しさを感じさせた……だが、瞳からは涙が溢れていた。

「……僕は、いくよ」

告げられたその言葉に、ラク スは僅かな寂しさを感じながらも真っ直ぐにキラの瞳を見詰める。

「……どちらへいかれます の?」

質問というよりは…確認で あった……キラの思いを知るための。

「地球へ……戻らなきゃ」

「何故?」

穏やかではあるが、彼女は現 実をキラに話す。

「貴方が一人戻ったところ で、戦いは終わりませんわ」

ラクスの言う通り……自分一 人だけの力で戦争は終わらない……まして、今のキラにはその力も手段もない………だが、それでも……この戦争が終わらない限り、憎しみと悲しみの連鎖は終 わることなく続いていく。

レイナと同じように事実を突 き付けるラクス……流されるのでもなく、誰かに言われたからでもなく……自分の意思で答を見つけなければいけない…感傷に逃げることはできない。

「でも、ここでただ見ている ことも……もうできない………」

キラは己の手を見ながら、 そっと呟いた。もう…この手は血で汚れすぎている……そして、自分は大切な者を殺そうとしたのだ……それを今更、ただ黙って、何も知らないふりをしている ことも、もうできない………

「何もできないって言って、 何もしなかったら、もっと何もできない……何も変わらない……何も終わらないから………」

静かに自身の決意を語る…… 立ち止まることはできない…歩き出さなければならない…自身の信じる道を……たとえ、それがどんなに困難な道だとしても。

「また、ザフトと戦われるの ですか?」

真っ直ぐに見るラクスは穏や かな口調で問うが、キラがゆっくりと首を横に振る。

「……では地球軍と?」

その問いにも、キラは首を横 に振って示した。

「僕は……何と戦わなきゃな らないのか…少し、解かった気がするから………」

ラクスはやや眼を見張る。

「………なら、その答に進む 覚悟はできたの?」

唐突に後ろから掛けられた声 に、キラとラクスが振り向くと…そこにはレイナが静かに歩み寄ってきていた。

「答は出たの?」

こちらを凝視するレイナに、 キラは頷き返す。

「なら…その道を進む覚悟は できたのね………今度は、思い悩むことも、逃げることも赦されないわよ………」

脅しじみた口調で問い掛ける レイナに…キラは臆せず見詰める。

「もう一度聞くわ……覚悟 は、できたわね?」

以前……キラが初めて自分の 決意でストライクに乗り込んだ時にも問われた言葉……あの時は、なんの覚悟も持っていなかった。

だが…今は違う……自信があ るとは言えない……だが、もう迷うことはしたくないと後悔はしたくないと……キラは頷き返した。

その答に…レイナは小さく溜 め息をついた。

「そう……なら、私は何も言 わないわ……そして………」

徐にレイナが吊られた右腕を 上げ……ギブスで固めた右腕をそのままサンルームの外柱に叩き付けた。

眼を見開くキラとラクスの前 で……右腕を固定していたギブスが砕け散る………粉々に散らばった破片を振り落とし、レイナは自身の右腕を握り締める。

「私も………最初から答は決 まっている……それに、けじめはつけておきたいから」

自身を知る戦いも…まだ終 わっていない……リンともう一度戦うわけではない……ただ、戦い続けるだけだ……自分自身と。

「………解かりました」

そんなキラとレイナの意志を 確認したラクスが静かに呟く。

ラクスは決意した……二人の 想いを実現するための力を……二人に手渡すことを。

邸内に入ると、執事が二人分 のザフトの赤い軍服を持ってきた。

「キラとレイナは コレに着替えてください」

二人に軍服を手渡した執事 に、ラクスは凛とした口調で告げた。

「あちらに連絡を……ラクス =クラインが平和の歌を歌います………と」

 

 

数分後、ザフトの赤い軍服に 身を包んだキラとレイナは、ラクスに連れられ、エレカに乗ってある場所へと向かっていた。

レイナは後ろ髪を首筋で束ね ている……リンと似ていることを少しでも誤魔化すためにラクスが配慮した…そして、二人の前に座ったラクスが笑顔でザフト式の敬礼を教え、キラがそれを真 似て練習していた。

