The magician of the Galaxy 最高の牙
荒れ果てた大地。折れたビル、地割れが入った道路。ここ、トランスバール本星が美しい
姿を失ってしまってから、すでに1日が経とうとしていた。
張り詰めた空気。心臓の音が、身体を伝わって響く。集音機から聞こえる、風を切る音だけを捜し求める。
しかし、なにも伝わってこない。和樹は、とてつもない圧迫感に必死に耐え、操縦桿を強く握った。
「・・・どこだ。どこにいる」
ポツリと、言葉が口から漏れる。あの見えない敵から逃げながら、早半日。
どこまでいっても距離は一向として変わらず、ついに和樹は真正面から向き合うことを選んだ。
このままでは、疲労をためるだけだと判断した。そう、自分に言い聞かせている。
しかし、本心は胸の中にある怒りに堪えれなくなったのであるとも、気づいていた。
「和樹様、緊張を解いてください。さきほどから、脈拍が正常値より速くなっています」
シャインクリエイターのインターフェイスであるリエが静かにつぶやく。
見た目は人間だが、プログラムの一部である彼女に疲労や緊張は見られない。
静かに、和樹に与えられた『対象の発見』を行っている。
「・・・・・和樹さん、おそらく相手も様子を伺っています。ここで動いては、相手に先手を取られてしまい、私たちには不利に働きます」
ちとせが励ますように声をかけてくれる。普段から弓道をたしなむ彼女は、こういった硬直にも免疫があるのか和樹ほどの焦りは見られない。
しかし、徐々に口数は減り、圧迫感に耐えているのがわかる。
「わかってる・・・わかってるよ」
落ち着かせるため、何度めかの励ましを自分に送った。早く、仕掛けてくれと思いながら。
「・・・・丁寧な攻めのようだな」
「そうだね。さすがは、紋章機ってとこかな。おもしろいね」
見えない機体。それを操る男性が言葉を漏らす。髪を適度に整え、特徴的な紅い瞳がある。
その瞳が金色の機体を捉えていた。彼に言葉を返すのは、彼の横に佇む女性である。
発達途上のボディーラインは彼女の持つ幼さが残る顔を引き立てる要素になっている。
「それに、昴だって楽しそうだから、私も楽しい」
その顔に笑みを浮かべ、男、昴の顔をのぞきこむ。昴は背筋を伸ばして顔の距離を離す。
「サクラ、これは任務だ。俺がそんなこと・・・」
反論しようとし、気づいた。この張り詰めた空気。身体に伝わる緊張感。この空気を、居心地よく感じている自分がいることを。
「ちがうのかな?昴、嬉しそうな顔してるんだけどな〜」
してやったりといった顔で、昴と顔の距離をつめる。
「いや・・・そうなのかもしれないな」
そう答えると、満足そうに頷くサクラ。
「うんうん、素直な昴のほうが可愛いよ。この辺りが」
人差し指で昴の口の横をつつく。本当に楽しそうなのが、逆に癪にさわる。
「こら、任務中だ」
手を払って顔を整える。対して、つまらなさそうにむくれるサクラ。
「昴のけち。いいもん、早く終わらせていっぱいつつくもん」
拗ねてそっぽを向いてしまう。まったく、こうなると面倒だ。
「わかったから。で、どうすべきだと思う?」
「そうだね・・・相手はきっと、自分から動かないと思うんだ。あたしたちはステルスで隠れてるから、
やろうと思えばすぐに先手を取れるの。でも、相手はそれを読んでる。
きっと、攻撃の際の熱反応でこちらの位置を確認して、一気に畳み掛けるのが向こうの戦法だね。
だから、逆に自分たちから攻撃したらあたしたちのカウンターでアウト、までは考えてると思うの。だから・・・あたしたちは裏をかく」
その幼い顔から放たれる言葉。最初は昴も面食らったのを覚えている。
しかし、いまではなくてはならない要素になっている。彼女がいれば、自分はどこまでも戦える気がしていた。
「裏をかく、つまり?」
「相手の予想外の行動をするの」
にこやかな笑顔で、サクラは答えた。
「・・・・和樹様!熱反応出現!」
「きた!?」
「いえ、これは!」
リエの言葉に、和樹は驚き半分、嬉しさ半分で答える。しかし、リエの様子に戸惑いが見えた。
まるで、予想外の行動が起きたような。
「相手機、確認成功。前方、800メートル」
