日付が変わり、後数時間ほど で戦闘は開始される……修理を終えたアークエンジェルのドックには、人影もほとんどない……侵攻に備えての準備に余念がないのだ。

その様子を、まるで嵐の前の 静けさのようにマリューはアークエンジェルのブリッジから見詰めていた……自分自身に下した判断に、未だ迷いながら、溜め息をついていると、背後から声を 掛けられた。

「なーに黄昏てんの、艦長さ んが」

気遣うような口調で話し掛け てきたムウに。マリューは微笑を浮かべて振り返る。

「ええ…少し………」

「結局退艦は11名…皆凄い じゃないの、JOSH−Aがよっぽど頭に来たのかね?」

大半のクルーが、マリューら と共に残る道を選んだ……それは嬉しいことだが、それでも心の何処かで自分が強制したのではないか、という自責にかられる。

ふと、疑問に思ったことを口 に出した。

「少佐は……何故戻ってらし たんですか? JOSH−Aで……」

思えば、あの時点でムウは既 に命令から逸脱していた行動をしていたわけだが、それに至らせたものは何だったのか、今になって疑問になったのだ。

だが、それに対し、ムウは ガックリと肩を落とす。

「まさか……今更訊かれると は………」

やや間を置き、ムウはマ リューをぐいっと引き寄せ、答と言わんばかりに唇を奪った。

不意打ちに近いその行為に、 マリューは硬直するが、それでもその行為を拒みはしなかった。

唇を離すと、マリューは頬を 染めて視線を逸らす。

「わ、私は! MA乗りは、 キライです」

「あ、俺今……MSのパイ ロット」

根本的な問題を答えてなく、 いけしゃあしゃあと答えながら、今一度唇を重ねる……反抗は無駄と悟ったのか……いや、もはや自身の心の内に秘めていた想いを知られた時点で……マリュー もまた、その心地良い感触に身を委ねた……

ちょうどその瞬間、ブリッジ への扉が開き……中で繰り広げられていた光景に、ノイマン達は、その刺激の強さに思わず硬直してしまうのであった……

 

 

 

マルキオの伝導所に招かれた アスランとリンは、あの戦闘があった時の話を聞いていた。

あの爆発で、アスランは海へ と投げ出され、リンはヴァルキリーのコックピットブロックに護られていたが、レイナは重症であり、キラは熱がこもるコックピットに閉じ込められていた状態 だったらしい。

偶然通り掛ったジャンク屋の 男がキラを救助し、この伝導所に運び込んだこと、ちょうどこの庭先でレイナが血だらけで倒れていたのを発見し、ともに重症であったことを考え、マルキオは 簡単な応急手当のみを施し、そして二人の素性をラクスから聞かされていたマルキオは、タイミングよく連合の和平新書を届けるためにプラントに赴く時であっ た。そして、ラクスの許に連れて行くのが得策だと結論に至ったらしい。

訊けば、なんとも偶然がここ まで重なったと思う……プラントに運び込まれたキラとレイナはラクスが匿い、やがて発動されたスピットブレイクに対し、二人の覚悟を垣間見たラクスは、二 人に開発されていたインフィニティとフリーダムを与え、そして姿をくらました………自分達に、答を求めろとメッセージを残して…………

答を見つけ……そしてそれど う判断するかは、自身に掛かっている………そんな複雑な葛藤を抱える二人に対し、マルキオは、キラやレイナに対しても問い掛けた問いをぶつけた。

 

――――自分の向かうべき場所、せねばならぬことはやがて自ずと知れましょう……

 

その問いに対しても未だ答え られぬまま、やがて夜が明け、二人は備えられたモニターに 配信されるニュースに見入っていた。

リンは屈み込み、小さな女の 子の肩に手を置いている……どうやら、この子は姉を失ったらしく、リンに懐いてしまったようだ。

最初は顔を顰めていたが、そ の話をマルキオから訊かされると、複雑そうな表情を浮かべ、その後はなぜかこうして女の子がなつくままにさせている。

その様子に微笑ましいものを アスランは感じていたが、それも報じられる内容を聞くと消えた……オーブ侵攻に乗り出す地球軍の事が報じられており、マルキオは表情を顰める。

「どうやら避けられぬようで すね…オーブと地球軍の戦闘も………」

「何故オーブと地球軍 が………」

訳が解からずに頭を捻る。

地球軍の目的は解かるが、そ れでもオーブは一度は地球軍に与し、MS開発を行った……協力者ではないのか……何故、ナチュラルとナチュラルが戦うのか………アスランはまったく理解で きない。

「パナマの陥落……宇宙への 道の喪失………随分と早い決断ね」

辛辣な言葉を呟きながら、リ ンが鼻を鳴らす。

「人はたやすく敵となる…… 人は、こういった争いを繰り返してきたのですよ………」

哀しげに呟くマルキオ………

「そうね……ナチュラル、 コーディネイターなんて争うのは本当にくだらないことね………結局のところ、人は争う理由を欲しているのかしれない……他者を振り落としながら、人の歴史 は創られてきたのだから………」

