「WIZ−03の修復は、後約五時間と見られます」
「なるほど………」
紅尉晴明が会話しているのは、ネルフの作戦部長である葛城ミサトだった。
あの後現場に到着した強襲揚陸補給船が収容したガオファイガーと、ネルフ本部に収容され、未だに修理中のエヴァンゲリオン初号機。
両組織は手痛いダメージを受け、おまけに使徒とゾンダーが同じ区域に出現している。
秘密やら何やらとかは関係無しに、今はともに力を合わせよう。というGGG長官、式森雷王の発案によって、二人は今会談中なのである。
「使徒と、ゾンダー。彼等に仲間意識はなく、それぞれが単独で、独自の意思と目的を持って行動しています」
「なるほど。つまり、こっちも二手に分けての各個撃破が妥当なわけだ」
「そうです。で、先ほど話した作戦内容ですが……」
「解ってるよ。君たちが使徒を倒す『準備』をしている最中、ゾンダーに邪魔されないように、こちらで対処すればいいのだろう」
「そうです。幸いこの作戦はエヴァ二体があれば事は足ります。弐号機をそちらに参加させますから、いくらかは助けになると思います」
「わかった。約束道理、『ライフル』の手配はこちらに任せてもらおうか」
「ありがとうございます。ネルフは、旋風寺コンツェルンとは余り親しくありませんから」
本当に大丈夫なのか紅尉は少し疑問に思った。
初号機の破損状態はひどい物だったからだ。
胸部第三装甲盤までが見事に融解していた。見る限りあと5秒も敵の加粒子砲が照射されていたら、パイロットの命は無かっただろう。
「パイロットの方は大丈夫なのかい?」
「ええ。命に別状はありません。意識が戻れば、戦えます」
彼女は笑顔で取り繕ってはいたが、それが演技だというのは紅尉はわかってしまった。
こういう人の感情に関して、紅尉は人一倍敏感だからだ。
それに、紅尉が言っているのは、肉体面と精神面でのことだ。
肉体面では問題ないとしても、精神面ではどうなのだろうか?
エヴァは、ガオファイガーと同様痛みすらトレースしてしまうシステムだ。敵の加粒子砲の感覚がまだ残っているかもしれない。果たしてそんな状況で戦いたい
と思うのだろうか。死に掛けの体験をして、それでも尚戦う意思はあるのだろうか。
しかし紅尉は黙っていた。
こちらとしても他人をどうこう言えるような状況ではない。
ガオファイガーは破損状況こそ、初号機より軽いが、それが逆に和樹にとってはマイナスだった。
敵の触手のエネルギーは、完全に収束させない分、余計に痛覚に影響が出てしまったのだ。あれなら意識が飛ぶ方がよっぽどマシである。
ある意味シンジよりも精神的ダメージは大きいかもしれない。
「ところで………」
「なんだね?」
和樹に関することを聞くのだと思いきや、ミサトの質問はそれではなかった。
「そちらの長官は? こちらにいらしていると聞いたのですが………」
それを聞いた周りのネルフ職員の顔つきが変った。顔を慌てて逸らすものもいる。
モニターに割り込んであれだけの騒動を引き起こしたのだ。その張本人がネルフの本部にいると解ったら、気にしないほうがおかしいだろう。
ミサト本人も顔が僅かだが引きつっていた。
しかし、紅尉は笑って返した。
「こちらに収容された、機動部隊隊長の様子を見ている最中だよ。そちらと違って、彼は少々親バカでね」
第三十六話 破滅を呼ぶ両腕(後編)
「う………うん……」
真っ白な病室の中で、和樹はゆっくりと目を覚ました。
眼を開けると、そこにあるのは知らない天井。
「ここは………」
まだ意識がはっきりしない、ぼんやりとしている。
「起きたか」
不意に、横から声が掛かった。
ふとそっちを見ると、天井とは別のよく見慣れた顔があった。
「父さん………」
「ああ、そうだよ。お前のお父さんですよ。俺がマライヤ=キャリーに見えるか?」