液晶にその場面が浮かぶ。そして、和樹も驚いた。
「機体を・・・出現させた!?」
そこには黒い機体があった。しかし、真っ黒でなく、綺麗な漆黒。
それを引き立てる、銀色のウイングエッジや、両翼、機体の下部に取り付けられた3つの砲台。
攻撃的なフォルム。風を切るような機体の外観。兵器でなく、武器として追究されたものが持つ美しさがそれにはあった。
「・・・・なんのために?」
和樹は戸惑いを抑えながら、現状を理解しようとした。なぜ、圧倒的なアドバンテージを取れている相手が、そのアドを損するような行動をするのか。
「・・・和樹さん!来ます!」
「!?」
ちとせの声で思考の海から抜け出す。すでに、黒い機体からはエネルギー弾が放たれていた。まずい、先手を取られた。
「リエ!」
「了解。シールド発生」
慌てる和樹の指示を、丁寧にこなす。どんなにパイロットの精神状態が不利でも、機体の高性能が生きてくれた。
しっかりと、エネルギー弾はシールドに阻まれて威力を失う。
「くそ!やってくれるよ・・・反撃だ!エネルギー弾、8連!」
「御衣!」
シャインクリエイターの翼に、8つのエネルギー弾が生み出される。羽ばたきと共にそれらは打ち出された。
「対象との距離、10Mで爆破!」
「破壊後、爆風で10秒間の視界がさえぎられます」
「そこを、ブレードで叩く!」
「・・・御衣」
焦りが感じる和樹の指示を、丁寧にこなしてしまうリエ。
相手機体直前で、エネルギー弾を爆発させる。爆風が煙をたて、両者の視界を封じる。
「よっし!ブレード、展開!」
「了解。出力、60%」
リエの答えに、和樹が戸惑う。思わぬ出力の低さしか展開できないことに対してだ。
「もっと上がらないのか!」
「チャージが足りません。長時間の飛行に加え、探索時間が大幅なエネルギーの消費を・・」
「先にいえ!くそ!」
事務的なリエに対して悪態をつき、低出力のまま機体を羽ばたかせる。
「いっけー!!」
翼が、煙を両断する。その中にまぎれた機体も、おそらく刃の餌食になっているだろう。
不自然なあっさりさを感じず、和樹はただ安心感を覚えた。
「やった・・・」
「・・・・」
リエは沈黙した。明らかにおかしい。相手も、和樹も。一方的なストレスが判断を狂わせている。
おそらく、狙って仕向けたのは相手だ。となると、まだなにかあるはずだ。
そう信じ、検索を始めた。しかし、遅かったのだ。直後、シャインクリエイターを衝撃が襲った。
「背後、だって!?」
振り返ると、背後からゆっくりと黒い機体が出現した。
黒い機体のコックピット。サクラが笑みを浮かべていた。
「裏をかいて・・こちらから強引に先手をとる。ステルス解除による迷いが、その後のカウンターを雑にする。
あとは、相手の攻撃にあわせてステルスを再起動して回り込めば・・・有利にことは運ぶ」
成功したのが嬉しいのか、自慢げに作戦を解説する。ここまで焦らしたからこそ、効果的になった手法だ。
紺色の機体は引っかからなかったが、問題視されていた金色の機体に一撃加えられたのは大きい。
「サクラ。次は、どんな動きをする?」
昴が問う。迷ってではなく、最初から当然のような口調だ。
「そうだね・・・今注意するのは、あの機体かな」
その視線は、標準を合わしたシャープシューターがいた。
「金色のほうは、だいぶ揺さぶりが効いたからね。あの落ち着いてるのを崩せば・・・あたしたちに波は向いてくるよ。
でも、金色は攻撃の威力が高いから注意だね」
冷静な読み。それは、戦いにおいてはどんな武器よりもすばらしいものになる。
相手の動きが先読みできる以上、戦闘はかなり有利に進む。そして、その環境下で動くのが熟練の戦士ならば。敵は、ない。
最高の読み手であるサクラ。そして、最高の操縦者である昴。この2人こそ、第3方面軍の8割を潰した張本人たちだった。
エオニアの持つ、最高の戦士でもある2人。
まだ、和樹たちとこの2人では、実力の差はかなり大きかった。
「そうか・・・紋章機でも、この程度なのか」
昴は静かに操縦桿を倒し、シャープシューターへ向かう。しかし、その瞳には他のものが、遠い日の記憶が映っていた
紅い瞳。それは、黒瞳が大半を占める昴の国では批判の的だった。悪魔の子。不吉な子。