表情を俯かせ……小さく唇を 噛む。

自分もあの時はそうだっ た……ただ戦うことだけを欲して………拳を握り締めるリンを傷ましげに見詰めていたアスランは、不意に気付いた。

同じ同胞でも争うのだ……そ れは、まさしく自分とキラを指している……互いに理解し合うともせず、ただ自分の思い通りにならないのが歯痒く、そして最後は本気で殺し合うにまで陥っ た……そこまで考えていたアスランは、ふと視線を落とすと、幼い男の子がいつのまにか、彼の足下に立っていた。

「ザフトなんか! おれが おっきくなったら、ぜんぶやっつけてやるっ!!」

その男の子はアスランの足を 蹴り、パッと逃げ出していく。

一瞬思考が停止しかけたアス ランの前で、マルキオが声を荒げる。

「オロ!……申し訳ありませ ん。彼はカーペンタリア占領戦の折り、親を亡くしているものですから……」

気配が離れたのを察した後、 間を置いて、彼らの保護者である隠者は心底済まなそうに詫びたが、アスランは身を硬くした。

自分はカーペンタリアでの戦 いに参戦していなくとも、あの子の親を奪った戦火を生み出したザフトの一員なのだから………

リンは眼を細め、肩を置いて いた女の子が不安そうにリンを見上げたので、微笑を浮かべて頭を撫でる。

「……敵は容易に生み出せま しょう……ですが、分かり合うはそれよりも遥かに難しいことです………戦火もまた同じです…拡げるは容易く、消すは難しいものです……」

沈痛な表情で囁くマルキオ に、アスランとリンは視線を逸らし、窓から見える遥か彼方のオーブの空を見詰める………

マルキオの言う通り、敵は必 ず存在するのだ……人が存在する限り、争いが絶えることは決してあり得ない。

 

――――……なら、どうすれ ばいい………

 

自問自答しても、答は見つか らない……誰もが戦う理由を持っている。

それが何であれ、それを否定 することは誰にもできない………未だ、迷いから抜け出せない二人は、遠くの平和の国に思いを馳せる。

 

―――――そこに、答がある のか………

 

このままここに留まっても、 ただ戦火を見て回っても二人が望む答は出ない……ならば、二人の取るべき道は一つだった………戦いを今一度見る必要があった………

人が何故争うのか……その先 に何を望むのか………道を得るために………

二人は決然とした面持ちで頷 き合い、マルキオに向かって一礼すると、アスランがヘルメットを取りに歩き、リンは今一度自身の腕の中にいた女の子に向かって微笑み、かつて自分がされた ように頭を撫でると、立ち上がった。

アスランが放り投げた自身の ヘルメットを受け取ると、二人は伝導所飛び出していった。

 

「………貴方方が選ぶ道が、 望むものであらんことを」

祈るような思いで、マルキオ は呟いた。

 

 

 

その時間は刻一刻と迫りつつ あった……オーブ群島の一つ、オノゴノ島は緊張に包まれ、静けさに包まれながらその時を待っている。

カガリはキサカと共に軍本部 へと入り、指揮官に就いた……そして、島の外周部にはリニアガンタンクが何十台と並び、待機している。

そして、軍格納庫には、ハン ガーに固定されたM1が何十体と並び、その前にはそれぞれのパイロットが整列し、一斉に敬礼をしている。そのパイロット達が作る道を歩くのは、ダークグ リーンに近いパイロットスーツを身に纏ったグランだ。敬礼をし、パイロット一人一人の顔を見やりながら、自身の機体であるM2の前に立つ。

「これより、我がオーブは迎 撃態勢に入る……私自身もMSで実戦に臨むのは初めてだ。恐らく、激しい戦闘が予想される……この中の何人かは、生きて帰ってこれんかもしれん……」

静かに語るグランに、微かに 身震いする年若いパイロット達……皆、これから始まる実戦への恐怖を隠し切れない。それも仕方がないだろう……中立国故に実戦など経験しようもなかったの だから……

「だが! 我々は退くわけに はいかない……オーブという国を護るため……そして、お前達が一人でも多く生き延びてくれることを願う!」

渇を入れるように力強く言い 切ったグランに、今一度パイロット達は一斉に敬礼し、グランも頷きながら敬礼を返す。

「各自、健闘を祈る! MS 隊、出撃せよ!!」

グランの指示に、パイロット 達は一斉に散らばり、機体へと乗り込んでいく。

グランもまた愛機であるM2 の1号機のコックピットに収まり、機体を起動させる。

M2の瞳に光が灯り、ハン ガーから立ち上がると、開いていく戦場への扉に向かって駆け出していく。

バックパックに巨大な剣を帯 刀し、シールドとビームライフルを構える……この機体は、P02のデータを基にセットアップされた近接用の機体だ。

M2が先陣を切るように出撃 し、それに続くようにM1部隊が発進していく。ノーマル装備のM1に続くのは、全身を鎧のように固めた重武装型M1:アーマードM1、そして巨大な2連装 のキャノンを構え、駆動部分をグリーンで塗装し、右脇に大型ガトリング砲を構えた砲撃型M1:ガンナーM1だ。