見えるわけ無い。こんな冗談を飛ばすのは自分の知る限り一人だけだ。
今傍にいるのは、紛れもなく自分の父親だ。
「僕は……負けた、の…………」
和樹の声は低く、弱々しかった。
だがそんな様子を見ても、雷王達はいつもの調子で答える。
「ああ。ま、敵も結構痛手を負ったことだしな。痛み分けだ」
「うん………」
いままで父の言葉は、自然と元気を出してきたが今度ばかりは出そうもない。
(敵を、倒せなかった………)
エヴォリュダーとして覚醒し、ガオファイガーのパイロットに選ばれて、やっと隊長としての役目を果たせそうだと思っていたその矢先に。
これまでの自信が、砕かれてしまった。
いくら痛み分けだといっても、ガオファイガーの身体に風穴が開いたことは事実なのだ。
和樹にしてみれば、負けも同然だった。
「何で、ガオファイガーが………突然…」
後もう少しで勝利できたのだ。それなのに、なぜヘル・アンド・ヘヴンが止まってしまったのか。
「ああ、それな。ありゃあ、別にお前は悪くない」
「え?」
「まあ、悪いっちゃあ、悪いが……100%お前のせいって訳でもない」
「どういうこと?」
ガオファイガーが動かなくなった理由、それは海上で迎撃した使徒だった。
弐号機が敵の口を押し広げる手助けをさせるために、和樹はファントムガオーを遠隔操作して使徒にぶつけた。
弐号機がATフィールドを中和したおかげで、物理的接触が可能だったのである。
だが、その後が問題だった。
使徒の爆発の衝撃はあの後すぐに離脱したファントムガオーに対してもダメージを与えていたのだ。
本来なら爆発の衝撃圏外まで離れることぐらい造作もない事だが、あくまでファントムガオーは戦術支援『戦闘機』だ。使徒にぶつけるために一度海中に沈んだ
ファントムガオーは、浮上する際のスピードが遅くなり、爆発の影響をモロに受けたのだった。
「多分その時に回路の一部がバグを起こしたんだろ。精密機械は、どっか少しでも壊れると、動かない時が在るからな」
整備事態はしたものの、主任である高之橋もその時は不在だったため、やむなく応急処置で済ませたのだ。
念入りに検査せずに、恐らく大丈夫だろうと、たかをくくったのが、原因とも言えた。
「そっか………」
和樹はまた気が重くなった。
雷王は悪くないとは言ったが、結局は自分でまいた種なのだ。
自分が変な作戦を考えて、おまけに誰に相談する事無く勝手にやってしまった。
それが今回の敗因だと和樹は考えていた。
「ああ、ガオファイガーは、もうすぐ準備完了だ。両輔も到着したからな。今度は途中で止まりはしねえから、安心しろ」
「………」
和樹は口を噤んだまま、何も喋らない。
「ドウシタヨ和樹?」
「もしかして、怖くなったか?」
違う。
怖くないと言えば嘘になる。
あんな体験は二度としたくない。
だけど乗れる人間は僕しかいないのだ。戦うしかない。
もっと別の、違うことだった。
「まあ、乗りたくないならそれで良いさ。俺達が強制したことだからな」
(だから、違うんだ………)
「何で……」
「ん?」
「何で責めないの………」
憤りから来る惨めさと自己嫌悪の怒りが、和樹の体を震わせる。
雷王は気付いているのかいないのか、変らない口調で答えた。
「お前、イキナリ何言ってんだ? どうしてお前を責めなきゃいけないんだよ」
「だってそうだ
ろ!」
和樹は自然と起き上がっていた。身体の節々がズキズキと痛んだが気にしない。体中を駆け巡る怒りと血液が、それを忘れさせていた。
「僕は負けたんだよ! それも、僕のせいで! もうちょっとで勝てたのに、僕の……僕のやったバカな作戦の所為で……」
「…………」
「夕菜にも、玖里子さんにも、凜ちゃんにも……みんなに迷惑かけて………それなのに…………何で、何で!?」
和樹は怒っていた。いや、憎んでさえいた。不甲斐ない自分が余りにも情けなくて、それが許せなかった。
