時乃湯では、いつまでも戻らない和人にリカや真田さんは困っていた。

「もうお兄ちゃんったら…… いったいなにやってんのかしら……」

あの…あの兄が銭湯の営業開 始までに戻ってこないことなど絶対にあり得ない。

そう断言できるほど銭湯経営 に情熱を燃やしている兄がまだ戻っていない。

これほど異常な事態は他にな かった。

「迎えに出た姫様もですよ!  ああ! やはり私もお供に付いていれば………! 姫様の身に何かがあったら……!」

さらに、その和人を迎えに出 たわるきゅーれもまだ戻っていない。

真田さんは頭を抱えながら、 大仰に混乱する。

その様子に呆れながら、リカ は肩を落とす。

「どうせわるQがどっかで寄 り道でもしてるんでしょ……先に店開けちゃおう」

のれんを出そうと店先へと出 ようとしたリカだったが、突如襖を開けてコーラスが姿を見せた。

「あ、あんた……今度は 何?」

昨晩の妙な言葉を思い出し、 リカがまた妙な電波でも拾ったかと思ったが、そんな事は構わずにコーラスは呟く。

「……待っていた……貴方 を…でも………貴方は私じゃない………」

「……は?」

また突拍子もない言葉にリカ が眼を点にする。

「………私は………貴方 を……」

途切れ途切れの口調で語る コーラスに、リカと真田さんは顔を見合わせて首を傾げた。

 

 

 

 

突如、闇の異空間に取り込ま れたわるきゅーれとゴースト……

二人の前に姿を現わす黒髪を 靡かせる女性……微かに歪む口端……侮るような視線に慄然となる。

「何者なの……貴方…?」

低い口調で問うゴースト…… 眼前の女性は、ヴァルハラ皇女と似通った特徴を持っている……

だが、ヴァルハラの皇女とは 違う………女性は、無言のまま……右手に光を収束させる。

刹那……女性の手から光が放 たれる。

ゴーストは身を翻し、その攻 撃をかわすも……闇に当たった光は反射し…そのままゴーストに襲い掛かった。

「うあぁぁぁぁっ!」

「きゃぁぁぁぁっ!!」

電流が流れるような衝撃に呻 き、ゴーストとわるきゅーれはその場に落とされた。

 

 

 

 

 

円盤皇女ワるきゅーレ  

第3部  次元を超えた契り

第弐話  消えゆく記憶

 

 

 

 

 