オノゴノ島各地に配備さ れ……静かに戦闘の始まりを待つ。

 

 

その刻は来た……針が09: 00を指した瞬間…パウエルのブリッジでアズラエルが陽気に叫んだ。

「時間です」

刹那……連動するように地球 軍艦艇から夥しい数の巡航ミサイルが発射され、開戦の火蓋が切って落とされた。

ミサイルに向かって、領海に 展開するオーブ艦隊が迎撃を開始し、空中に火花が咲き乱れる。

そのミサイルに続くように艦 隊から艦載機の戦闘機、F−7D:制式戦闘機が何十機と飛び立ってくる。

戦闘開始の報は、すぐさま ドックで待機していたアークエンジェルにも届けられた。

「オーブ軍、戦闘開始しまし た!」

パルに代わり、射撃管制に 入ったサイが叫ぶと、マリューはキッと前を見据えて決然と告げた。

「アークエンジェル、発進し ます!!」

エンジンが唸りを上げ、白亜 の艦がゆっくりと動き出す。

格納庫では、キラ、レイナ、 カムイ、ムウ、アルフの5人が各々の機体に乗り込み、出撃の時を待つ。

オノゴノに向かって放たれる ミサイルの嵐……自動砲台やリアアガンタンクがミサイルを撃ち落す。

配備されたM1、ガンナー M1が自国を脅かそうとするミサイルを撃ち落していく。

オーブ艦に加わったアークエ ンジェルもまたゴッドフリートの応酬でミサイルを撃ち落し、爆発の炎が咲き乱れる。

だが、それでも数にものをい わせる地球軍の全てのミサイルを撃ち落せず、弾幕を潜り抜けたミサイルがオノゴノに降り注ぎ、海岸線に展開していたリニアガンタンクを吹き飛ばし、沿岸部 の建造物を破壊していく。

だがそれでも、懸命に応戦す るM1部隊。

ミサイルの第一波が弱まった 時、オノゴノに向かって強襲揚陸艇がビームを放ちながら接近してくるのが見えた。

「二佐、アレを!!」

アサギが叫び、グランはその 眼を揚陸艇に向けると、そこには数体のM1とは違ったMSがビームライフルで向かってくるのが見えた。

「地球軍のMSか……っ!」  

舌打ちするグランらの前で、 特攻するように陸地に乗り上げた揚陸艦のハッチが開き、中から何体ものMSが姿を現わす。

地球軍の量産型MS、GAT −01:ストライクダガーだ……地球軍に唯一残ったXナンバーの名を冠する機体は、蹂躙するかのごとく陸地に足を踏み出す。

グランは歯噛みしながら、前 に出る。

「対MS戦用意! M1隊前 へ! アーマードM1隊は敵揚陸艦への攻撃とMS隊の牽制だ!! 連合のコピーなどに恐れるなっ!!」

自ら先陣を切り、バックパッ クから対艦刀:キリサメを抜き、ストライクダガーを両断する。それに続くように他のM1隊もビームサーベルを振り上げ、ストライクダガーを斬り裂き、ガン ナーM1が巨大な砲の照準を合わせ、火を噴く。

だが、ストライクダガー隊も ビームライフルを一斉射し、M1隊を葬っていく。

戦いは、混戦を極める。

 

MS隊の上陸はすぐさま軍司 令部にも届けられた。

「敵MS部隊、イザナギ海岸 に上陸!」

その報告にカガリは唇を噛 む。

大きく太字で描かれた赤い矢 印が、敵の勢いを表わす。

「くっ……第8機甲大隊を回 せ!!」

「オノゴノ上空に、大型機接 近!!」

指示を出してすぐに返ってき た報告に、カガリは息を呑んだ。

地図には、島に高速で向かっ てくる光点がいくつも輝く。

 

 