「こうですからね、こ う……」

レイナは見るだけ見て、それ を覚えた……だが、その事から、これから先に向かう場所が自然特定できた。

「ザフトの軍人さんのご挨拶 は」

その微笑がどこか含みのある ものであり、レイナは内心で苦笑を浮かべた。

エレカから降りた二人は、そ のまま軍施設に案内される……しかし、とレイナは思う。

仮にも軍施設内を一般人のラ クスがほとんど咎められもせずに入れることにやや呆れてしまう……すれ違う兵士に向け、ラクスがニコリと微笑みながら敬礼すると、キラとレイナもそれを真 似て敬礼する。

赤い軍服を着ていることは、 ザフトのエリートの証だ……だからこそ、不審に思う者も少ないのだろう……長い通路を進むと、やがてその先に閉じられたドアが見えてきた。

ドアの両側にはセキュリティ チェック用の端末が備えられ、その脇には二人の技官が控えていた。無重力の中を進む先頭のラクスが頷くと、それに応じるようにキー・スリットにIDカード を通し、ドアが開かれていく。

「さあ、どうぞ」

キラは手を引かれるまま…そ してその後をレイナが追い、薄暗い部屋の中へと入る。

(ここは……MSデッ キ……?)

薄暗いが、格納庫と思しき天 井の高い空間……3人はそのまま無重力の中を進み、キャットウォークの上に降り立つ。

その時、薄暗い格納庫にライ トが点灯され、3人の眼前に巨大な2機のMSの姿が現われた。

「っ……ガンダム?」

キラが呆然と呟く…レイナも やや驚いたように息を呑み込む。

眼前に佇むのは、自分達の 乗っていたXナンバーと酷似したフォルムを持つ鉄褐色の灰色の機体…それは、ディアクティブモードを思わせた。

片方の機体は、ストライクと 酷似した頭部形状…そして、背面には巨大な翼が装着され、もう一機はルシファーを思わせる機体形状に、背中にはどういう機能を持つのか、奇妙な形状のスラ スターが装着されている。