「本当の父さんだったら………前の隊長だったら、こんな失敗しないでしょ! ……父さんも、紅尉先生も、博士だって華さんだって、皆そう思ってるんだ
ろ!!」
信じられないほどの大声、普段の彼からは想像出来ない位の怒声が、部屋中に響いた。
和樹は下に向けてはいたが、顔を紅潮させ、呼吸を荒げていた。肩も震えている。
だがそんな和樹を見ても、雷王は動じない。
ただ真顔で、和樹を見つめている。
どれだけの時間が過ぎただろう。
一分も立ってはいないだろうが、それでも無限と思えるほどに、和樹には思えた。
そして、不意に雷王が口を開いた。
それは折しも、和樹がふと前を見上げた時と重なる。
「………言いたい事はそれだけか?」
その語調に、和樹は恐怖を覚えた。
雷王は眼を閉じて、腕を組んでいる。
これが何を意味するか、和樹は知っていた。
雷王が怒っている。
声を荒げたり、顔を紅潮させたり、怒鳴ったりは絶対にしない。しかしどんな強者をも震わせるオーラが、今の彼にはあった。
「と、父さ……」
「ガキみたいに、くだらねえ事をゴチャゴチャ抜かしやがって……」
深く、小さく、しかし決して優しくないその声を聞いて、和樹の肩がビクリと跳ね上がる。
先ほどまでの怒りによる物とはまったく違う。これは正真正銘、父親の怒りに対する子供が感じる恐怖そのものだった。
(こ、怖い………)
言葉が出ない。
出たとしても、先ほどの様な蚊が鳴いたような声だ。そんな物は今の雷王には通用なんかする訳がない。
学生時代の雷王は筋金入りの不良だったと、誰かが言っていた。どんな奴でも、喧嘩を吹っかければ全て敵。泣こうが喚こうが全てを踏み潰す。そういう奴だっ
たらしい。周りは当時の彼を、恐怖と尊敬の念から『魔王』と呼んでいた。
大人になって沈静化はしたが、それでも一度怒れば、その鬼のごとき強さが蘇ると言う。
サイボーグでもなく、頭も大して良くない雷王が、17年前のGGGの隊員に選ばれたのはそういった理由があったからだ。
雷王の手がすっと動いた。
和樹は身構えようとしたが、体が動かない。まるで金縛りにでもあったかのようだった。
しかもただの金縛りではなく、頭の思考すら麻痺してしまいそうだった。
エヴォリュダーとしての能力を使えば対処できるかもしれない。しかし、今発動できる状態ではないし、使えたとしても『絶対』に防げない。それが、何故か和
樹は解ってしまった。
殴られることを覚悟で目をつぶった。
そして………
グニャア………
「………ふぇ?」
和樹の頬が、引っ張られていた。
にんまりと口をほころばせた雷王によって。
「クックックック………」
雷王は必死に笑いをかみ殺していたが、その表情と動作で和樹は気付いた。
いたずら好きの父親が、またも自分をはめたという事に。
「と……とふひゃあん(父さん)……」
その言葉を聞いて、ついに限界が来たらしい。雷王は引っ張っていた手を離し、その場でゲラゲラと笑い転げた。
「アハハハハハ!! な、何だよさっきの顔! ブヒャハハハハヒャア!!!」
「う、うるさい!!」
和樹は怒鳴ってやめさせようとするが、雷王はやめようとしない。むしろどんどんヒートアップした。
最初に感じた恐怖も、失敗したことに対する自己嫌悪も忘れ、和樹は普段通りに、雷王に掴みかかった。
「はあ……はあ……はあ………」
「ぜえ……ぜえ……ぜえ……ああ、笑えた……」
「ま、まだ言うか、この……」
散々はしゃぎまわった後、結局勝負は引き分けになってしまった。
とりあえず呼吸を整える。これでは相手が雷王であれ、ゾンダーであれ、戦うどころではなかった。
「どうだ?」
また不意に、雷王が話しかけてくる。
その顔はいつもの、式森雷王の顔だった。
「すっきりしただろ? あれだけ騒いだんだから」
「………うん」
すっかり雷王の策に乗せられてしまったが、それでも嫌な感じはしない。むしろ心地よかった。