オノゴノ島を通過する大型輸 送機から、降下パラシュート装備のストライクダガーが何体も飛び出し、島に降り立つ。

迎撃施設を破壊し、ビームラ イフルを撃ちながら建造物を破壊し、それに対抗するようにM1隊が向かう。

その時、アークエンジェルに 待機していたパイロット達が出撃した。

「キラ=ヤマト、フリーダ ム! いきます!!」

「レイナ=クズハ、インフィ ニティ! 出撃する!!」

左右のカタパルトから白と黒 のボディを持ち、蒼い翼と真紅の翼を拡げるMSが飛び出していく。

それに続くように、ムウ、ア ルフ、カムイも出撃に入る。

《ストライク、インフィニー ト、ルシファー発進! どうぞ!》

ミリアリアからの誘導に従 い、IWSP装備のストライクのコックピットに座るムウはヘルメットのバイザーを下ろした。

「ムウ=ラ=フラガ、ストラ イク! 出るぞ!!」

ビームライフルとシールドを 構え、右肩にはムウのエンブレムである白い羽根がマーキングされたストライクが射出される。

隣のカタパルトでは、重装備 型のM2の2号機…アルフの新たな機体、アストレイ・インフィニートが全身を重火器に固めて待機する。

「アルフォンス=クオルド、 インフィニート! いくぜ!!」

かつての自身のメビウスと同 じ名称を与えられ、左肩に青い風を表わすエンブレムをつけ、ミサイルポッド、背腰部にはバズーカ、両手には2連装ビームガトリングガンを構えたインフィ ニートが射出されていく。

改修されたルシファーにオー バーハングパックが装備され、コックピットには黒いオーブ軍のパイロットスーツに身を包んだカムイが乗り込んでいる。

「カムイ=クロフォード、ル シファー! いきます!!」

射出され、船外へと飛び出す 3機は、それぞれ白、蒼、黒と色付く。

ストライクとルシファーは新 たな主を乗せ、インフィニートは主を得て戦場へと舞った。

 

 

 

その頃、パウエルの格納庫で は、それぞれパイロットスーツに着替えた6人がいた。

内、オルガ、クロト、シャニ の3人が研究員らしき人物から薬のアンプル剤を渡され、それを飲み干すと、容器を捨てて機体へと乗り込んでいく。

ウォルフ、アディン、イ リューシアの3人もまたパイロットスーツに着替え、自身にあてがわれた機体へと乗り込み、ヘルメットを被る。

機体を起動させ、駆動音を響 かせると、ブリッジのアズラエルから通信が入った。

《あー、君達?》

オルガ達は鬱陶しそうに顔を 上げ、ウォルフはフフンと鼻を鳴らし、アディンとイリューシアはとくに無反応だ。

しかし、アズラエルはそれに 動じず、言い聞かせるように言った。

《マスドライバーとモルゲン レーテは壊してはいけません……解かってますね?》

今回の作戦の目的はあくまで それだ……好き勝手壊されては困る。

「他はいくらやってもいいん だろ」

「ですね」

シャニとクロトがボソッと呟 く。

「うっせーよ、お前ら!」

端整な顔を歪め、オルガが吐 き捨てる。

「まあ気をつけよう……あと は敵だろうが、民間人だろうが関係ないな」

愉悦を感じさせる表情でウォ ルフは笑う。

「…………」

アディンは無反応のまま、通 信を切り、機体を起動させていく。

「………御心のままに」

イリューシアは厳格に頷き、 一礼する。

やがてハッチが開き………6 体のMSが姿を見せた。

 

GAT−X174:ゲイル

GAT−X131:カラミ ティ

GAT−X252:フォビ ドゥン

GAT−X370:レイダー

GAT−X414:ヴァニシ ング

GAT−333−02:レイ ダー制式仕様

 

海上へと飛び出した6機のう ち、ゲイルとフォビドゥンが海上を疾走するように走り、変形したレイダー、制式レイダー、レイダーの上に飛び乗るカラミティ、そして戦闘機のようなメカに 飛び乗るヴァニシング………

『暴竜』、『厄災』、『禁 断』、『強襲』、『消滅』の名を与えられた6体のMSが戦場へと向かって放たれた。

 

 

 

戦場は熾烈を極めていた。

ともに実戦に及ぶのは初の M1部隊とストライクダガー隊……性能面でいえば、M1の方が僅かに勝っているが、それでも数は圧倒的に違うのだ。

加えて、敵戦力はMSだけで ない……航空戦力の乏しいオーブ側は、地球軍の戦闘機部隊に苦戦を強いられていた。アーマードM1隊が全身に備わったミサイルポッドを解放し、全弾発射で 戦闘機を撃ち落し、友軍の援護に回る。陣形の崩れたストライクダガー隊にノーマルのM1隊が激突する。

その中でも、テストパイロッ トを務めていたアサギ、ジュリ、マユラの3人は奮戦を見せていた。

だがそれでも、物量の差が覆 せず、徐々に数を推した陣形に押され始め、M1が倒れ伏す。

その時、戦場にフリーダムが 舞い降り、空中を飛翔する影に、思わず敵味方の双方が動きを止める。

キラは、瞬時に数体のストラ イクダガーをロックオンすると、ビームライフル、ビーム砲、レールガンから閃光が放たれた。

混戦した戦場の中で、敵機だ けを正確に戦闘不能に追い込み、ストライクダガーが人形のようにその場に崩れる。だがそれでも、パイロットは一人も殺していない……その圧倒的な戦闘能力 に、ストライクダガーのパイロット達は恐怖し、動きが鈍る。その隙を衝いてフリーダムは空中からラケルタビームサーベルを抜き、地上に向かって急降下す る。