呪われた子。災いを呼ぶ。最悪の源。生きていては、ならない。そんな中傷を受けながらも、昴は必死に生きた。
義母の連れである、義理の妹のサクラと共に。母親は生まれてすぐに事故でなくなり、再婚した父と義母は・・・仕事上のトラブルで死亡。
ある艦隊の指揮官と共に亡くなったらしい。その司令官の娘の下には、司令官が抱えていたというぬいぐるみが届けられたという。
しかし、昴とサクラにはなにもなかった。
親戚中をたらいまわしにされ、行く先、行く先で忌み嫌われる。
そんな生活を変えるため、
昴は2年前、15歳になるとともに13歳のサクラとトランスバールの首都に来た。
「お兄ちゃん・・・寒いね」
「そうだな。少し、我慢してくれサクラ。もうすぐ、もうすぐ仕事を見つけるから」
震えるサクラを抱きしめながら、雪が降る中、橋の下で昴は耐えた。いつか来る、幸せ。
震えなくてもいい、満足に取れる食事、そして。そして・・・この腕の中の義妹がためらいも
なく笑顔を見せてくれる日を。いつも、いつも心配をかけさせた。自分のために、サクラの幸せを奪った。
友人や家庭、そして、自分が義兄であることがどんなにサクラを追い詰めたのか。考えれば考えるほど、申し訳なくなる。それでも。
「すまない・・・」
「・・・大丈夫だよ、お兄ちゃん。サクラは・・・ずっと傍にいるから。ずっと・・・」
「・・・すまない・・・・」
強く抱きしめる。それでも、この、ささやかな温かみが離れてしまわないように。自分の元に、あり続けるように祈ってしまうのだ。
そんなときだった。彼が現れたのは。
「・・・・誰だ?」
日の光をさえぎるように立つ人影。かすかな暖を奪う人物に対して、早く消えろと言おうとして、振り向いた。
奇異の目で見る奴か。憐れみの目を向ける奴か。しかし、どちらでもなかった。その人物は、静かに昴たちを見下ろしていた。
「・・・・」
「・・・・」
昴より、年上の青年。金髪の髪。昴と同じ、赤い瞳。
しかし同じ瞳でも、見につける服や、傍にいる大人たちでその青年が恵まれた環境の者だと分かった。
「・・・・彼らを屋敷に運べ」
青年が、静かに傍にいる大人たちに命じる。
「・・・は」
大人たちがこちらへ寄ってくる。反射的に、サクラを抱きしめる。
「早く来い。その娘に風邪を引いてほしくないだけだ」
青年の、ぶっきらぼうな言い方。それに引っかかりながらも、昴はサクラが心配で青年に従った。サクラの体温は、かなり冷えていたから。
これが、昴とエオニアの出会いだった。
「・・・・」
「昴?どうしたの?」
声をかけられ、顔をあげるとサクラの顔があった。
「ああ。なんでもない」
「?変な昴。敵は目の前なんだから、集中してよ!」
首を傾げるが、気に留めるのは一瞬ですぐに切り替わるサクラ。
「ああ、悪い。あ・・・サクラ」
「もう、なに?」
振り返るサクラ。身体的にも、精神的にも成長をした。呼び方も、恥ずかしいといって名前に変わった。
それでも、自分が護りたい存在はすぐ傍に変わらずにいるのだ。
「いや、なんでもない」
「・・・・本当に狂っちゃった?」
今は、こんな憎まれ口も叩くけど。今が、昴の考え抜いた生き方。幸せを掴む、方法だ。
「出力80%へ上昇。クーガ、対象へ攻撃開始する!」
黒い機体、空牙(クーガ)がスピードをあげた。
一方、エルシオールを中心としたエンジェル隊は。
「紋章機、収納しました」
オペレーターである青い髪の勝気な少女、アルモの言葉を聞き、私服のままだったタクトは、席に沈み込むように身体を倒した。
疲れが体を支配し、指先すら重い。
「はあ・・・またミルフィーの運に助けてもらえたな」
最強(最凶)の運を持つミルフィーユ。彼女がたまたま放ったエネルギー弾が、偶然中途半端に決壊した建物を壊し、
奇跡にも舞い上がった砂煙のおかげで敵の姿を確認することができ、撃退にまでこぎつけた。
タクトとしては逃げることができ嬉しくもあり、相手のデータは全く集まっていないため不安に頭を痛くするのだった。
「ったく、レスターはこんなときに限っていないし。俺の苦労が増えるじゃないか」
エルシオールに乗り込む際、生徒の退避に協力しに行ったまま消息が消えたレスター。