「あんまり、一人で背負い込むなよ」
「え?」
「誰だって失敗はあるんだ。月並みな言葉だけどな」
今度の言葉は、するりと奥に入ってきた。
「俺だって、お前位の時には失敗だらけだった。凱だってそうだ。戦っていた最初の頃だってな。戦闘の後になると何時も倒れてた」
「うん」
「敵を仕留め損なった事だってある。それでも、みんな凱を責めたりしない。何でだと思う?」
不快に思う事無く、すんなりと、清水を飲むときよりも、すっきりと。
「信じてるからだよ。凱の『勇気』を」
「父さんの……『勇気』…」
「さっきは失敗してしまった。だけど今度は大丈夫だ。絶対皆を守ってくれる、必ず生きて帰ってくる。だから俺たちは、凱を支えてこれたんだ」
「…………うん」
「俺達が支えている限り、あいつは何度でも立ち上がれる。あいつが『勇気』を失わない限り、俺たちは何度でも起き上がれる。それが……」
雷王は笑っていた。
何時もの様なふざけた顔でも、酒を飲んで酔っ払った時の様なだらしない顔でもない。
「それが、仲間なんだ」
父親の顔だった。
どんなときでも、見捨てないで、ただそっと温かい眼で見守る、そんな、『父親』顔だった。
「だから、お前もいちいち愚痴るな。そんな暇があったら、責任感じているんだったら、少しでも怪我の回復を優先させろ。解ったな」
「うん、解った」
久しぶりの『父』の説教だったけれど、それは、どんな薬よりも、どんな魔法よりも和樹の心を癒した。
部屋から出た雷王を待っていたのは、華だった。肩にはミレイも乗っている。
二人の姿を確認すると、雷王は二人と一緒に歩き始めた。
「ヨウ」
「お疲れ様でした。長官」
「別に帰っても良かったんだぜ、二人とも」
ちなみに雷王はミレイを鳥の様に扱いは余りしない。したりすると、三十分は嘴で突かれる事になる。
「オ前ヲ見テルト心配ダッタンダヨ」
「なに?」
「あんなに慌ててる長官は始め見ましたから」
ガオファイガー貸しとの攻撃を直撃した瞬間雷王の顔は蒼白と言っていいほどに青ざめていた。そして敵の攻撃が停止すると次の瞬間はもう第三新東京市へ向け
て発進する水陸両用整備装甲車へ向けて駆け出した。途中何人か隊員を踏んだかもしれないが、そんな事は気にしていない。
「マ、心配ダッタノハ和樹ヲ殴ルカモシレナイッテ事モアルケドナ」
「ええ、本当に……」
和樹と雷王の会話の様子を二人はドア越しに聞いていた。雷王の起こった様子(演技だったが)を感じ取ったときは、どうやって止めるか本気で悩んだのだ。
本気で切れた雷王を止められるのは、凱を除けば、紅尉を含めてほんの数人程度だからである。
「いつもみたいに平和的解決でよかったです」
あれを平和的解決というのかどうかミレイは疑問に思ったが、口には出さない。
「俺が和樹を殴る訳がないだろ。息子殴ったら、そいつは親失格だよ。第一、凱が戻った時にそれがバレたら、俺はあいつに殺されちまう」
雷王が笑いながらそう言った時、華の顔が一瞬曇る。ミレイは顔には出さないが、というか出せるかどうかは不明だが、華の感情を理解していた。
「あの……長官…………」
「あん?」
華は言うべきことがあると自覚していたが、それでも言えなかった。
しかし本来は言うべきなのだ。
凱はもういない、と。
宇宙の彼方へ消えてしまっても、彼はまだ凱たちが生きていると信じている。生きて、そして普段通りに帰ってくると確信し、疑わないでいる。
だからこそ、彼は『総裁代理』という立場にこだわっていた。GGGの長官だって、本当の所はしぶしぶ引き受けたものだった。
和樹の父親も、宇宙開発公団の総裁の地位も、GGG長官のポストも、全ては与えられた『仮初めの姿』であり、『偽者』だ。
ここは自分のいる所じゃない。
そうやって、酒の勢いで話したのを、華は良く覚えていた。