ビームの刃が煌き、ストライ クダガーの手脚を斬り裂く……次の瞬間には、またしても飛び上がり、海上で苦戦する艦隊の援護に向かう。

その眼にも止まらぬ早業に、 アサギ達は呆然となる。

「すっごい……」

何気にポツリと呟く……だ が、それによって一瞬無防備になり、残っていたストライクダガーが動き出そうとするが、それより早くビームがストライクダガー数機のコックピットを貫き、 爆破する。

僚機の爆発に気を取られる間 もなく、ストライクダガー二機が無数のマシンガンのようなビームの弾丸の嵐を受け、全身を穴だらけにしながら爆発する。

その場に降り立つストライク とインフィニート……MSを実戦で扱うのは初なのに、その動きの良さはひとえに経験ゆえだろう……

「おーお、カッコイイねえ。 どうせ俺らは、新米だけどね!」

フリーダムが飛び去った方角 を見やりながら、ムウが軽くぼやく。

「若葉マークはついてないっ すけどね……ボケッとするなよ、お嬢ちゃん達!!」

呆然となっていたアサギ達を 叱咤すると、ムウとアルフの注意は再度上陸してきた揚陸艦へと向かって駆け、アサギ達もそれに続いた。

 

 

別の場所では、グランのM2 を中心にビルの陰からビームの応酬が先程から続いている。

だが、ストライクダガーは数 を増し、火線を集中させて徐々に押し寄せてくる。

ビームを受け止めきれず、ま たもやM1が一機吹き飛ばされ、爆発する。

爆発に耐えながら、グランは 歯噛みする。

「ぐっ、怯むな!」

ガンナーM1がキャノンでス トライクダガーを吹き飛ばすも、それに反比例するように倍のストライクダガーが上陸してくる。

その時、前進するストライク ダガーの最前列の二機が撃ち抜かれ、爆発する。

「………っ!?」

あさっての方角からの援護射 撃にグランは戸惑いながら後方の空を見やる。

その瞬間、さらに強大なビー ムの閃光が降り注ぎ、ストライクダガー数体を蒸発させ、爆発に包む……刹那、空中から黒い天使が舞い降りる。

「アレは……インフィニ ティ!?」

グランらが驚く間もなく、イ ンフィニティは地上を飛行しながらストライクダガー隊に向かっていく……慌ててビームを放つが、それらを掻い潜り、左腕のデザイアを構える。

コックピットの前面モニター に、多数の敵がロックされた瞬間、トリガーを引く。

刹那、デザイアから幾条もの ビームが放たれ、ストライクダガーのコックピットを正確に貫き、前面に展開していた機影がほぼ一掃され、後方の部隊が浮き足立つ。

その混乱に乗じて接近するイ ンフィニティ……懐へと飛び込む、頭部と胸部のバルカン砲で数体を行動不能に追い込み、腰部からビームサーベル:インフェルノを抜き、大きく振り被ってス トライクダガー一体を縦に両断する……そのまま振り向き様に後ろにいたストライクダガーを横薙ぎで一閃し、爆発させる。

瞬く間に十以上のストライク ダガーが倒され、残っていた敵機はその鬼神のごとき戦闘能力に恐れをなし、背中を向けて逃げ出す。

M1部隊の間から歓声が上が るが、レイナはそのままインフィニティを飛び上がらせ、海上に向かう。

「二佐!」

暫し呆然となっていたグラン のもとに、カムイのルシファーが降り立つ。

「今のうちに体勢を! ここ は僕が抑えます!」

カムイは叫ぶと同時にルシ ファーを飛行させ、空中に展開する戦闘機部隊に向かっていく。

ビームライフルとビームキャ ノンの照準がセットされ、トリガーを引いた瞬間、戦闘機数機が爆発する。

旋廻し、ルシファーを墜とそ うと向かってくるが、カムイも素早い反応で操縦桿を切り、スラスターを駆使して攻撃をかわし、横を抜けていく戦闘機を撃ち落す。

そして、海上に出たインフィ ニティは海上の連合艦の動きに眼を走らせる……地球軍の目的は軍施設とモルゲンレーテがあるオノゴノとマスドライバー施設のカグヤ…恐らく、この二つには それ程派手な攻撃はしてこないと踏んだ。これを壊しては元も子もないはず…となると、自然目標は絞れる。

オノゴノの防衛網を突破し、 行政府本部があるヤラファスを目指すはず…どんな強固な防衛網だろうが、頭が潰れれば瓦解する。

そして、敵が主力をイザナギ 海岸にぶつけてきているが、そこは防衛網が最も強化された箇所……生半可には破れない。ならばどうするか……自分ならそれを囮に迂回路を取る。