彼のことだから安全だとは確信できるが、居てくれないのはかなり厳しい。仕事が増え、
休むこともできない。これも頭痛の原因。そして、もう一つ。
「タクト!」
ブリッジに突っ込むように入ってくる5人。もちろん、エンジェル隊である。
その先頭に立つランファが、真っ先にタクトに噛み付いてくる。
「ちとせは!?和樹は!?」
「・・・まだ、見つからない」
そう。和樹、ちとせと合流できていないこと。これが最大の頭痛の種だった。
彼ら2人は、紋章機に乗ってから日は浅いが強力な戦力だった。彼らがいないための戦力ダウンはとても大きなものだった。
「タクト、あたしに探しにいかせておくれ。和樹もちとせも、見つけて帰ってくるからさ」
フォルテが真剣な眼差しで言う。彼女はエンジェル隊のリーダーでもあり、純粋に心配しているのだろう。
「いいえ、私がいきます。ハーベスターなら、移動が不可になっていたとしても修理できます。
・・・彼らは、私の生徒です。行かせてください、タクトさん」
ヴァニラが名乗りをあげる。教師として、彼ら2人と最も密接だったヴァニラ。
事実、彼女はちとせや和樹をかなり大切に想っていた。その証拠に、彼女にしては珍しく、その表情から焦りを読み取れた。
「ちょ、心配なのは2人だけじゃないわよ!あたし、あたしがいく!」
仲間に関しては、最も情を持つランファ。事実、彼女はしきりにちとせや和樹のことを聞いてきていた。
そして、2人を置いて来てしまったことにかなりの責任を感じていた。
「あたしも心配です。絶対に、和樹くんやちとせとはぐれたままなんて嫌です!」
ミルフィーユまで声をあげる。4人の視線がタクトに集まる。2人のことは、タクトだって心配だ。
できることなら、エルシオールごと動かして探したい。全員に、捜索命令を出してやりたい。
しかし、それはできない。司令官として、まだ整備が終わっていない紋章機を出すことや、
皇国の重要な切り札であるエルシオールを2名のために危険にさらすことは。
でも、ちとせや和樹を見捨てたくない。しかし、それは司令官として正しいことか。
2人なら大丈夫だ。でも、故障して動けないだけだったら助けなければいけない。
しかし、もし先ほどのような敵と交戦中だったら・・・
「・・・・みなさん、タクトさんを苦しませないでくださいませ」
静かに、ミントが口を開いた。全ての視線が、ミントに集める。驚愕もあるが、中には怒りも混じっている。
「司令官として、タクトさんは私たちにはいい返事を返せませんわ。
でも、それはタクトさんの全てではありません。助けたい、救いたいという気持ちは存在します。
ゆっくり考えてもらって、それから出される指示を待ちましょう」
テレパスを使わずとも、最もタクトのことを知っているミント。
彼女だからこそ、こうして語りかけてくれている。仲間にも、タクトにも。
「・・・・納得できません」
ボソリと、誰かが言った。ランファだろうか。見ると目線に気づき、首を振る。
なら、ミルフィーだろうか。しかし、彼女の視線も同じく泳いでいた。今の言葉を言った人を探すために。
しかし、その答えはミントが口にした。
「・・・・ヴァニラさん」
「・・・え!?ヴァニラ?」
つねに無感情で、顔に表情を出すことが少ない。どんな意見も、素直に頷いていた彼女が文句を口にした。
それは、タクトを始め、フォルテやランファでも初めて見ることだった。
「和樹くんも、ちとせさんもかけがえのない友人です。・・・私には、見捨てることはできません」
ミントが慌てて口を開く。ミントも、ヴァニラの反応に戸惑っていた。
「少し待ってください、ヴァニラさん。タクトさんのことも考えて・・・」
「ミントさんは・・・タクトさんのことしか考えていません」
ヴァニラの返事。それに、全員が息を呑んだ。
「ミントさんやタクトさんは、なにかに理由をつけて探したくないだけです。教師として、仲間として私は探しにいきます」
「ヴァニラさん!今、どんな状況なのかわかって言っているのですの!?」
ミントが声を荒げる。探したくないはずがない、自分もタクトも、その気持ちがあるから。
だからこそ、ヴァニラの言葉に腹が立ってしまった。