「うぅぅぅ……」

微かに呻きながら立ち上がる ゴースト……変身し、戦闘状態になったためになんとか軽傷で済んだが………

傷を押さえて立ち上がり…… キッと黒髪の少女を睨む。

「問答無用ってわけね……」

ゴーストは右手に粒子を収束 させ……それが形を成し、ブレードを形成する。

構えるとともに……相手も口 元を微かに緩めて…刹那……女性の右手にも粒子が収束し……ブレードが出現する。

互いに牽制するように構え る……対峙しあい………次の瞬間、互いに駆けた。

「はぁぁぁぁっ!」

気迫とともに繰り出される 刃……だが、ゴーストの一撃を相手は的確に受け止め……そのまま弾き返す。

「ぐっ……!」

歯噛みし……そのまま一旦距 離を取る。

顔を上げ…眼を向けた瞬 間……相手の姿は無く………ハッと気づいた瞬間、ゴーストは背中から衝撃を受け、弾き飛ばされた。

「うっ……くぅ」

痛みを堪え……振り向きざま に左手に収束させた粒子を放つ。

矢の嵐のごとく真っ直ぐに向 かう……相手はそれをブレードで受け止める……その隙を衝き、ゴーストは今一度真っ直ぐに向かう。

そのまま加速し……矢のごと き速さで突く。

相手もその攻撃にはやや眼を 瞬き……反射的に顔を逸らす。

逸らし、空いた空間を過ぎる ブレード……微かに……女性の頬を掠め……紅の一線が走る。

僅かに呆然となり……それを 逃すほどゴーストは甘くなかった。

突き刺したブレードをそのま ま振り下ろす。

ブレードは相手に当たり、衝 撃が相手の身体を駆け巡った。

その衝撃に相手の女性も苦痛 に表情が歪む。

そのまま距離を取る……多少 はダメージを与えたようだが、相手は耐えたようだ。

構えるゴーストに向かい…… 女性は唐突に…ブレードを消した……それに訝しげに眼を瞬く。

観念したのか…と一瞬考えた が………次の瞬間、女性は呪文のようなものを詠唱し始めた。

左手の指を立て、口元に当て て小さく詠唱を続ける……それに呼応するように女性の周囲を光の粒子が覆い……女性の持つ黒髪が舞い上がる。

(この力は……私達と同 じ………!)

その光景に今確信した……こ れは、紛れもなくヴァルハラ皇女の持つ波動………だが、現在のヴァルハラの皇女は8人のみ……そして…考えられるのは……自分と同じ…ヴァルハラ皇女の影 という存在……だが………

「そんなはずは……」

そう……そんなはずはな い………なら……この眼前の女性はいったい………困惑するゴーストの前で……そして、先程から気絶していたわるきゅーれも眼を覚まし…その光景に驚く。

詠唱を唱え終え……眼を見開 いた瞬間、粒子達が一斉に女性の右手に収束し………それが形を成す。

手のなかに収まるそれを振り 上げ、粒子が周囲に拡散する。

回転させながら両手に構えた のは………銀と蒼に輝く槍…………

槍の穂先には、小さな結晶体 が埋め込まれていた。

その槍を見た瞬間……ゴース トは今度こそその場に呆然と立ち尽くす………

(ア、アレは……)

その逡巡が隙を呼び……相手 はそれを逃すことなく………槍を振り被った。

「……刻の刃よ……その力… 我が前に示せ…………」

初めて女性が口を開いた…… 振り被られた槍の穂先に光が収束し、それを振り払った瞬間……光の一閃が解き放たれる。

その光景にハッと我に返った ゴーストだったが……防御が間に合わず…直撃を受け、弾き飛ばされる。

そのまま地に叩き付けら れ……変身が解ける。

「うっ…うぅぅぅ」

痛みに呻くゴーストに向か い……再度槍を振り被る。

「ダメええぇぇぇぇぇ!!」

刹那、わるきゅーれは走り出 す……だが、それも虚しく解き放たれる光の一閃………

光が割り込んだわるきゅーれ に当たると思えた……そこへ、突如光が満ちる。

周囲を覆う闇すら照らし出す ほどの光……女性は思わず腕で顔を覆う。

光のなかで……わるきゅーれ は変身する………手足が伸び…少女から女性へと……その身に白い羽衣が覆われ……右手には赤き剣を模した刻の鍵が握られる。

眼を開き、そのまま刻の鍵を 振り被りながら、姿を現わすヴァルハラの白き皇女:ワルキューレ………

 