圧倒的な物量を有する地球軍 ならこの戦術を用いてくるはずと踏んだレイナの考えは見事に的中した……イージス艦を伴って十数隻の揚陸艦が中央艦隊から離れ、迂回していく。

向かうは北西……防衛網が薄 い山側だ。

レイナはインフィニティを山 側へと向け、こちらに横腹を向けて航行する連合艦から数キロ離れた地点で静止すると、プラズマビームインパルス砲:オメガをセットする。

コックピットに射撃スコープ が降り、それを覗きながらレイナは照準を動かす……照準が連合艦にセットされると、トリガーを引いた。

高出力のビームが放たれ、小 型の連合艦の船体を貫き、撃沈させる。

それだけに留まらず、新たな 目標にセットするとトリガーを引き、連合艦をみるみる減らしていく。

レイナはキラとは違う……相 手を生かして戦うなどできない………そんな甘い考えを持つほどレイナはお人好しでもない。

アラスカ戦では敢えてキラと 同じ方法を取ったが、あの時だけだ……単に茶番を演じるザフトを相手にする気になれなかっただけ……だが、今の敵は明確な敵意を持って向かってくる以上、 手加減はしない……自分は、別に正義の味方でもない。

戦うということは、レイナに とっては相手を殺すこともあるということだ。

その意志を胸に、レイナは次 の目標を探してインフィニティを駆る。

 

 

応戦を続けるオーブ艦の一隻 が突如、爆発に包まれた。

海中からの攻撃を受けたの だ……水中に展開するフォビドゥンブルーとディープフォビドゥンの部隊……海中への迎撃戦力を持たないオーブに抗し切れない。

「次……いくよっ!」

ジェーンの指示が飛び、水中 を疾走するフォビドゥン部隊……

オーブ艦に混じってゴッドフ リートで地球軍艦艇を吹き飛ばすアークエンジェルだが、敵には戦闘機もいる。

MSと同じで小回りがきく艦 載機に取り付かれては不利なのだ。

「バリアント、てぇぇっ!」

バリアントから放たれたエネ ルギーが戦闘機を撃ち抜き、消滅させる。

その空域に突如として出現す る機影……カラミティを載せた怪鳥、レイダーだ。

「アレやるよ……白いの」

「あん?」

クロトが狙いをアークエン ジェルに定め、オルガが面倒くさそうに答えながら、照準をアークエンジェルに合わせる。

その時になって、アークエン ジェル側も未確認の機体の出現に気付いた。

「敵MS……いや、MA接 近!?」

トノムラの報告にマリューは 息を呑む。

唐突に出現した機体は、当然 ながらアークエンジェルのデータベースにも登録されていない新型機だった。

その時になって、キラもまた その二機に気付いた。

刹那、レイダーの上に乗るカ ラミティのコックピットでオルガが吼えた。

「うらぁぁぁぁっ!!」

背中にマウントされたキャノ ン:シュラークと胸部のスキュラが火を噴き、3つの火線がアークエンジェルに襲い掛かる。

「回避ぃぃぃぃぃ!!」

ノイマンが反射的に舵を切 り、アークエンジェルは船体を急激に傾けてビームをかわすが、それは後方に展開していたオーブ艦に着弾し、艦艇を一撃で撃沈させた。

「ちっ!」

「外れ…下手くそ!」

舌打ちするオルガを小馬鹿に し、レイダーは振り落とすようにカラミティを大地に降ろすと、再度アークエンジェルに向かって加速する。

「撃滅!!」

ディン以上の飛行速度を誇る その黒い怪鳥は空中で変形し、イーゲルシュテルンの中を掻い潜ってブリッジを潰そうとした瞬間、キラが横合いから割り込み、レイダーを蹴り飛ばした。

だが、危機を脱したのも束の 間、海面から別の機影が姿を現わす。

息を呑むキラの前で、海面か ら飛び出した機体、フォビドゥンはオーブ艦の甲板に飛び乗ると、持っていた鎌で艦橋をバターでも切るように悠々と斬り飛ばし、そのまま船体を両断し、あっ という間に艦を大破させた。

「くそっ!」

キラは歯噛みし、空中に飛び 去っていくフォビドゥンを追うが、海中に落とされたレイダーが浮上し、クロトは怒りにかられる。

「てめぇぇぇっ! 抹 殺!!!」

背後から破砕球:ミョルニル を飛ばすが、キラは背後から迫る攻撃に気付き、機体を傾けてかわし、フォビドゥン、レイダーの二機と戦闘に突入した。

 

 