そんな二人を見ながら、ラク スが笑顔を作り、同じように機体を見上げる。

「ちょっと違いますわね…… これは、ZGMF−X10A:フリーダム…そして、あちらの機体が、ZGMF−EX000AT:インフィニティです」

「……フリーダム」

「インフィニティ……」

二人は思わず反芻し、その機 体を見上げる。

ラクスの口からMSの型式番 号が出てくること事態に妙な違和感を憶える。

「でも…ガンダムの方が強そ うでいいですわね」

無邪気に笑うラクスに、二人 はやや唖然となる。

「奪取した地球軍のMSの性 能をも取り込み、ザラ新議長のもと開発された…ザフト軍の最新鋭の機体だそうですわ」

Xナンバーを取り込んだ最新 機……だが、それならまさに極秘の類ではなかろうか…改めて、この少女の裾野の拡さには驚かされる。

「これを……何故、僕ら に……?」

「今の貴方方には、必要な力 だと思いましたので」

あっさりと答えたラクスに、 キラは言葉を失う……レイナは無言のまま、機体を見上げている。

戸惑うキラを、ラクスは見や る。

「想いだけでも……力だけで もダメなのです……だから………」

二つのうち、どれかが欠けて も過ちは間違いなく起こる……想いだけでは何も変わらず、力だけでは道を見失う……

「キラとレイナの願いに…… いきたいと望む場所に、これは不要ですか?」

その問い掛けに、キラはラク スを静かに見詰め、レイナは無言で答えた。

それぞれの意思をのせて……

「想いだけでも…力だけで も………」

今一度呟き……キラはラクス を見る。

「………君は、誰?」

キラの問いに、ラクスは笑顔 のまま応えた。

「私はラクス=クラインです わ……キラ=ヤマト、レイナ=クズハ」

深い瞳を携え、少女は答え返 す。

「……ありがとう」

キラは静かに礼を述べた…… この力を託す者として選んでくれたことに対することに。

数分後、赤いパイロットスー ツに着替えたキラが先にフリーダムの胸部上のハッチに飛び移る。

そこで待っていたラクスに、 何かに気付いたように言葉を掛ける。

「……大丈夫?」

肝心なところで抜けていたキ ラ……このMSを自分に託すということは、ザフトに敵対する行為ではないかと……だが、それも危惧とばかりに柔らかな笑みを浮かべる。

「私も歌いますわ……平和の 歌を」

彼女もまた、自身の道を歩も うとしている……それを理解した…だからこそ、キラも笑顔で応えた。

「気をつけてね」

「ええ…キラも………私の力 もともに」

ラクスが身を寄せ、静かにキ ラの頬に自分の唇をそっと重ねた。

その行為に、キラは頬を赤く 染める…ラクスも微かに頬に赤みがさしていた。

「ラクス……」

「キラの心が、まだどなたに 向けられているかは知っています……それでも……」

やや戸惑うキラに、ラクスが 優しい声色で呟く。

「……うん」

一瞬の後……キラは強く頷き 返した。

「では、行ってらっしゃいま せ」

ラクスに見送られ、キラは 『自由』の名を持つ機体へと乗り込んだ。

 

「まったく……」

やや呆れた口調で、レイナが ぼやく。

その様子にも、ラクスは笑顔 を浮かべるだけだ。

だが、その表情が微かに曇 る。

「私は……貴方が羨ましいで すわ…………レイナ……戦える力を持つ貴方が」

ラクスには、戦うための力が なかった……コーディネイターとはいえ、身体能力はナチュラルの女の子程しかないのだ……ただ、歌うことだけが彼女の遺伝子に託された夢だった。

クライン夫婦は、歌うことで 幸せになってほしいと願い、彼女を産んだ……それは嬉しいことだが、今はそれを歯痒く思う。

自分は…戦場に出るだけの力 がない……ただ、信じて待つだけ………自身がそれを望んでも、誰も聞き入れはしない……歌うことだけが、彼女にできること……

そんなラクスの葛藤を感じ 取ったレイナは、静かにラクスの前で首を振る。

「戦うことが……本当の意味 での戦いじゃない………人には、それぞれ役割がある……私には、戦場で戦うしかできない…でも……貴方は戦おうと思えば、戦える場所はある」

力があるからといって、それ が正しいことではない………善悪を決めるのは本人であり、それを判別するのは他人だ……

「私は、卑怯なのかもしれま せん………」

結局のところ、自分は他人に 戦いを任せているだけなのかもしれない……だが、レイナは首を振る。

「貴方は貴方自身の戦いをす ればいい………私のように生きることが、正しいとは決して思わないで……それでもなお、戦場に飛び込もうと言うのなら……こちら側の世界にくるというのな ら………覚悟をもって戦いなさい」

覚悟……レイナは常にそれを 求める………何かを成そうとするなら、それを必ず持たなければならない……レイナはそうやって生きてきた………

「卑怯者と罵られても、その 道を行く覚悟があるのなら……自分自身の決めた道なら、決して迷わず進みなさい」

それだけ伝え終わると、レイ ナはキャットウォークを蹴り、『無限』の名を与えられし機体へと乗り込んでいった。

その言葉に励まされたよう に、ラクスは先程よりも微笑を浮かべ、決然と面を上げた。

レイナの言う通りだ……たと え、反逆者と罵られても、卑怯者と蔑さまれても……自身の決めた道を進もう……それが自分の戦いだ………歌い続けよう………平和の歌を……平和への意思 が、自分の歌を聴く者に届くように………

そして……自身もまた、戦場 へ赴こう………

「レイナ……貴方と私の道が 共にあらんことを………」

レイナの後姿を見送り、ラク スもその場を離れた。

 

 

先にフリーダムに乗り込んだ キラは、機体を立ち上げた…駆動音が響き、計器類に光が灯る。

機体のスペックを確認す る……武装は、頭部にMMI−GAU 76ミリ近接防御用機関砲:ピクウス、腰部にMA−MO1 ラケルタビームサーベルにMMMI−M15クスィフィア スレールガン、背中のウイングにはM100 バラエーナ・プラズマビーム砲を内蔵し、右手に持つのはMA−M20 ルプスビームライフルを保持している… そのどれもが有する火力に驚く。