「ええ。和樹くんと、ちとせさんが私た・・・いえ、私を待っています」
まるで、決別のような言葉。言葉の後、しばし時が静まる。
「では、これで」
背を向け、ブリッジを出て行く。ミントが慌てて追いかけようとする。しかし、ミントの手を止める人がいた。
「は、放してください!タクトさん!」
ミントにしてみればわけがわからなかった。どうして、あのヴァニラが無理を通そうとするのか。
どうしてタクトのために行動したのに、タクトに止められなければいけないのか。
「ミント!君も落ち着くんだ。・・・大丈夫、ヴァニラだって心配してるだけさ。ゆっくり話し合えば、分かってくれるよ」
タクトが、ゆっくりと言う。どうして、この人はこうなのだろう。絶対の自信を持って、自分こそ辛い立場なのに・・・声を聞くと、安心してしまう。
信じられる気がする。
「・・・はい。すいません」
「よし、じゃあまずはヴァニラを捕まえるか」
ポンポンと頭をなで、立ち上がる。
「みんな、疲れてるかもしれないけど頼むよ。今なら間に合うから・・・」
「いや、無理っぽいね」
「あら?」
フォルテに話の腰を折られ、タクトは目線を画面へ向ける。そこには、すでに飛び立っていくハーベスターが。
「は、早い・・・・」
「まあ、ヴァニラですから」
「・・・ミルフィー、答えになってないわよ?」
特に驚いた様子もなく、言うミルフィーユに突っ込むランファ。
「さてと、司令官殿?」
フォルテの目線が、自分に向く。フォルテが、自分のことを司令官殿、なんていうのは面倒なときだけだ。
「あたしは、今から飛び出してった子を追いかけるけど・・・文句はあるかい?」
「・・・はあ、ミント、ランファは残ってくれ。ミルフィーは、フォルテ、ヴァニラと一緒に和樹を探してくれ」
頭を抱えながら、新しい頭痛に耐えて指示する。
「はーい了解」
手を上げて答えるミルフィーユ。
「って、あたし留守番!?」
「仕方ないだろ、あんたの機体はさっきの戦いから整備が全然終わってないんだから。じゃ、留守番頼んだよ」
ミルフィーユに対して、心外とばかりに食って掛かろうとするランファを慰めるフォルテ。
「はーい・・・和樹たちのこと、お願いしますね。フォルテさん」
「任せて、ランファ」
「あんたは足引っ張んないようにね」
「ひどいよ〜ランファ」
ミルフィーユには激励をして、送り出すランファ。そして、ブリッジに残る3人。
「えっと・・・・どうしようかしら」
複雑な空気の中、ランファは天を仰いだ。
あとがき
お久しぶりです、すいません!すっごく時間を空けての更新ですね、「最高の牙」です。
当初、銀河の魔術師では「マルス」だったのがしっかりとしたキャラとしてリニューアルされたオリキャラ、昴と追加のサクラ兄妹。
実は血がつながっていなかったりと、あやうい2人です。名前は、昴はdiarのキャラから(性格は今はちがいます)。
サクラはなんとなくですね。しいていうなら日本出身の設定を分かりやすくするためです。
以外に茶目っ気たっぷりで、私的に使いやすいキャラです。その辺り、DCのさくらをイメージしてます。
(当初は小桃の予定でしたが、どうもイメージが合わなかったのです)
近いうちに、サクラVSタクトのチェスのような戦いを考えていますが・・・難しいかも。
空牙と、元ジェットブレイカーも改良されました。
下は昴、サクラ、のプロフィールです。
緑葉 昴
身長172cm。体重63kg。 髪の色 黒 瞳の色 紅
特技 料理 サクラの機嫌取り 機械に関しては万能 不特技 特になし
趣味 骨董品集め サクラ
誕生日 3月14日。
緑葉 サクラ
身長152cm 体重 秘密 髪の色 栗色 瞳 こげ茶色 B78 W54 H79
特技 チェスや将棋全般 歌 不特技 家事全般(滅亡的)
趣味 お菓子作り(滅亡的なのに) チェス 昴で遊ぶこと 昴とじゃれること
誕生日 7月7日
といった感じです。サクラに対して、昴が「成長した体」とありますが、それは昴視点からで、未だ発達途上です。
ご感想、昴やサクラに関しての質問など、いろいろとお願いします。
昴とサクラは短編書けそうなくらい、愛着がわいたキャラになりました。