沿岸部では、変わらずの激し い攻防が繰り広げられている。

海岸に横付けされた揚陸艦か らストライクダガーが次々と上陸する中、それとは別系統の機体が姿を見せた。

ストライクダガーよりも、よ り強固なボディを持つ機体が3機……一機は右腕に巨大なドリルのようなアームを装着し、左手には三本のクロー型アームを装着した機体。続けて降りてきたの は、エールストライカーを思わせる翼上のスラスターを装備した機体…最後に降りて来たのはカラミティと同じ二本のキャノン砲をマウントし、レールガンが内 蔵されたシールドに大砲を構えた重装備の機体。

装備こそ違うが、その形状は 同型を思わせる……ロード=ジブリールが開発したストライクダガーとは別系統で開発が進められていたストライクの名を冠するもう一つの量産型MS、GAT −X105B:ストライククラッシャーだ。

3機のストライククラッ シャーの右肩には、デルタが3つ絡み合ったエンブレムがマーキングされている。

トライ・スレイヤー隊のため にジブリールが譲渡した機体だ。

「さて……オーブのMSの力 とやら、見せてもらおうか」

フフンと自信を漂わせ、不適 な笑みを浮かべながら、カミュのストライククラッシャーが飛ぶ。

「さぁ! 俺を熱くさせろよ なぁぁぁっ!!」

吼えながら、ワイズの駆るス トライククラッシャーがドリルアームを振り上げ、疾走する。

「さて……愉しませてもらお うか!」

一瞬眼を閉じると……眼鏡の 奥に輝く瞳を鋭くさせたクルツが操縦桿を握り、砲戦型のストライククラッシャーが駆ける。

最後に、ひっそりと降りて来 たのは、白とピンクをイメージしたようなカラーリングを施されたロングダガーだ…コックピットには、ピンク色のパイロットスーツに身を固めたステラがゆっ くりと顔を上げる。

「敵……私の…敵………私を 殺すもの……殺す」

片言のように呟いていたが、 やがてその眼が生気を得たように鋭くなると、ステラはロングダガーを発進させた。

 

 

「ああもう、キリがないよ 〜〜!!」

愚痴をこぼしながら、アサギ 達はストライクダガーを相手にするが、倒しても倒しても一向に減ったように思えない。

その時、レーダーを見詰めて いたジュリが叫んだ。

「アサギ、マユラ! 気をつ けて! 何かがこっちに向かってくる!!」

「え!?」

反射的に身構える三人の前 に、彼方から向かってくる三つの機影が映った。

「な、何よ…アレ!!?」

「わ、わかんない……でも、 今迄の相手と違うよ!」

「連合の新型……?」

困惑する三人の前に現われた のは、トライ・スレイヤー隊のストライククラッシャーだ。

「ふふん……美しき散りたま え」

気取った表情で呟き、カミュ がトリガーを引くと、右手に構えていたロングライフルが火を噴き、展開していたM1を貫き、爆発させた。

「僕に倒されたことを光栄に 思うんだね」

見下した態度でカミュはスト ライククラッシャーを飛行させる。

「よくも……っ!」

アサギが応戦しようとビーム ライフルを構えた瞬間、マユラが叫んだ。

「アサギ! 前!!」

その声に反応し、アサギは無 意識に機体を後退させた……刹那、大きな爆発が襲い掛かり、M1隊は爆煙に包まれる。

今の攻撃をしたクルツは、フ ンと鼻を鳴らす……大火力で相手の陣形を崩し、その隙を衝いてワイズのストライククラッシャーが突撃していく。

「うおぉぉぉぉっ! 俺の拳 を受けやがれぇぇぇぇっ!!」

荒々しく吼えながら、右手の ドリルアームを振り被る。

その標的にされたジュリの M1……だが、突然の攻撃にジュリが反応できない。

「「ジュリ!!」」

アサギとマユラが叫ぶが…… ジュリは己の死を覚悟した瞬間………ワイズのストライククラッシャーは横からぶつかってきた何かに弾き飛ばされた。

「うおっ!!」

衝撃に驚きながら、大地を抉 るように吹き飛ばされる……ジュリのM1の前には、一体のM1が佇んでいる。

しかも、格闘に近い構えを 取って……バリー=ホーの駆るM1だ。

「野郎っ! いいぜっ! 俺 の相手にピッタリじゃねえか!!」

ワイズが愉しげに笑い、駆け 出していく。

左手のデルタクローを振り上 げ、振り下ろすが、バリーはそれを軽やかにかわし、片脚を軸にして半回転し、拳を繰り出す。

だが、その攻撃をストライク クラッシャーはよけようともせずまともに喰らうが……ダメージを受けたようには見えない。

訝しむバリーに対し、ワイズ は鼻を鳴らす……このストライククラッシャーには、TP装甲が施されているのだ……直接的な攻撃はあまり効果がない。

そのまま振り向き様にドリル を回転させながら振り上げるが、それをバックステップとスラスターを駆使してかわす。

「くっ……厄介だな! だが それでこそ、修行になる!」

さらに闘志を燃やし、バリー のM1が加速する。

その横では、カミュとクルツ のストライククラッシャーの火力を前に苦戦を強いられているM1部隊……ガンナーM1やアーマードM1隊も懸命に応戦するが、実体弾はあまり相手には効果 がない。