そして……それだけのパワー を補えるシステムに気付いた。

「Nジャマーキャンセ ラー……凄い、ストライクの4倍以上のパワーがある………」

 

同じく、その隣でインフィニ ティに乗り込んだレイナも、持っていた赤いヘルメットを被り、バイザーを下ろすと、機体を立ち上げていた。計器類に光が灯り、全周囲モニターがONにな り、駆動音を響かせる。

立ち上がるOS画面……セッ トアップの文字が浮かぶ。

 

 

 

G‐eneration

U‐nsubdued

N‐uclear

D‐rive

A‐ssault

M‐odule

 

 

 

ZGMF−EX000AT   INFINITY

 

 

 

ザフトのシンボルマークを背 に浮かび上がったのは、ルシファーに搭載されていたOSの頭文字とまったく同じものだった。

「成る程……これも……ガン ダムと呼ぶのか……インフィニティ…ガンダム………」

どこか、感慨深げに呟く。

続けて機体スペックが表示さ れる。

頭部武装はMMI−GAU  76ミリ近接防御機関砲:ピクウス、ボディにはMG−80ミリマシンキャノン、腰部にはMG−MA ハイデバイスビームハルバートブレード:インフェルノ を2本装備、左腕にはRQM002 ビームコーティングブーメラン:ケルベリオス…背中にはMMI−GG0 プラズマビームインパルス砲:オメガが搭載さ れている。そして、右手にはMG−M00 ツインビームライフル:ダークネス、左手にはMMI−V1 13連装ビーム砲内蔵型ビームコーティングシール ド:デザイアがそれぞれ持たされている。

その火力に思わず口笛を吹 く……だが、これ程の火力を使用するには、従来のバッテリー型では到底賄えないと思っていたレイナは、機体に表示されたエンジンを見て眼を見開いた。

「核融合エンジン…それ に……Nジャマーキャンセラー……プラズマ変換ブースター……」

成る程……核融合動力を持つ 機体なら、これだけのパワーも充分補える。さらに驚いたのは背中に装備されていたウイングだ…ビーム粒子ウイング:ウェンディス。これは、BPC装置と呼 ばれるビーム粒子の形状を翼状に変換するシステムが積まれている。

それを補うのが、メインバー ニアに使用されているプラズマブースターだ……これは、まるで爆弾だ……レイナはそう思った。

搭載されている小型核融合エ ンジンは、試作型で、どのような欠陥が出るか解からない…この機体は、いくつもの爆弾を抱えた……墜とされれば、その瞬間には自分だけでなく、周りも大勢 巻き込む……だが、レイナはそれに嘲笑を浮かべた。

ようは……墜とされなければ いいだけ………そう考えると、改めてスペックを確認する。

「凄い……パワー、機動性、 反応速度、それに火力……どれを取ってもルシファーの数倍はある」

その時、OSがピピピと音を 発した。

顔を上げたレイナの前で…… OSに入力画面が現われる。

【パイロット名ヲ登録シテク ダサイ】

機械的な電気信号で発せられ た声……この機体には、登録システムを搭載しているらしい。

一瞬考え込んだレイナだった が……やがて、一瞬瞑目した後、はっきりと答えた。

 

「……レイナ…私は……レイ ナ=クズハ!」

 

音声を認識したコンピュー ターが応答音を発し、インフィニティの瞳が一瞬、紅く煌く。

【了解……登録完了………マ スター、ゴ命令ヲ】

レイナは素早く一つのボタン を押した。

 

 

並び立つフリーダムとイン フィニティの瞳に光が灯り、機体に繋がれていたコードが外れていく。

それと同時に灰色の装甲にカ ラーリングが施される。

フリーダムは白と蒼を基調と し、インフィニティは漆黒を基調とするカラーリングだ。

「想いだけでも……」

護りたい想いを胸に……レ バーを押す。

それに呼応して、フリーダム とインフィニティのバーニアスラスターが光を放ち始める。

「力だけでも……」

新たな剣を持ちて……操縦桿 を持つ。

「インフィニティ……無限の 力………ならば…その力、私に示せ………」

決意を胸に、操縦桿を引き、 スロットルを踏み込んだ……

二人の前で、ラクスがゲート の向こう側で、静かに手を振っていた………

 