神々しさを携え、その場に佇 むワルキューレ……その姿に、女性の口端が微かに噛まれた。

「貴方はいったい…何者なの です……? 何故、私達を襲うのです………」

厳しい視線を送り、刻の鍵を 突き付ける。

だが、それに対し女性は鼻を 鳴らし…一瞥するだけだ。

問答無用とばかりに女性は槍 を振り被る……今一度、槍の穂先に粒子が収束し、それを解き放つ。

「光の粒子達よ……ここに集 いて盾となれ!」

それに対抗するようにワル キューレも刻の鍵を振り被り、先端に粒子が収束してクリスタルガラスのような壁が現われる。

それに光が突き刺さる……そ の勢いにワルキューレは推される。

「うっ、うぅぅ!」

歯噛みし…なんとか耐えよう とするが………相手の女性はさらに力を込めて光を増加させた。

勢いを増した光の渦が壁を突 き破り…それはワルキューレに襲い掛かり、弾き飛ばした。

「きゃぁぁぁぁっ」

悲鳴を上げ、ワルキューレは 叩き落される。

呻き、ヨロヨロと立ち上がろ うとするワルキューレに向かい、女性は侮蔑の眼を向ける。

「………この程度なの」

心の底に響くような冷たい声 に、ワルキューレはビクっと身を震わせ…顔を上げる。

その……憎悪を漂わせてこち らを見る女性にワルキューレは言い知れぬ恐怖を憶える。

「貴方みたいな人……あの人 には相応しくない…………」

小さく囁き……ワルキューレ にはよく聞き取れない………女性はそのまま身を翻すと、闇のなかに消えていく。

「ま、待って! 貴方はいっ たい……何故、私を………」

何故自分を……そんな眼で見 るのか………その問い掛けに……女性は足を止め…背中を向けたまま、首を振り向かせる。

「……貴方は…私から大切な ものを奪った…………」

言葉の意味が解からず、困惑 する……そして…女性は最後に呟く。

「…私は………アー リィ…………あの人を愛する者…………」

その言葉を最後に……アー リィと名乗った女性は闇に溶け込むように消えていく………

刹那、闇が薄れ……周囲は見 慣れた街並みが映る。

だが、ワルキューレは言い知 れぬ悪寒と…恐怖に……その場に立ち尽くした…………

 

 

 

場所を変えて……羽衣高 校………屋上では、和人とイーファが抱き合っていた…いや、和人がイーファに身体を預けていた。

意識を失っているようで、眼 を閉じ…寄り掛かるようにイーファにもたれている。

「………セイ…」

イーファが和人の耳元に呟こ うとした瞬間……うわ言にも似た和人の囁きが聞こえた。

………ワル…キューレ………

その囁きは、イーファに計り 知れぬ衝撃を与えた………そんな和人を抱き締めながら……イーファはギュッと口元を噛んだ。

「絶対に……絶対に…貴方は 取り戻す…………」

自身に誓うように呟くと、今 一度和人を抱き締めようとするが、屋上のドアがバタンと開き、イーファは微かに眼を瞬いた。

「な…な、なにやってんの よぉぉぉあんた達はぁぁぁぁぁ!」

屋上に現われた秋菜の眼に は、抱き合う和人とイーファの姿が入り……声を荒げる。

そんな秋菜に対し、イーファ は小さく舌打ちすると……表情を消し…にこやかに話し掛けた。

「七村さん……でしたよ ね?」

「そ、そうよ! あんた、 いったい何を……?」

名前を呼ばれ、予想外だった のか言葉に詰まるが、イーファは笑顔で呟く。

「いえ……和人さんが、気分 が悪くて倒れてしまったので………」

「え?」

刹那、秋菜は二人に駆け寄 り、和人に向かって呼び掛ける。

「ちょっと和人、しっかりし なさいよ」

肩を揺するも、反応が返って こない……そんな秋菜にイーファは和人を手渡す。

戸惑う秋菜に向かい、イー ファは頭を下げる。

「では、あとはお任せしま す………」

「あ、うん……」

毒気を抜かれたように唖然となる秋菜に向かって一礼すると……身を翻す。

………また…そして…今度こそ

小さな囁きにも似た言葉…… だが、秋菜の耳にもはっきりと聞こえなかった。振り向いたが、既にイーファの姿はない。

頭を捻る秋菜は、肩を貸して 眠る和人の顔を覗き込む。

屋上に上がった瞬間にあの衝 撃的な光景を見ただけに思わず目的が逸れたが……秋菜は屋上から感じる気配を察知して来たのだ。

だが、そこにはなにもな く……意識を失う和人とあの不思議な転校生…………

「和人……なにか、隠し事し てんじゃないでしょうね………」

不安げな瞳で和人を見やりな がら、取り敢えずもう校舎が閉まる時間帯であることに気づき、秋菜は仕方なく和人に肩を貸したまま、学校を後にし……時之湯へと歩みを進めた。