「こ、このままじゃヤバイ よ……」

不安げに表情を歪めるアサギ 達……その時、後方からビームの奔流が放たれ、カミュとクルツは咄嗟に身を捻る。

二機のストライククラッ シャーの間を過ぎる閃光……援軍かと振り向くと、そこには三つの機影があったが、MSではない。

現われたのは、動物のフォル ムを持った機体……一体は龍、鳥、獅子を思わせる形状を持つ兵器が疾走してくる。

「な、なんだアレは……美し くない」

カミュが呆れたように呟く。

龍、鳥、獅子の三機が装備し ている火器で攻撃し、M1隊から敵機を引き離し、そのままM1隊を護るように立ち塞がる。

「こ、これって……?」

呆然となっているアサギ達 に、通信が入った。

《大丈夫ですか、皆さ ん!?》

「シルフィ!」

マユラが弾んだ声を上げる。

《はい…GBMシリーズ…… 龍牙、鳳牙、獣牙!!》

シルフィが意志のこもった声 を上げる……通信関係を専門とするシルフィは、量子通信を生かしたオペレーション機能を持たせた自立型AIの開発に着手し、動物の不規則な動きや反射神 経、動体視力を生かした機動兵器の開発に乗り出し、そして試作されたのがこの三機……GBM:Guard Beast Moduleシ リーズ……

 

GBM−01:龍牙

GBM−02:鳳牙

GBM−03:獣牙

 

軍司令部に設置された特殊オ ペレーションシートからシルフィの意思と連動し、即座に戦場を広範囲で索敵し、高い戦闘能力で敵機を撃破する。

『いくよ……皆!!』

シルフィの意思に龍牙と鳳牙 は反応するが、獣牙だけ反応が鈍い。

内心で、シルフィは歯噛みす る……弐号機まではデータ育成で済んだのだが、参号機だけは直接動物の精神をコピーしたAIを搭載した。当然、不確定要素はかなり大きい。

『お願い……言うことを聞い て! 今は、貴方達の力が必要なの』

必死の思いで獣牙に意思を繋 げる……だが、獣牙は渋るように唸り声を上げるだけで動こうとしない。

その瞬間、獣牙を激しい爆発 が襲う。

動きがまったくない獣牙を脅 威と判断しなかったカミュとクルツが先に仕留めようと攻撃を集中させてきた。

「ふん! 見かけだおしか い?」

「消えろっ!!」

周囲を包む爆発に、獣牙は身 を縮こませるように耐えるのみだ。

M1隊は周囲のストライクダ ガー相手で動けない……その時、龍牙と鳳牙が庇うように獣牙の前に立ち、攻撃を受け止める。

「うん? はは、麗しい ねぇ!」

嘲笑を浮かべながら、カミュ はロングライフルを連射する。

龍牙と鳳牙が必死に耐える様 を見詰める獣牙は、戸惑うように視線を上げる。

『……お願い……あの子達 は、貴方を仲間だと思っているからこそ、貴方を庇っているの……私達の都合で貴方達を危険な目に合わせているということは解かっている……でもっ! 私は 護りたいものがある! だからお願いっ! 力を貸してっ!!』

涙ぐむようにシルフィが心の 中で叫んだ瞬間……獣牙の中枢に埋め込まれたAIが輝きを増し、それが周囲の配線を伝って全身に光を散りばめていく。

刹那、獣牙が瞳を輝かせ、鋭 い咆哮を上げた。

天を裂くような咆哮……それ に、カミュとクルツが僅かに気圧された瞬間、獣牙が大地を蹴って跳躍した。

「何!!?」

飛び出してきた獣牙に向かっ てロングライフルを放つが、獣牙は空中で脚部のバーニア機構を使い、エアウォークでロングライフルをかわし、その鋭い口を開くと、そこからビームの牙が飛 び出し、襲い掛かる。

「うおっ!」

間一髪でかわすが、ビームの 牙がロングライフルを斬り裂いた。

「カミュ!!」

クルツが援護に入るが、獣牙 は人間以上の反射で攻撃をかわす……クルツが慌ててその後を追おうとするが、敵は獣牙だけではないことを忘れていた。

体勢を立て直した龍牙と鳳牙 が空中に舞い、ビーム攻撃を浴びせてくる。

その動きをネットワークシス テムを通して見詰めるシルフィは、笑みを浮かべる。

『いくよ……皆!!』

MSに乗れない自分が、戦場 で戦える手段を探していたシルフィ自身が提唱し、そして心血を注いだGBMはシルフィにとっては我が子に近い……三機と意思を通わせ、シルフィは反撃の咆 哮を上げた。

 


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