 

工廠の異常はすぐさま管制室 に届いた。

「フリーダムとインフィニ ティが…動いてる!?」

まだパイロットも搭乗してい ないはずの機体が勝手に動き出している事態に、管制官が慌てる。

「スケジュールにないぞ!」

動揺する彼らの前で、発進口 が開いていく。

「エアロックを止めろ! 本 部へ通報、スクランブルだ!!」

 

 

そんな管制室の動揺などお構 いなしに、ゲートは開き…その先に漆黒の宇宙を見せる。

その宇宙を視界に収め、キラ とレイナは真っ直ぐに見据える。

《誰だ、貴様ら!? 止ま れ!》

管制官の怒鳴り声が通信から 響くが、二人は無視する。

「それで止まるバカはいない わよ……」

軽く毒づくと同時に、最高潮 に達したバーニアが火を噴き、機体を飛び上がらせる。

ゲートを潜り、宇宙へと飛び 出したフリーダムとインフィニティは、そのまま加速していった……

 

 

2機が飛び去っていくのを、 工廠の展望ブースから見守るメイアとルフォン……

後ろでは、兵達が慌てて対処 に走っている。

《緊急配備! 緊急配備!》

《新型MSの試作機2機が何 者かに奪取された! なんとしてでも逃走を阻止せよ! 破壊しても構わん!!》

頭上から聞こえる怒号に近い 指示に、二人は小さく苦笑を浮かべた。

守備隊であの2機を止められ はしないだろ……

「じゃあな……頑張れよ」

「あんたらの健闘……祈っと るで」

既に遥か光点となった2機に 向かって、メイアとルフォンは静かにエールを送った。

 

 

工廠から飛び出した2機はそ のまま加速し、プラント内を駆け抜ける。

途中偵察中だったジンを振り 切る。

突然のことに驚いたジンだっ たが、すぐさま反転し、こちらを攻撃してくる。

だが、フリーダムとインフィ ニティはその機動性を発揮し、難なくかわす。

「っ……凄いG……っ!」

思わず歯噛みする……流石の レイナも、インフィニティの機動性には圧倒されたようだ……身体を凄まじいGが圧迫する。

だが、それを耐え…操縦桿を 引き、さらにスピードを上げる。

通常の加速でこれ程とは… ウェンディスを展開した状態で加速すれば、さらに身体へのGが増す……この機体は、明らかにパイロットを無視した機体だ。

だが、それに恐怖するどころ か…レイナは薄っすらと笑みを浮かべた。

これぐらいの暴走機でなけれ ば、自分の力を発揮できない……驕りでもなく事実であった。

その時、眼前から別のジン隊 が向かってくる。

レイナは照準を合わせる…… まあいい。今回は機体に慣れるために……ジンの頭部に向かってツインビームライフル:ダークネスの引き金を引いた。

二条のビームがジンの頭部を 貫き、ジンは行動不能に陥った…その横では、フリーダムもビームサーベルでジンの頭部と腕を斬り飛ばした。

 

2機はジンの追撃をかわし、 地球へと向かって飛翔していく……

その時、地球から飛び立った シャトルとすれ違った……

それぞれの窓からフリーダム とインフィニティを視認し、眼を見開くアスランとリン……

キラとレイナは構うことな く、そのまま加速する……

互いが互いにそれに乗ってい るということに気付かないままだった……

 

 

 

 

『自由』という名の剣と『無 限』という名の翼を得て……少年と少女は再び戦場へ舞い戻った…………

 

 

 

 

 

 

 

 

《次回予告》

 

激戦の繰り広げられる北の大 地……

求めるものは勝利か…それと も正義か………

 

発動する地獄の業火……

 

蒼と紅の翼が舞い降りる時… 新たな道が開く………

 

 

次回、「無限の翼 自由の剣」

 

業火の闇…打ち砕け、ガンダ ム。


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