だからこそ言うべきなのだ。
長官は妄信的過ぎると、もっと自分に自信を持てと。
誰がなんと言おうと、あなたはあなただと。
けれども、その一言がどうしても出ない。
咽喉の奥で詰まっているならまだいい。息を吸いだそうともしない。
皮肉なことに、その理由も華は自分で理解していた。
彼にとって『獅子王』と『GGG』の名は大きすぎた。
皆自分より年上で、守るべきものが有って、地球を守るという使命に誇りを持って戦っている。不良だった雷王が更生するきっかけになったものも、彼等という
存在があったからだった。
今でも雷王は、凱達に劣っているというコンプレックスを抱えている。
諫言した所で、聞く耳を持たないだろう。
『買い被り過ぎだ』と、笑って返されるだけだ。
「………いえ、なんでもありません」
「ん? そうか? なんか言いたい事があるのか?」
こういう所は紅尉と同じでかなり敏感だ。『何でもない』のは嘘だと言う事を一目見て看破してしまった。
答える訳にもいかずに、焦っている所に、肩に乗った鳥が助け舟を出した。
「『雷王ハ親馬鹿』ッテ事ダソウダ」
「なにぃ! そ、そうなのか!?」
「え!? ええっと……」
「実ハ俺ノ本音ダ」
「ミレイ!!」
雷王が掴みかかるよりも早く、ミレイは華の肩から飛び上がった。
「ケッケッケッケッケ」
今度は雷王とミレイの言い争いが始まってしまった。
ばさばさと飛び交うミレイを雷王が追いかける。最初の疑問はすっかり忘れてしまったようだ。何だかんだ言って、結局は単純な男らしい。
(ありがと、ミレイ………)
後でとっておきのアップルパイを御馳走しようと、華は心に誓ったのだった。
『舞人、準備OKだよ。例の物も、先にネルフ本部へ送っておいた』
Gシティと双璧を成す、もう一つの大都市、それがヌーベルトキオシティだ。
あらゆる資源が掘り尽くされたこの都市は、その移動手段のほぼ全てを鉄道に任せている。
その都市の、どこかの場所で、会話をする二人の青年の姿があった。
「ありがとう浜田君。手間を掛けさせてしまったね」
旋風寺舞人は、どこかの狭い部屋の中で、モニター越しに会話をしていた。
いや、これは部屋ではない。コックピットの中である。
『いや、気にすることは無いさ。だけど気を付けてくれよ。予想以上の強敵みたいだから。それに今出発しても、敵の活動開始時間はオーバーしてしまう』
浜田と呼ばれた青年は心配そうに言った。
「ああ、そのあたりは時間との勝負だな。だが、絶対に間に合わせてみせる。まかせてくれ」
『舞人がそう言うなら、大丈夫だとは思うけどね。なんてったって、嵐を呼ぶナイスガイが見方なんだ。きっと何とかなるよ』
「そういうことさ。じゃあ、いってくるよ」
言葉だけを聞けば、なんともいやみに聞こえるかもしれないが、彼の人柄のためか、そういった印象は一切受けない。
通信を切ると、彼は正面のスクリーンを起動させた。
滑走路が開き、もう白んできた空が目に飛び込んでくる。
「ガイン。作戦内容はわかっているな」
『大丈夫だ、舞人。ネルフ、及びGGGの援護。使徒は無視し、WIZ−03の殲滅を最優先に』
スクリーンには何も映ってはいない。
しかし機械とは思えないほどに、人間じみた声だった。
「よし、いくぞ!」
瞬間、ヌーベルトキオシティの中央から、巨大な搭の様なものがせり上がった。
そしてそこの一部が回転・展開し、中から二つの希望が飛び出そうとしている。
「勇者特急隊、出動!!」
次回予告
ヤシマ作戦がついに発動。
玖里子の思いのため、自分のため、和樹とシンジの戦いが始まった!
二転三転と状況が変わる中、ついに待ちわびた『彼等』が到着する!
「人呼んで、嵐を呼ぶナイスガイ!」
「レッツ! マイトガイン!」
次回、『天使の
刃! 撃て、ポジトロンライフル!!』
正義の力が、嵐を呼ぶぜ!!