(さあ、準備は 整った・・・・・・)

そして彼は思う、暗闇の中で・・・。そして彼 は歩いている、真っ暗な部屋の中で・・・・・・。

(後悔?・・・してないよ、そんなこ と・・・・・・)

いつの間に彼は口元に笑みさえ浮かべている。

(だって解っているんだから、人間なんてこん なものだって・・・・・・だから僕はここまで来ることが出来たしこんなところまでたどり着いた・・・・・・)

そして・・・彼は染まってしまう。一寸先も見 えない・・・漆黒の夜の導に・・・・・・。

(さあ、僕と共に歩いてくれ!さあ、僕の手足 となってくれ!)

彼は叫んだ。口から出た声ではない、心の絶叫 だった。

(そして今度こそ彼女を・・・宮間夕菜を手に 入れろ!賢人会議!)

そしてその通りに人々は動いていく。彼の言う ことには何の疑いも持っていない。

(待っていてくれ・・・僕は必ず君 を・・・・・・取り戻して見せる・・・そして帰るんだ、あの時に)

 

 

 

動き始めた・・・彼とその下僕たちである賢人 会議・・・・・・。それはまるでこの世界が全て彼を中心に動いているかのようであった。もう止められない、誰にも・・・・・・そんなことを暗示しているよ うにも思えた。


しかし・・・・・・・・・・

 

果たして本当にそうなのだろうか・・・。

確かにこのまま何も変わらなければ、人々が気 付かなければ、その通り・・・世界は闇に変わるだろう。

だが忘れてはならない。いや、忘れるものもい るだろう。しかし必ず思い出さなければならない。

この世には・・・どんなときでも希望を捨て ず、そしてどんな困難にも立ち向かっていくことの出来る、命の限りに燃えた、真の勇者たちがいたことを。

そして今、ついに、彼らの『勇気ある心』を受 け継ぐもう一人の勇者王が誕生する!

 

      まぶらほ〜獅子の名を継ぐもの〜

 

これは、われらが勇者王の知られざるもう一つ のエピソードである! 




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