そして……そこでまた新たな 問題にぶつかる。

 

 

 

時乃湯は営業を臨時休止し、 リビングには和人を除いた一同が顔を見合わせ、難しい表情を浮かべている。

「ワルキューレとゴーストを 襲った謎の相手……か」

「なぁんか、にわかには信じ られねえよな……おめえら二人が負けたなんて……」

話を聞かされた秋菜は考え込 み、ハイドラは半信半疑に肩を竦める。

だが、実際その通りだろ う……ワルキューレとゴーストの二人が揃って敗北を喫したのだ。

悔しいが、二人の実力はハイ ドラがよく知っている……その二人が相手にならなかったのは、いったいどんな化物じみた奴なのかと………

「で、襲ってきたのはどうい う人だったの?」

ゴーストの腕に包帯を巻き、 リカが問い返す。

その横では、真田さんがわる きゅーれの傷の手当てを行っていた。

「ひぃぃん……染みる よぉぉぉ」

傷に消毒液を触れさせると、 わるきゅーれが涙眼で抗議する。

「姫様、辛抱ください……」

はらはらした面持ちで治療を 行う……ワルキューレがゴーストに肩を貸して時乃湯に戻ってきた時は流石に全員驚愕に絶句した。

辿り着くと同時にエネルギー を使い果たしたワルキューレはわるきゅーれへと戻り……そのまま臨時休業の札をかけたと同時に秋菜が和人を連れて戻ったのだ。

「………よく、解からない わ」

憮然とした面持ちで告げる ゴースト。

「でも、これだけは解か る……相手は、ヴァルハラ皇家に関係ある者…そして、予想を超える力の持ち主だということも」

その言葉に、全員が驚愕に眼 を見張る。

「なんだって!? ヴァルハ ラ皇家に……!」

身を乗り出すような勢いで問 い返す……仮にもハイドラもヴァルハラ皇女……王家の名を出されては平然としてられないだろう。

「でも、ヴァルハラ皇家の関 係者って………皇女じゃないんでしょ…」

リカが腑に落ちず呟く。

少なくとも、ヴァルハラ8人 の皇女なら、既に顔が全員知れている……だが、皇女は全部で8人………それ以外で、ワルキューレやゴーストを相手にするというのは予想がしにくい。

その点はゴースト自身も同感 なのか、押し黙る……ただの皇家の関係者なら、少なくともそうそう引けは取らない。だが、それが皇女となれば話は別だが………しかし、ゴーストの知る限り において、あのような黒髪の皇女は見た記憶がない。

まだヴァルハラ星に十二の月 があった頃から遺した刻の鍵を通して見ていた皇家……その長い歴史のなかでもあんな皇女は見たことがない。

そして……あの皇女が持って いた槍……アレは間違いなく………刻の鍵と同じ力を持つもの………

「それに、和人の方もなんか 様子が変だったし……なにか関係があるのかしら………」

そう……家に戻って既にかな り経つが、和人が一向に眼を覚ます気配がない。

「昨日からなにか様子が変 だったけど……ねぇ秋菜ちゃん、なにかここ最近変わったこととかなかった?」

和人と始終いる訳ではない が、こと学校に関しては秋菜が一番、和人といる時間が多い……そう問われ、秋菜は考え込む。

ここ最近変わった出来事と いっても、別にこれといったものはない。

「あ、そう言えば……今日、 私達のクラスに転校生が来たわ」

逡巡していたが、なにかに思 考が当たったように、顔を上げた。

「転校生?」

「うん……黒髪に蒼い瞳の子 でね……これがなにか和人に対してべったりな子でね」

「はぁ?」

口調がなにか荒れたものに変 わり、愚痴るような口調にリカ達は眼をパチクリさせる。

「まったく、和人もちょっと 可愛いからってデレデレしちゃって……」

なおも憤慨する秋菜を宥める ようにリカが声を掛ける。

「いや、秋菜ちゃん落ち着い て……それで、その転校生の子がどうかしたの?」

いつまで経っても話が進展し ないとリカが先を促す。

「うん……はっきりとは解か らないんだけど…なにか、異様な気配を感じたの………」

「単なる嫉妬じゃねえか…… ほげっ」

またもや余計な一言を漏らし たハイドラの脇腹に肘打ちを打ち込み、鳩尾に入ったのか、ハイドラは蹲っている。

「それに、和人が意識を失う 前にその子と一緒にいたの………」

考え込む一同……どうも今の 状況では情報が少なすぎる。

「とにかく、考えてても埒が あかないから、お兄ちゃんが眼を覚ますまでは待ちましょう」

リカのその提案に皆が頷き返す。

 

 

 

その頃……自室の布団で眠る 和人………

静かに意識を闇のなかへと堕 とす和人に……声が響く…………

 

 

―――――来て……

―――――私を……独りにしないで…………

 

 

(………誰? 君は 誰………?)

もう何度反芻したか解からな くなるように和人は闇に問い返す……だが、答えは返ってこない………

記憶が燻る……切ない…胸を 刺すような傷み…………

 

 

―――――待っている……ずっとずっと…………

――――――貴方だけを………

 

 

意識の奥底で……和人の前に 現われる人影………手を拡げ、和人を抱き締める………

 

 

―――――私は……貴方の……

 

その言葉が囁かれた瞬間…… 和人の脳裏になにかがフラッシュバックする………

記憶が……なにもかもが曖昧 になっていく…………

『僕は………僕は……』

自分はいったい誰だったの か………和人の内の記憶が消え……全てが闇へと溶け込んでいく…………

『………君と……ともに…… 君の…ために………どこまでも………』

片言のように呟いた瞬間…… 和人はゆっくりと眼を覚ました。

だが、その眼はどこか虚ろで あった………そのまま、無意識に窓を見やる…………

蒼白い輝きを放つ月………そ の月を捉えた瞬間、和人の瞳に影が映る………

 

―――――月を背後に浮かぶ 人影…………

 

和人の瞳がその影を凝視す る……影の口が、ゆっくりと動く…………

それに誘われるように……… 和人はゆっくりと立ち上がり……そのままの足取りで窓に向かっていく………

そして………和人の姿は霞む ように消えていった……………

 

 

 

 

同時刻………秋菜、ゴースト は脳裏に電流が流れたような感覚を感じ、ハッと顔を上げた。

「ど、どうしたの?」

リカが眼を丸くして問うが、 二人は答えず……突如、わるきゅーれが駆け出した。

「和人ぉ!」

泣きそうな表情で叫び、襖を 開けて飛び出していく。

「ひ、姫様!」

「な、なになに!? どうし たのよ!?」

先程から事態についていけな いリカが声を荒げるが、それより早く秋菜とゴーストもわるきゅーれの後を追って居間を飛び出していく。

「お、おい!? 秋菜!  いったい全体何なんだよ?」

その後を追うように走るハイ ドラに向かい、秋菜は無言のまま…ゴーストを見やる。

「あんたもわるQも感じたの ね……」

「ええ……」

二人だけで納得されてもさっ ぱり解からない……混乱するハイドラに向かって、秋菜はどこか低い声で呟いた。

「和人の気が……途切れそう に……弱い……っ」

苦悶を感じ取らせるように唇 を噛む……一同はそのまま和人の部屋へと辿り着くと、わるきゅーれはその勢いのまま、襖を開けた。

「和人!」

切羽詰った表情で飛び込んだ 部屋には……和人の姿はなかった………

ただ、主のいない布団と…… 開かれた窓から吹く風にカーテンが微かに揺れているだけ………

その光景に……一同は呆然と なる……………

 

 

ただ……窓から差し込む蒼の 月光が……部屋を蒼白く照らしていた……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――To Be Continued



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